「平凡社ライブラリー」目録リスト一覧 651-700 (2008年-2010年)
- 651-700 701-750
- 700. 杉田敦(編),『丸山眞男セレクション』,2010年
- 699. 伏見冲敬(訳),『完訳 肉蒲団』,2010年
- 舞台は中国、元時代といいますから遙か昔のこと、聡明かつ若くて美しい主人公の未央生は、生来、色を好んで、どこまでも佳人を求めようというお人。しかも仙術を受けて精力絶倫、と来れば女性も放っておきません。渾身を傾けて性の妙技、秘術を尽くし、次々と女性遍歴を続けます。本書は、人生の機微、男女の遣り取りの絶妙さを綴った、中国清代、風流小説の代表作。
- 698. フレドリック・ジェイムソン,大橋洋一/木村茂雄/太田耕人(訳),『政治的無意識: 社会的象徴行為としての物語』,2010年
- 697. 諏訪部揚子/中村喜和(編注),『現代語訳 榎本武揚シベリア日記』,2010年
- 696. 五木寛之/帯津良一,『養生問答: 平成の養生訓』,2010年
- 695. 五木寛之/帯津良一,『健康問答: 平成の養生訓』,2010年
- 本当のところはどうなのか?氾濫する医療情報と、危うい健康ブーム。私たちは何を信じればいいのか。西洋医学だけで、本当にだいじょうぶなのか。常識をくつがえす驚きの結論が次つぎに明らかになる。国民必読の名著。
- 694. 蒲松齢,常石茂ほか(訳),『中国怪異譚 聊斎志異 六』,2010年
- 本書では、蕩児は蕩児なりに、悍妻は悍妻なりに、幽鬼は幽鬼なりに、妖異は妖異なりに、自身ではどうしようもなく、つたない性のままに運命の軌跡を描いてゆく。それらはおそらく、蒲松齢の心そのものであったろう。怪奇文学のロングセラー禅6巻完結。
- 693. ヘンリー・ペトロスキー,忠平美幸(訳),『フォークの歯はなぜ四本になったか: 実用品の進化論』,2010年
- 人間が加工してつくる道具やモノ、その形は、どうやって進化してきたのか―この問いに、要求される機能に沿って、と答えるのでは不十分。実用品の変化は、それが出来ることではなく、出来なかったこと、不具合や失敗の線を軸に歴史を刻んできた―デザインと技術の歴史に豊富な事例をもって新しい視点を据えつけ、“失敗”からのモノづくりを教える著者の代表作。
- 692. ジョージ・オーウェル,川端康雄(訳),『新装版 オーウェル評論集4 ライオンと一角獣』,2009年
- 691. ジョージ・オーウェル,川端康雄(訳),『新装版 オーウェル評論集3 鯨の腹のなかで』,2009年
- 690. 蒲松齢,常石茂ほか(訳),『中国怪異譚 聊斎志異 五』,2009年
- 小説の末に「異史氏曰く」と作者評を置くのは、『史記』の「太史公曰く」の手法で、これにより作品が引き締められ、奥行きを醸し出す。この小説集の面白さは、著者が企んだ様々な手法にある。
- 688. ジョージ・オーウェル,川端康雄(訳),『新装版 オーウェル評論集2 水晶の精神』,2009年
- 687. ジョージ・オーウェル,川端康雄(訳),『新装版 オーウェル評論集1 象を撃つ』,2009年
- 686. 蒲松齢,常石茂ほか(訳),『中国怪異譚 聊斎志異 四』,2009年
- 蒲松齢はこの短編小説集を40歳までにまとめ上げた。さまざまな中国の故事や詩を文章に織り込みながらも、好色や欲得に右往左往する生々しい人間模様を見事に描き出している。
- 685. 今田洋三,『江戸の本屋さん: 近世文化史の側面』,2009年
- 江戸時代のはじめ京都で、出版業は始まった。次いで大坂で、やがて江戸でも、本の商売が興隆する。読者層が拡がる。書目が変わる。統制の制度がつくられ、須原屋とか蔦屋とか、本屋たちの新しい経営戦略が展開される―出版を軸にして近世という時代とその文化を見直すとき、既存の歴史観の殻がやぶける。新しい近世研究を促した名著、待望の再刊。
- 684. 蒲松齢,常石茂ほか(訳),『中国怪異譚 聊斎志異 三』,2009年
- 683. 丹治信春,『クワイン: ホーリズムの哲学』,2009年
- 「外的世界についてのわれわれの言明は、個々独立にではなく、一つの集まりとしてのみ、感覚的経験の審判を受けるのだ」とすれば科学も、一つ一つ蓄積された真理の体系ではなく、神話と同様の(効率よい)信念体系にすぎない―。現代論理学から出発し、言語の理解と使用についてあざやかに踏査するクワインの思考を、手をとって案内する必読書。
- 681. 蒲松齢,常石茂ほか(訳),『中国怪異譚 聊斎志異 二』,2009年
- 680. 蒲松齢,常石茂ほか(訳),『中国怪異譚 聊斎志異 一』,2009年
- 人間界と怪異とが交錯する世界―。蒲松齢は、民間の説話と故事から、狐、鬼、神仙、妖術、そして不思議な人間が躍動する世界を作り上げる。因果応報のもと欲と色に生きる庶民の姿のなかに、人間の本然の姿を垣間見せる斬新な小説技法は、中国文学のロングセラーとなった。
- 679. オマル・ハイヤーム,岡田恵美子(訳),『ルバーイヤート』,2009年
- 盃に酒をみたし、この世を天国にするがよい、あの世で天国に行けるかどうか分からないのだから。―十一・十二世紀のペルシアに生きた科学者にして、虚無と享楽の詩人ハイヤーム。原語からの正確で平易かつ香り高い新訳に加えて、「人間は土から創られ土になる」など、私たちと同じようでしかし違うその世界観を解説、名高い四行詩を細かいところまで味わう一冊。
- 677. 岩井克人,『会社はこれからどうなるのか』,2009年
- 日本は産業資本主義からポスト産業資本主義への大転換期にさしかかっている。ところが、今の日本の「会社」は、それにうまく対応できていない。日本が21世紀を生き抜くためには、個々の「会社」の仕組みを洗い直し、新しい資本主義にふさわしい形にしていかなければならない。
- 676. バートランド・ラッセル,堀秀彦/柿村峻(訳),『怠惰への讃歌』,2009年
- 労働生産性が向上して、それでも同じように働けば、過剰な生産と失業が生まれるのは当然。では、どうすれば?働かなければいいんです!働くこと自体は徳ではない。働かない時間を、価値ある生の時間を得るためにこそ、人は働く。明快に説かれる七十余年前の提言、半世紀前の翻訳が、いまこそ深く胸に落ちる。十五篇の名エッセイ。
- 674. ジャック・デリダ,港道隆(訳),『精神について: ハイデッガーと問い』,2009年
- 673. 佐藤任,『密教の神々: その文化史的考察』,2009年
- 672. 半藤一利,『昭和史 戦後篇 1945-1989』,2009年
- 671. 半藤一利,『昭和史 1926-1945』,2009年
- 670. 河野健二(編),『プルードン・セレクション』,2009年
- 669. 岩本素白,『素白随筆遺珠・学芸文集』,2009年
- 『素白随筆集』に続く名品集。現在では失われた静謐で味わい深い文章がここにある。素白先生後期の随筆と、その源泉となる唯一の論集「日本文学の写実精神」も収録。解説=池内紀
- 667. E. S. ファーガソン,藤原良樹/砂田久吉(訳),『技術屋の心眼』,2009年
- 目で見、匂いを嗅ぎ、触り、持ち上げ、落とす…私たちは肉体的感覚の相互作用を通して物を知る。その経験の元締めが心眼(マインズ・アイ)であり、思い起こされた現実と思い描く工夫のイメージの座、信じられないほどの能力をもつ不思議な器官である。科学と技術の歴史のなかにその働きをたどり、現場軽視と数式・計算偏重の現状に警鐘を鳴らし、モノヅクリの根本について再考を促す。
- 666. アーサー・ウェイリー,佐復秀樹(訳),『ウェイリー版 源氏物語4』,2009年
- 薫自身は熱心に御仏の名前に訴えかけつづけた。しかし「…」祈りをあげるごとに総角が縮んで、次第に衰えてゆくのが薫にはわかった(「総角」)。妹の小芹を匂に、自分は総角と―薫の目論見はその姉娘の死によって壊れる。身代わりの人形のように浮舟が現れる。かくて奇矯な個性たちはドラマを加速させる。ウェイリーが愛した宇治十帖の世界のリアルが物語の棹尾を飾る。全4巻完結。
- 665. 上村忠男,『現代イタリアの思想をよむ: クリオの手鏡』,2009年
- 662. 良知力,『マルクスと批判者群像』,2009年
- 661. アーサー・ウェイリー,佐復秀樹(訳),『ウェイリー版 源氏物語3』,2009年
- 660. 瀬田勝哉,『増補 洛中洛外の群像: 失われた中世京都へ』,2009年
- 米俵を積んだ馬、橋と中島、松の根元の石…上杉本『洛中洛外図』に描かれた小さな一齣から読者はいつのまにか中世京都の街頭につれ出される。米座と関、伊勢信仰と病、降格させられる神…史料の細部を読み抜く目が、洛中洛外の時代における都市の鮮烈な眺望をひらく。上杉本成立をめぐる卓論「公方の構想」を含み、音や匂い、手触りにいたるまで中世都市の具体を探りあてようとする名著の増補版。
- 659. 立松弘孝(編),『フッサール・セレクション』,2009年
- 658. ヴァンバ,池上俊一(訳),『ジャン・ブラスカの日記』,2008年
- 『ピノッキオ』等と並ぶイタリア児童文学三大古典の一つ。純粋なだけなのに、悪戯のことごとくが建前/本音の大人の理屈に障り、最後は厳罰という痛快で哀しい悪童物語。挿画多数。初の全訳。
- 657. W. ベンヤミン,小寺昭次郎/野村修(訳),『増補 洛中洛外の群像: 失われた中世京都へ』,2008年
- 656. アーサー・ウェイリー,佐復秀樹(訳),『ウェイリー版 源氏物語2』,2008年
- 655. 佐竹昭広,『古語雑談』,2008年
- 古語についての雑談をするとは、古語について「はなし」をするということ。「はなし」の原義が、肩のこらない雑談、くつろいだおしゃべりであった以上、それは、おもしろく珍しくなければならない。―この国の言葉と文学を深く広く探査した著者の学問の全身から、連想と飛躍の愉楽に満ちた百二十余の「はなし」の連環が繰り出される。
- 653. 八木福次郎,『新編 古本屋の手帖』,2008年
- 神保町は世界でも類のない古本の街。ここで本一筋に七十年生きてきた。神保町と古本と古本を愛した人々を語るに、この著者以外にいるだろうか?『日本古書通信』編集一筋、“ミスター神保町”が語る神保町の今昔と読書人たちの姿。
- 652. ピロストラトス,内田次信(訳),『英雄が語るトロイア戦争』,2008年
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