翻訳

ルーマン初の著書『行政の瑕疵と信頼の保護』(1963)の「編者による序文」

こういうの資料っぽくていいんじゃないですか。『公式組織』(1964)が初の単著!みたいに言われることが多いわけですが、この本だって、第二章以外は全部ルーマンが書いているのです(ただ、150ページ中、第二章が70ページあるという噂も(笑))。 本研究…

Verlaufのイメージ

ドイツ語でVerlaufという言葉があって、辞書(『クラウン独和辞典』)には (1) (時間・事態などの)経過.―einen guten 〜 nehmen 順調な経過をたどる. im 〜 der Diskussion 討論の過程で. nach 〜 von fünf Tagen 5日後に. (2)(道路・境界線などの)延び具…

過去分詞だからといって「〜された」と訳さない

外国語の不自由を日本語に持ち込まない件再び。 パーソンズからルーマンに引き継がれた言葉にgeneralized mediaというのがあって、「一般化されたメディア」と訳されている。ところが日本語で「〜された」というと、「え、誰に?」という話になってしまう。…

英語の不自由を日本語に持ち込むな

ギデンズ用語にreflexive monitoringという言葉があって、「再帰的モニタリング」などと訳されているが、駄目な訳語の作り方の典型だと思う。普通に「反省」とすればいいのだ。男爵がわざわざmonitoringとつけているのは、reflexiveとかreflectionという英語…

ギデンズ『社会の構成』索引項目

The Constitution of Society: Outline of the Theory of Structuration作者: Anthony Giddens出版社/メーカー: Polity発売日: 1991/01/15メディア: ペーパーバック クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見るとりあえず掲載。訳語統一に使う。随時更…

ギデンズ『社会の構成』裏表紙に書いてある推薦文

The Constitution of Society: Outline of the Theory of Structuration作者: Anthony Giddens出版社/メーカー: Polity発売日: 1991/01/15メディア: ペーパーバック クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見る英語原文はこちら。 本書はこの10年間に英…

ギデンズ『社会の構成』文献(N-Z)

The Constitution of Society: Outline of the Theory of Structuration作者: Anthony Giddens出版社/メーカー: Polity発売日: 1991/01/15メディア: ペーパーバック クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見るA-Mはこちら。 N Nadel, S. F., A Black B…

ギデンズ『社会の構成』文献(A-M)

The Constitution of Society: Outline of the Theory of Structuration作者: Anthony Giddens出版社/メーカー: Polity発売日: 1991/01/15メディア: ペーパーバック クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見る随時更新。 なんか人名も書名も甚だしく不…

more or less 〜

「more or less」を「多かれ少なかれ」と訳すのは手抜き翻訳の典型である。例はいくらでも転がっているが、やはり『未開社会における構造と機能』から(別にこの訳書に恨みがあるわけではないが、いま読んでいるので)。 社会生命と有機体生命の類比にもどっ…

speak of 〜

英語文献で「speak of 〜」と出てきたら、「〜について語る」と訳す約束になっているようだ。逆に、訳書に「〜について語る」と出てきたら9割方「speak of 〜」の訳だと考えて間違いない。 しかしこの約束はまったく間違いなので、以後使わないようにしても…

シリーズ本日の誤訳(3)

公式組織の機能とその派生的問題 上巻作者: ニクラス・ルーマン,沢谷豊出版社/メーカー: 新泉社発売日: 1992/03/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (24件) を見る【誤訳】 そうした古いとらえ方は、公式的な構造や公式的な期待…

シリーズ本日の誤訳(2)

公式組織の機能とその派生的問題 上巻作者: ニクラス・ルーマン,沢谷豊出版社/メーカー: 新泉社発売日: 1992/03/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (24件) を見る【誤訳】 もし組織が組織目的に動機づけの意味をあたえて、その…

シリーズ本日の誤訳(1)

公式組織の機能とその派生的問題 上巻作者: ニクラス・ルーマン,沢谷豊出版社/メーカー: 新泉社発売日: 1992/03/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (24件) を見る下手な翻訳には目をつぶるにしても、間違った翻訳は指摘しない…