新潟医療福祉大学「社会学I」 第10回 「ライフコースとライフスタイル」

今回は、米村千代さん執筆の第2部第3章「ライフコースとライフスタイル」。
ちょっとここは変なんでは? というところ。

ライフコースは、さまざまなできごとと人々の生涯を重ねて考察する方法である。ライフコース論の分析の単位は個人であるのに対し、家族や世帯など生活をともにする集団に着目して、継時的に変化をとらえようとするライフスタイルサイクルという方法がある。(p. 138)

まず、「ライフスタイル」と書いてあるけど、これは明らかに「ライフサイクル」の書き間違いなので直した(この文章は「ライフサイクル」という節の冒頭)。あと、ライフコースとかライフサイクルが「方法」だというのは、それ自体が変な言葉遣いだと思うが、それは措く。
さてそのうえでなお、ここにはかなり変なことが書いてある。簡単にいうと、個人の人生がライフコースで、集団の「人生」がライフサイクルだ、というのが引用文の趣旨。これはちょっと聞いたことのない語用だ。
普通、ライフサイクルというのは、個人の人生を青年期とか老年期みたいなライフステージに分けて、各期ごとに克服すべき危機を論じる、みたいな話であって、あくまで個人の人生。
ちょっとややこしいのは、引用文のあとで論じられているのが「家族周期論」だということ。これは、家族という集団の「人生」を、ライフサイクル論的に論じたもの。しかしこれは、本来個人を対象とするライフサイクル論を譬喩的に応用したものにすぎない(家族という集団が、もし一人の人間だったら、みたいな)。
というわけで、ライフコース論とライフサイクル論を個人/集団で対比することはできない。むしろ、ライフサイクル論(家族周期論)が、どんな個人(家族)にもこれこれの発達段階があって〜、みたいな理論化・統一化の傾向を持つ(共通性重視)のに対して、ライフコース論は索出・個別化の傾向を持つ(差異重視)という対照の方が適切だと思う。
 
以下、レスポンスカードより。

  • 社会学の授業を何回か受けてきたけど、やっぱり内容が難しいです。

  • うちの両親のライフスタイルはとても違います。父は仕事をするけど家では全く何もせず、母は仕事が少ないけど家事は全部しています。将来こうなりたくないと思っています。 (特定の家庭内分業形態を、あらかじめ排除してしまうのはちょっとリスキーです。そういうのって、基本的に妥協の産物ですから。おそらく、あなたが「こうなりたくない」という内容には、単なる分業形態だけでなくて、両親それぞれの人生観、互いに対する態度など、様々な要素が含まれているのではないでしょうか。大切なのは、妥協しながらも、よりよい状態をともに模索していけるような関係を、パートナーとの間に築くことです。なんか人生相談みたいなこと書いてしまいました・・・

  • 今日先生は頭がボーっとしているとおっしゃていたのにもかかわらず、時間いっぱいまで授業をしてくれました。私のような学生は、今日はだるいなぁと思えば授業中寝ることもできるし、休むこともできますが、働き始めるとボーっとしていても集中して働かなければならず、本当に責任がのしかかるものだと改めて思いました。働いたら、しっかりと責任を持って働きたいと思いました。

  • 今日、ライフヒストリーについてお話がありましたが、私がこれまでの私自身の人生についてふりかえってみると、最近よく思うことは、私は本当に親に愛され、大切に育ててきてくれたんだなぁってことを、強く感じます。その時気付かなかった事が、今になって気付くことが沢山あるように思いました。

  • 人が少ないですね。

  • 高齢者施設では利用者さんの今までどのように生きてきたかが大事にされますが、ライフヒストリーが主観的なものだと聞いて、客観的には見ることができないのかと思い、少し悲しくなりました。 (ん? どこが「悲しい」のでしょう。主観的だからこそ、ただの出来事の羅列ではなくて、人生を物語として捉えることができるんじゃないでしょうか。そういう物語の結果として、今の自分があると主観的に捉えられるからこそ、利用者の来し方が大事にされるんじゃないでしょうか。

  • 先生のやる気が出なかったのは、人数が少なかったからじゃないんですか? (やる気が出なかったわけじゃないんですけどね。なんか自分の中でまとまりがつかなかったんですよね・・・ 一般論として言えば、人数は少ない方がうれしいです。

  • 尼克拉斯魯曼全百科、毎日見ています。レスポンスはスクロールしてもしても下にいかないので読破できませんでした。

  • レポートの件ですが、私は文章を書くのが苦手で、内容が薄い文章になりそうですが、どうしたらいいでしょうか。 (それについては、とにかく内容が濃くなるまで書いては書き直すということを続けるしかありません。最初から文章が上手く書ける人はいません。

  • 共働きにあるないにかかわらず、女性のほうが家事時間が長いことがずっと変わらないのは、家の中のことは女がするものだという昔からの考え方が色濃く残っているためであるのかなと思いました。 (そういうのを性別役割分業意識といいます。これを当然視する人は年々減ってきてはいるのですが・・・

  • レポートが上手く書けるか不安です。

  • 今日は黒板に説明が多くて分かりやすかった。レポートに書く内容を決めたので、今日からレポートを書きはじめようと思います。

  • 最近ライフヒストリーを本として出版する人が多いが、だいぶ話をおもしろおかしく盛っている気がします。その人が口頭で自分の人生を語ることで、それが正しいか否か、本人の伝え方次第でだいぶ変わると思う。そのような出版本を否定しているのではないが、やはりすべてを客観的に見ることは難しいことだと分かった。でも、どれも個人のライフコースなんだと思いました。 (『ホームレス中学生』的なあれですかね。もちろん、盛ってくれているからこそおもしろいわけですね。客観性というのは、非常に特殊な空間(科学とか裁判とか)でしか通用しない、マイナーな価値観の一つにすぎません。

  • 先生のレスポンスに対するレスポンスを聞いて、前よりは少しがんばって書こうと思いました。でも相手が面白く思うってよくわかりません。レポートや論文というのは、かた苦しい文章という印象があるので、それを面白く見せるように書くって難しいですよね。面白いと思えるような発見を書きたいです。まず見つけたいです。自分的には人数の少ないこの空間の方がやりやすいです。先生がんばって下さい! 少ない生徒でもやる気のある子多いとおもいます。 (おっしゃる通り、面白さは、まず発見の内容によって決まるものです。あとは、その面白い発見を、面白さを殺すことなく適切に伝えられるような文章になるように工夫してください。堅苦しさとか「論文っぽい文体」それ自体には何の価値もありません。

  • 授業に出なくていいと言うのは必修と与えられているのにあまり良くないと思います。先生髪切りましたね。夏に向けてですかね? また性の話題出ました。心理学と社会学似てると思います。 (授業に出るのは義務ではなくて権利ですからね。大学生ともなれば、その権利をどう行使するかは自分で決めるべきだと思います。少なくとも私は、「出席をとる」ことで縛って、いやいや来ている人の前で、知的な話ができるとは思いません。

  • 今日の授業は受ける人が減っていましたが、僕は受け続けようと思います。先生の話は聞いていてとても興味をひくものがあるので。

  • レポートだけが心配です。人が少なくてやりやすかったです。

  • 今日の授業はあまり人がいなかった。授業をやる気あるのか?と思った。でもレポートだけで評価されるから、出席しなくていいと思った。正直レポート4800字〜8000字なんて書ける気しない。書き方のアドバイスをお願いします。 (とりあえず書き始めてみることですね。書き始めてみれば、たいした分量じゃないことがわかります。

  • 席がガラガラでしたね(笑)。レスポンスの打ち込みも早く終わって先生にもプラスになると思います。ところでこの大学って、何だか矛盾が多いです。インクの出ないペンがたくさんありすぎですよね? かといって補充するわけでもない・・・。「地球温暖化がナントカカントカ・・・」って印刷されたステッカーが随所に貼ってあったり(←結局はゴミなのに)、5億(!)もかけて三つ目のトレーニングジム付きの体育館を建設したり・・・。(そんなの建てるなら学費を安くしてほしかった・・・。金返せよ・・・。)「エコな大学を目指している」所以を教えて欲しいです。(きっと「コ」の字に濁点がつくんでしょうけれど(涙)。)言いはじめたらキリがないんで書くのをやめますが、こういう風に書いていくのも一種の社会学なんですかね。 (うーん、社会学一歩前ってとこですかね。現状に対する不満や疑問というのは、社会学的研究を裏で支える強力な動機になります。そのうえで、ある意思決定に対しては、その決定に至るまでにどんなプロセスを経たのか、そこに働いた権力関係や影響関係、構造的制約、意思決定の根拠となりうる組織の公式目標、決定にかかわる個人のパーソナリティといったものを詳細に調べていき、そうしたファクター同士の関係を、筋道立てて記述していくと、ある種の社会学になるかなあと思います。

  • 色々と間違っているところがあるんだなと思いました。何かあったらカードに書きたいと思います。

  • 臓器移植法の改正案じゃありませんけれども、先生の意見のB案に賛成です。悪い観点と良い観点を述べたほうが、説得力があると思います。 (レポートの課題の件ですね。説得力の優劣というよりは、一つの現象について様々な論じ方があるということかと思います。

  • なぜレポート100%なんですか? 単位を落としたらどうなりますか? (一言でいうと、私にとってはそれが当たり前だからです。落としたらどうなるかは知りません。一般論でいうと、再履修できるなら2年生で取り直すことになり、できないなら留年することになるでしょう。

  • レポートのテーマが決めれません。どんなものがいいのですか? (あなたが書いて面白いと思えるものなら何でもいいです。

  • 40年前、社会学が一般化や共通性をみつけていく方向性で現在は違う方向だということがわかった。ライフコースとライフスタイルの違いがわかった。ライフスタイルの図を見て、日本と他の国とでは夫の家事をしている時間の違いがわかった。

  • レポートの話をしたとたん、人数が半分になってしまいました。人間って正直ですね。

  • 人が急激に減りました。

  • 人が減ってびっくり。

  • 最初の方にレポートについて聞けてよかった。今日こなくて聞けなかった人もいるんで、自分はしっかりとしたレポートを書けるように努力したい。

  • 出席も成績に入れたほうがいいのでは? 10点や20点程度は・・・。今日の出席数からして・・・。テンションが上がらない理由もそれでは?

  • 人が減るだろうとは思っていたが、ここまでとは思わなかった。

  • ネタバレしたら人数がドンと減りましたね・・・ じっくり書いたものと即興で書いたものを見分ける方法って何ですか? (そんな方法があるなんて言いましたっけ? どうやって書こうと、出てきたものが優れていればそれで十分です。

  • 今日の授業は学生が少なすぎです。来週もまたこんな感じだったら大変ですね。

  • 今日の先生はテンションが低いようでした。大学に限らず、学校の先生方はみんな堅い感じがしているので、ちょっと安心したというか、こういうのもいいなと思いました。

  • 三谷さんのテンションが上がらないでフニャフニャ〜ってカンジだと講義を受ける僕らもフニャフニャ〜ってなって、3割増に眠いです。最後のジェンダーの話はずいぶんもりあがってましたね〜。その差につかれました。

  • 今回の講義は、人数が半分くらいでしたが、やっぱり出席しなくてもいいんですか? 正直、講義に出席しないのは気がひけます。

  • 今回は普段きかないワードがたくさんで困りました。でも、分かりやすかったです。・・・でも結局途中でどれが何なのか、分かんなくなってきて、こんらんしました。私は、まだ、レポートについて全く考えられていません。今後、もっと色々“これもOK”な課題がでてくるのも期待しつつ、自分でしっかり考えていきたいと思います。

  • 今日の話は今までで一番よく聞けた。

  • 今までレポートをどう書けばいいか本当に分からなかったんですが、今日の先生の話を聴いてどうにか出来そうな気がして来ました。特に、解決策は「観点を変える」というような事でも・・・(このような理解の仕方であっていますか?)と聴いて、安心したし、がんばろうと思います。私の「ライフスタイル」と使っていた意味と教科書の意味は違うと思いました。「週に1度はつりに行く」みたいな例えもライフスタイルだと思っていたのですが、言い表し方なのか、少し違う気がしました。 (授業では、仕事と家事という特殊事例に限って、かつ費やす時間という抽象的なことだけしか言いませんでしたが、もちろん「余暇」の過ごし方というのもライフスタイル論に含まれると思います。

  • 本当に出席をとらないで良いのかと感じました。出席をとらないということは5回以上休んだ人もレポートが良ければ単位とれるということですよね? それは少し不公平だと思いました。 (何が公平かは、基本となる価値観によって変わってきます。優れたレポートを書いた人の成績が、出席数の差によって、くだらないレポートを書いた人よりも低くなったりすれば、それはそれで不公平だという見方もできるでしょう。私の基本的な価値観は、努力それ自体を評価の対象とはしない、というものです(そもそも出席が努力だとも思いませんが)。評価対象はアウトプットであり、それはごく当たり前のことだと感じます。

  • ライフコースやライフサイクルの違いなど、詳しく話して下さったので納得できました。

  • 先生が教科書を著した人の内容に対して、ひんぱんに「まちがっている。」とよくおっしゃっていて、自分のレポートに対しても「まちがっている。」と思われたりするのではないか・・・。と不安に感じます。 (たとえば、「マートンの機能分析について述べよ」といった課題なら、「間違った」ことを書いたレポートが大量に提出されるのは目に見えています。間違った文章を大量に読まされるのは苦痛以外の何物でもありません。だからこそ、あなたが所属している社会的空間において、あなたが見聞した問題について、あなたの経験をもとに、教えてくれ、といった形の課題にしているのです。この形式だと、正しい/間違っているということよりも、発見がある/ない(発見をうまく伝えられている/いない)といった軸で評価することができますので。もちろん、後者の方が教育効果が高いことは言うまでもありません。

  • 男の人が家事をせず、女の人がするというのには、昔からそうだったという影響があるのだと思った。出席が成績に関わらなくなると、今回のように出てこない人が多くなってしまうので、やはり少しは関係させた方がいいのではないでしょうか。私にとってもそちらの方が嬉しいというのも本音なんですが。 (上の方のコメントでもう言い尽くしているんですが、うーん、私の常識(自分が学生時代の経験)では、履修者の大半が毎回出席しているという状況の方が異常です。

  • 今日は、人がすごく少なかったですね。先生にとっては、どうでもいいことなんでしょうけど、この授業の必要性がよくわからなくなってきました。とりあえずレポートがんばって書きます。 (世の中のほとんどすべてのことは不必要です。大事なことは、与えられた条件下で、自分にとって最適な選択をすることです。

  • 今日は人数が少なかった。先生がかわいそうだった。

  • あきらかに人数がすくなくなっていて、先生がかわいそうです。人数少ないとやる気なくなりませんか。 (かわいそうじゃないので気にしないで下さい。やる気はなくなりませんが、人数が減ると、出席している人は私の話を聴きたくて来てる人なんだ、と思って、ちょっと油断したというのが正直なところです。

  • 今日は授業にでていたひとが少なかったが、自分はこれからもでようと思う。

  • 今日は、人数がやたら少なかった・・・。レポートの話がくわしく聞けてよかったです。テンションが低いのは、人がすくなくてさみしいからですか?

  • 人がいなくてびっくりです。まわりに人がいすぎるのもちょっといやだけど、ちょっとさみしかったです。

  • レポートを書くうえで、どんな風に文章をまとめれば良いのかを考えてると悩みます。自分の経験でレポートにできるようなことがあるのか分かりませんが、がんばりたいです。 (一発で書ける、とは思わない方がいいです。私も、終わり近くまでかいて、最初から書きなおすということがよくあります。

  • 相手(読み手)がおもしろいと思うような文章を考えるのは難しい。ひとつの問題を様々な視点から分析しまくるので、いつもと違う目線で考えるのも難しいと思いました。

  • 人数がすくなくてさみしかったです。テーマが広くて悩む。

  • 今日は自分も朝からぜんぜんテンションが上がりませんでした。テンションが上がらないと、意欲ってなくなるんですね。

  • ライフコースとスタイル、サイクルの違いは大きな違いだと知りました。

  • 今日は、黒板にいっぱいかいてあって、書くことが多くて大変だった。

  • レポート書けるか不安です。単位もらえないと困ります。

  • 今日はすごく人数が少なくて驚いた。

  • 世帯数と人口は、とても複雑な関係だなと思った。少子化は1%くらいしか影響しないとは思わなかった。

  • 今日の授業はあまりに人が少なすぎてとても驚きました。何で今日はこんなに学生がいないのでしょうか。

  • 人数が減ってました。

  • 今日は人が少なかったです。レポートの例が早くみたいです。

  • レポートに書く内容はだいたい決めたけど、3枚以上書けるか不安です。