ギデンズ『社会の構成』裏表紙に書いてある推薦文

The Constitution of Society: Outline of the Theory of Structuration

The Constitution of Society: Outline of the Theory of Structuration

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本書はこの10年間に英語で書かれたものの中で、最も重要な大理論書とみなされることだろう。

マーク・ポスター
(カリフォルニア大学)
本書はパーソンズハーバーマスの著書と並び立つ社会学の大理論書となるだろう。今日社会科学はどんな状態にあるのか、社会理論というのはどんな性格のものなのか、社会理論にとって哲学はどんな意味を持っているのか、こうしたことに関心のある人なら誰でも、このギデンズの大胆かつ繊細な著書と格闘せずにはいられなくなること請け合いである。
リチャード・J・バーンスタイン
(ニュースクール・フォア・ソーシャルリサーチ、ニューヨーク)
アントニー・ギデンズの新刊には、彼の理論的見解が満載だ。年来の読者はとうにご存じのとおり、ギデンズの文章は緊張感に満ちて無駄がなく、決して脱線することがない。ほとんど職人芸のごとき文章である。だからこそ彼の本を読むことは本当に楽しい経験なのだ。
デニス・ロング
(『タイムズ』高等教育増刊号)
この10年間、アントニー・ギデンズは社会理論発展の最先端に居続けている。その彼が、本書『社会の構成』において、その間に練り上げてきた独自の立場のアウトラインを示し、社会思想におけるまったく新しいパースペクティヴについて完全な定式化を与えるにいたったのだ。これまでの著作の中では簡単に触れるだけだった様々な発想に、本書で初めて統一的で包括的な定式を与えたのであり、その意味で本書は綜合と練成の一書である。中でも特筆すべきは、抽象的な理論問題を社会科学の経験的方法が持つ固有の性質に結び付けて考えようとするギデンズの態度だ。さらに、自分の見解の呈示とならべて、既存の正統派社会学の見解をいくつか取り上げてそれらを批判している。このように、『社会の構成』は、現代の社会理論が取り組むべき基本論点に関心を持つすべての人が参照すべき、とてつもない価値をもった著書なのである。