「岩波新書」目録リスト一覧 新赤版1251-1300 (2010年-)






太陽系大紀行 (岩波新書)

  • 1274. 野本陽代,『太陽系大紀行』,2010年 NEW!!
    • はやぶさボイジャー、かぐやなど、多くの探査機が惑星やその衛星、小惑星などを訪れ、私たちの想像をはるかに超える姿を伝えてきた。活火山が火を噴く木星の衛星、無数の細い環からなる土星の環、強風が吹き荒れる金星の大気、水の流れた痕のある荒涼とした火星の大地など、太陽系グランドツアーへのご招待。(カラー口絵4頁)



ことばと思考 (岩波新書)

  • 1273. 今井むつみ,『ことばと思考』,2010年 NEW!!
    • 私たちは、ことばを通して世界を見たり、ものごとを考えたりする。では、異なる言語を話す日本人と外国人では、認識や思考のあり方は異なるのだろうか。「前・後・左・右」のない言語の位置表現、ことばの獲得が子どもの思考に与える影響など、興味深い調査・実験の成果をふんだんに紹介しながら、認知心理学の立場から語る。(カラー口絵2頁)



アメリカン・デモクラシーの逆説 (岩波新書)

  • 1272. 渡辺靖,『アメリカン・デモクラシーの逆説』,2010年 NEW!!
    • 恐怖でがんじがらめの自由、負の連鎖に絡めとられる公正、他人の心身までも規定してゆく多様性、空洞化してゆく民主主義……。建国の理念を生き抜こうとするアメリカ社会の足下で、さまざまな皮肉な「転倒状況」が起きている。この希有な社会でフィールドワークを重ねてきた著者が、その実像と向かう先を余すところなく検分する。



農耕社会の成立〈シリーズ 日本古代史 1〉 (岩波新書)

  • 1271. 石川日出志,『シリーズ日本古代史1 農耕社会の成立』,2010年 NEW!!
    • 縄文の集落から弥生の農耕社会へ。稲作の導入を契機とする、日本列島の歴史の大きな分岐点は、しかし、「縄文人から弥生人へ」という単純な交代ではなく、複線としての歴史の始まりであった。北海道から沖縄まで列島全体をひろく視野に、ゆたかな地域性を保ちつつ緩やかに変わってゆく列島の姿を新鮮に描きだす。



希望のつくり方 (岩波新書)

  • 1270. 玄田有史,『希望のつくり方』,2010年 NEW!!
    • 希望は与えられるものではない、自分たちの手で見つけるものだ! でも、どうやって? 希望が持ちにくい時代に、どこから踏み出せばよいのだろう? 著者が出会った、たくさんの声に耳を澄ませて、希望をつくるヒントをさがし出す。「希望学」の成果を活かし、未来へと生きるすべての人たちに放つ、しなやかなメッセージ。



偶然とは何か――その積極的意味 (岩波新書)

  • 1269. 竹内啓,『偶然とは何か――その積極的意味』,2010年
    • 偶然は避けることができない。注意したのに交通事故に合う。成功率95%の手術に失敗する。幸運は分配できるが、不運はすべて自己責任で引き受けるべきなのか。物理学、生物進化、確率論、金融工学などにおける「偶然と必然」を検討すると、偶然の積極的な役割が見えてくる。不運の分配とは、偶然の専制を逃れる方法である。



トクヴィル 現代へのまなざし (岩波新書)

  • 1268. 富永茂樹,『トクヴィル――現代へのまなざし』,2010年
    • 『アメリカのデモクラシー』『アンシァン・レジームとフランス革命』で知られるフランスの思想家トクヴィル(1805-59)。デモクラシーのもとで生じる政治と社会の本質的な変容を深く観察した彼は、人間の未来をどう考えていたのか。生涯いだいていた彼の憂鬱な感情を手がかりにして、トクヴィルの思想を読み解いていく。



グランドツアー――18世紀イタリアへの旅 (岩波新書)

  • 1267. 岡田温司,『グランドツアー――18世紀イタリアへの旅』,2010年
    • 折しもポンペイ遺跡発見の頃、ヨーロッパ中の知識人や芸術家が馬車にゆられてアルプスを越え、ローマを、ナポリを、ヴェネツィアを目指した。〈観光旅行〉のはじまりともいうべき旅のなかで、彼らを魅了した人、自然、遺跡、そして芸術とは? ゲーテの『イタリア紀行』で知られる当時のイタリアを、疾走感とともに描く。(カラー口絵4頁)



知的財産法入門 (岩波新書)

  • 1266. 小泉直樹,『知的財産法入門』,2010年
    • テクノロジーからブランド、デザイン、エンタテイメントまで、私たちの身近にあふれ、生活を豊かにしてくれる知的財産。これを保護し、また、活用するため、関係する法律の仕組みを平易な言葉でわかりやすく解説する。特許法、商標法、意匠法、そして著作権法まで。誰がどのような権利を持ち、権利侵害になるのはどのような場合か。



ぶらりミクロ散歩――電子顕微鏡で覗く世界 (岩波新書)

  • 1265. 田中敬一,『ぶらりミクロ散歩――電子顕微鏡で覗く世界』,2010年
    • なんでも覗いてみよう。ミクロの不思議に魅せられた著者が、得意の電子顕微鏡で超微小世界をぶらりぶらりと見て歩く。庭に咲く草花から、はては自分の髪の毛まで。ふだん肉眼で見るのとはまったく違う、奇妙奇天烈な横顔が立ち現れる。身近な物を題材に散歩気分でつづった、ちょっとユーモラスな科学エッセイ。



前方後円墳の世界 (岩波新書)

  • 1264. 広瀬和雄,『前方後円墳の世界』,2010年
    • 見る者を圧倒する巨大な墓、前方後円墳。造られた当初は、全体が石で覆われ、時に埴輪をめぐらすなど、さらなる威容を誇っていた。3世紀半ばから約350年間、この巨大古墳が列島各地に造られたのはなぜなのか。史跡として復元・整備された古墳を紹介しつつ、その世界観や地域相互の関係に迫る。



『教行信証』を読む――親鸞の世界へ (岩波新書)

  • 1263. 山折哲雄,『『教行信証』を読む――親鸞の世界へ』,2010年
    • 人殺しの大罪を犯したような極悪人は宗教的に救われるのか。救われるための条件は何か。親鸞自身の苦しみと思索の展開をたどり、引用経典の丁寧な読み解きとともに親鸞宗教思想の核心を浮彫りに。歴史的洞察や史料論的解釈、比較論的考察を交えながら、宗教思想史に屹立する親鸞をその自然な思想的相貌において捉え、平易に叙述する。



漢文と東アジア――訓読の文化圏 (岩波新書)

  • 1262. 金文京,『漢文と東アジア――訓読の文化圏』,2010年
    • 漢文の訓読は従来日本独自のものと思われてきたが、近年、朝鮮、ウイグル、契丹など中国周辺の民族の言語や中国語自体の中にも同様の現象があったことが明らかになってきた。仏教の漢訳の過程にヒントを得て生まれた訓読の歴史を知ることが東アジアの文化理解に必要であることを述べ、漢文文化圏という概念を提唱する。



文学フシギ帖――日本の文学百年を読む (岩波新書)

  • 1261. 池内紀,『文学フシギ帖――日本の文学百年を読む』,2010年
    • 鴎外・牧水・百輭から三島・寺山・春樹まで、いずれ劣らぬ腕利きぞろい。さまざまな「フシギ」を秘めた作品に、当代随一の読み巧者が挑む。少し違った角度からあの名作を眺めてみると、思いもかけない新たな魅力が見えてくる。読めば世界を見る眼がかわる、文学の魅力満載!読者力を鍛える、老若男女におすすめの文学フシギ入門。



漢語日暦 (岩波新書)

  • 1260. 興膳宏,『漢語日暦』,2010年
    • 元日、桜花、納涼、彼岸、冬至など、いずれもすっかり日本の生活に溶けこんでいる言葉だが、このように音読みで読む漢字語を漢語という。これら四季折々の季節感を表す言葉を中心に、歴史的な出来事や時事的な話題を示すものを交えて、その由来と意味を丁寧に解き明かす。古典等からの多彩な例文も楽しめる日暦集。付・索引。



国家神道と日本人 (岩波新書)

  • 1259. 島薗進,『国家神道と日本人』,2010年
    • 戦前、日本人の精神的支柱として機能した「国家神道」。それはいつどのように構想され、どのように国民の心身に入り込んでいったのか。また、敗戦でそれは解体・消滅したのか。本書では、神社だけではなく、皇室祭祀や天皇崇敬の装置を視野に入れ、国体思想や民間宗教との関わりを丹念に追う。日本の精神史理解のベースを提示する意欲作。



日本の教育格差 (岩波新書)

  • 1258. 橘木俊詔,『日本の教育格差』,2010年
    • 所得格差が広がるなか、教育の機会が不平等化している。高学歴を目指して塾や私立学校が隆盛する一方、経済的理由で学校を中退する者も目立つ。格差問題の第一人者である著者が豊富なデータによって、親の所得の影響、公立・私立の差、学歴と進路の関係など、教育をめぐる格差の実態を検証。教育の役割や意義を問い直し、打開策を探る。



生物多様性とは何か (岩波新書)

  • 1257. 井田徹治,『生物多様性とは何か』,2010年
    • クロマグロの大量消費は何が問題なのか?人類を養う絶妙な生物ネットワークの破壊が進んでおり、生物多様性条約もその歯止めになっていない。今なすべきことは何なのか。世界で最も多様性に富み、脅威にさらされているホットスポットの現状と、保全のための新しい仕組みをレポートし、人間と自然との関係修復を訴える。



木簡から古代がみえる (岩波新書)

  • 1256. 木簡学会(編),『木簡から古代がみえる』,2010年
    • 文字のしるされた木片が、地下水に守られた土中にふかく抱かれ、遠い過去から私たちの前に姿を現わす。木簡は、まさしく古代史のナマの史料。その形や大きさ、そして書かれた文字などの小さな「手がかり」に過ぎない情報から、いかに秘められた古代の姿を読み解いていくか?最前線の研究者が結集し、その尽きない面白さを語る。



『七人の侍』と現代――黒澤明 再考 (岩波新書)

  • 1255. 四方田犬彦,『『七人の侍』と現代――黒澤明再考』,2010年
    • 日本映画を代表する名作として、幾重にも栄光の神話に包まれてきた黒澤明の『七人の侍』。しかし世界のいたるところで、いまなお現代的なテーマとして受容され、その影響を受けた作品の発表が続く。制作過程や当時の時代状況などを丹念に考察し、映画史における意義、黒澤が込めた意図など、作品の魅力を改めて読み解く。



革命とナショナリズム――1925-1945〈シリーズ 中国近現代史 3〉 (岩波新書)

  • 1251. 石川禎浩,『シリーズ 中国近現代史3: 革命とナショナリズム 1925-1945』,2010年 NEW!!
    • 協力と対立を繰り返しながら、日本の侵略に立ち向かい、中国を大きく変えていった国民党と共産党。このふたつの政党を主人公として、ソ連との関係や運動の実際などにも目を配りながら、革命とナショナリズムに彩られたイデオロギーの時代を描き出す。孫文の死から抗日戦争の終結までの激動の20年。