「平凡社ライブラリー」目録リスト一覧 651-700 (2008年-2010年)






丸山眞男セレクション (平凡社ライブラリー)

  • 700. 杉田敦(編),『丸山眞男セレクション』,2010年
    • 政治学と日本政治理想史の分野に立ち、戦後日本の思想をリードした丸山眞男。代表的な論考を集め、その思考の特徴と振幅を一望のもとにおさめる。いま、丸山眞男を読みなおすとは何か?その思考から受け継ぐべきものとは何か?編者による懇切な解説とともに、丸山の巨大な仕事に踏み入る最良の入口。



完訳 肉蒲団 (平凡社ライブラリー)

  • 699. 伏見冲敬(訳),『完訳 肉蒲団』,2010年
    • 舞台は中国、元時代といいますから遙か昔のこと、聡明かつ若くて美しい主人公の未央生は、生来、色を好んで、どこまでも佳人を求めようというお人。しかも仙術を受けて精力絶倫、と来れば女性も放っておきません。渾身を傾けて性の妙技、秘術を尽くし、次々と女性遍歴を続けます。本書は、人生の機微、男女の遣り取りの絶妙さを綴った、中国清代、風流小説の代表作。



政治的無意識 社会的象徴行為としての物語 (平凡社ライブラリー)



現代語訳 榎本武揚 シベリア日記 (平凡社ライブラリー)

  • 697.  諏訪部揚子/中村喜和(編注),『現代語訳 榎本武揚シベリア日記』,2010年
    • 幕末、五稜郭の戦いで敗れた榎本武揚は、のち明治政府に登用され、全権公使としてロシアへ。任を終え帰国する彼は、シベリア回りを選択、日露両国の将来を展望し、この北の大地の風景、物産、産業、民俗、交通その他、万般を観察、じつに興味深い日記を残した。本書は、人名・地名をはじめ懇切な注を加え、現代語訳で、この稀代の人物の旅に同行する。



養生問答 (平凡社ライブラリー)



健康問答 (平凡社ライブラリー)

  • 695.  五木寛之帯津良一,『健康問答: 平成の養生訓』,2010年
    • 本当のところはどうなのか?氾濫する医療情報と、危うい健康ブーム。私たちは何を信じればいいのか。西洋医学だけで、本当にだいじょうぶなのか。常識をくつがえす驚きの結論が次つぎに明らかになる。国民必読の名著。



中国怪異譚 聊斎志異〈6〉 (平凡社ライブラリー)

  • 694.  蒲松齢,常石茂ほか(訳),『中国怪異譚 聊斎志異 六』,2010年
    • 本書では、蕩児は蕩児なりに、悍妻は悍妻なりに、幽鬼は幽鬼なりに、妖異は妖異なりに、自身ではどうしようもなく、つたない性のままに運命の軌跡を描いてゆく。それらはおそらく、蒲松齢の心そのものであったろう。怪奇文学のロングセラー禅6巻完結。



フォークの歯はなぜ四本になったか (平凡社ライブラリー)

  • 693.  ヘンリー・ペトロスキー,忠平美幸(訳),『フォークの歯はなぜ四本になったか: 実用品の進化論』,2010年
    • 人間が加工してつくる道具やモノ、その形は、どうやって進化してきたのか―この問いに、要求される機能に沿って、と答えるのでは不十分。実用品の変化は、それが出来ることではなく、出来なかったこと、不具合や失敗の線を軸に歴史を刻んできた―デザインと技術の歴史に豊富な事例をもって新しい視点を据えつけ、“失敗”からのモノづくりを教える著者の代表作。



オーウェル評論集〈4〉ライオンと一角獣 (平凡社ライブラリー)



オーウェル評論集〈3〉鯨の腹のなかで (平凡社ライブラリー)



中国怪異譚 聊斎志異〈5〉 (平凡社ライブラリー)

  • 690.  蒲松齢,常石茂ほか(訳),『中国怪異譚 聊斎志異 五』,2009年
    • 小説の末に「異史氏曰く」と作者評を置くのは、『史記』の「太史公曰く」の手法で、これにより作品が引き締められ、奥行きを醸し出す。この小説集の面白さは、著者が企んだ様々な手法にある。



古本綺譚 (平凡社ライブラリー)

  • 689.  出久根達郎,『大増補 古本奇譚』,2009年
    • 古本にはどうしてこんなに綺譚があるのだろう?本を買う人と古本屋の駆け引きはもとより、夜逃げの男女、蚯蚓屋敷の話、本の処分の悲喜劇、これこそ稀覯本かもしれないという勘違い、そして、古本を心の糧とする心温まる話。



オーウェル評論集 2 水晶の精神



オーウェル評論集 1 象を撃つ



中国怪異譚 聊斎志異〈4〉 (平凡社ライブラリー)

  • 686.  蒲松齢,常石茂ほか(訳),『中国怪異譚 聊斎志異 四』,2009年
    • 蒲松齢はこの短編小説集を40歳までにまとめ上げた。さまざまな中国の故事や詩を文章に織り込みながらも、好色や欲得に右往左往する生々しい人間模様を見事に描き出している。



江戸の本屋さん―近世文化史の側面 (平凡社ライブラリー)

  • 685.  今田洋三,『江戸の本屋さん: 近世文化史の側面』,2009年
    • 江戸時代のはじめ京都で、出版業は始まった。次いで大坂で、やがて江戸でも、本の商売が興隆する。読者層が拡がる。書目が変わる。統制の制度がつくられ、須原屋とか蔦屋とか、本屋たちの新しい経営戦略が展開される―出版を軸にして近世という時代とその文化を見直すとき、既存の歴史観の殻がやぶける。新しい近世研究を促した名著、待望の再刊。



中国怪異譚 聊斎志異〈3〉 (平凡社ライブラリー)



クワイン―ホーリズムの哲学 (平凡社ライブラリー)

  • 683.  丹治信春,『クワイン: ホーリズムの哲学』,2009年
    • 「外的世界についてのわれわれの言明は、個々独立にではなく、一つの集まりとしてのみ、感覚的経験の審判を受けるのだ」とすれば科学も、一つ一つ蓄積された真理の体系ではなく、神話と同様の(効率よい)信念体系にすぎない―。現代論理学から出発し、言語の理解と使用についてあざやかに踏査するクワインの思考を、手をとって案内する必読書。



書かれる手 (平凡社ライブラリー)

  • 682.  堀江敏幸,『書かれる手』,2009年
    • いくつもの奇跡的な出会いが地の底の水脈でつながり、言葉と言葉を、人と人を艶やかな表面で結びつけ、だれも見たことのない深さに変貌させていくような瞬間に遭遇したとしたら、感謝をこめてそれを「文学」と呼んでおきたい―。須賀敦子長谷川四郎島尾敏雄山川方夫…不幸のなかに砂粒のような幸福の輝きを見出す著者の“言葉の魔術”がつむぐ、十二人の作家たちの物語。



中国怪異譚 聊斎志異〈2〉 (平凡社ライブラリー)

  • 681.  蒲松齢,常石茂ほか(訳),『中国怪異譚 聊斎志異 二』,2009年
    • 蒲松齢は中国清代初期の文人。「聊斎」はその書斎の号で、ここから多くの不思議な話が紡ぎだされた。五十一歳まで科挙の試験に挑戦しながら、ついに進士となり官途につくことはできなかった。不遇な著者の憤りと風刺溢れる奇書である。



中国怪異譚 聊斎志異〈1〉 (平凡社ライブラリー)

  • 680.  蒲松齢,常石茂ほか(訳),『中国怪異譚 聊斎志異 一』,2009年
    • 人間界と怪異とが交錯する世界―。蒲松齢は、民間の説話と故事から、狐、鬼、神仙、妖術、そして不思議な人間が躍動する世界を作り上げる。因果応報のもと欲と色に生きる庶民の姿のなかに、人間の本然の姿を垣間見せる斬新な小説技法は、中国文学のロングセラーとなった。



ルバーイヤート (平凡社ライブラリー)

  • 679.  オマル・ハイヤーム,岡田恵美子(訳),『ルバーイヤート』,2009年
    • 盃に酒をみたし、この世を天国にするがよい、あの世で天国に行けるかどうか分からないのだから。―十一・十二世紀のペルシアに生きた科学者にして、虚無と享楽の詩人ハイヤーム。原語からの正確で平易かつ香り高い新訳に加えて、「人間は土から創られ土になる」など、私たちと同じようでしかし違うその世界観を解説、名高い四行詩を細かいところまで味わう一冊。



廣松渉哲学論集 (平凡社ライブラリー)

  • 678.  熊野純彦(編),『廣松渉哲学論集』,2009年
    • 一九六〇年代以降、物象化論に立つ思想家としてこの国のマルクス主義理論をリードした廣松は、同時に、現代日本を代表する“哲学する哲学者”だった。「物的世界像から事的世界観」へと、近代的世界観の地平を超え出ようとするその哲学的思考・構想のエッセンスを一書に編む。思想形成の軌跡をたどる懇切な解説を加え、読者を一挙に廣松哲学の中枢へと連れ出す一冊。



会社はこれからどうなるのか (平凡社ライブラリー)

  • 677.  岩井克人,『会社はこれからどうなるのか』,2009年
    • 日本は産業資本主義からポスト産業資本主義への大転換期にさしかかっている。ところが、今の日本の「会社」は、それにうまく対応できていない。日本が21世紀を生き抜くためには、個々の「会社」の仕組みを洗い直し、新しい資本主義にふさわしい形にしていかなければならない。



怠惰への讃歌 (平凡社ライブラリー)

  • 676.  バートランド・ラッセル,堀秀彦/柿村峻(訳),『怠惰への讃歌』,2009年
    • 労働生産性が向上して、それでも同じように働けば、過剰な生産と失業が生まれるのは当然。では、どうすれば?働かなければいいんです!働くこと自体は徳ではない。働かない時間を、価値ある生の時間を得るためにこそ、人は働く。明快に説かれる七十余年前の提言、半世紀前の翻訳が、いまこそ深く胸に落ちる。十五篇の名エッセイ。



大伴家持 (平凡社ライブラリー)

  • 675.  北山茂夫,『大伴家持』,2009年
    • 万葉末期の代表的歌人にして、万葉編纂者の一人―天平内乱期を中核とするその時代に、この貴族政治家が、何を考え、どう生きたのか、なぜ「歌わぬ人」となったのか―歌に対する確かな鑑賞力と、歴史的な背景に関する独自の深い洞察力によって、その人物の全体像をもののみごとに描きだす。



精神について―ハイデッガーと問い (平凡社ライブラリー)



密教の神々 (平凡社ライブラリー)



昭和史戦後篇 (平凡社ライブラリー)



昭和史-1945 (平凡社ライブラリー)

  • 671.  半藤一利,『昭和史 1926-1945』,2009年
    • 授業形式の語り下ろしで「わかりやすい通史」として絶賛を博した「昭和史」シリーズ戦前・戦中篇。日本人はなぜ戦争を繰り返したのか―。すべての大事件の前には必ず小事件が起こるもの。国民的熱狂の危険、抽象的観念論への傾倒など、本書に記された5つの教訓は、現在もなお生きている。毎日出版文化賞特別賞受賞。講演録「ノモンハン事件から学ぶもの」を増補。



プルードン・セレクション (平凡社ライブラリー)

  • 670.  河野健二(編),『プルードン・セレクション』,2009年
    • 分権制、連合主義、地域主義、相互扶助組織など、一九世紀フランスの情況から切り出された思想が、資本主義の一世紀半、「共産主義国家」の一世紀を経て、いま新たな重要性を帯び、注目を集めている。権力と富との集中を徹底的に拝して、相互保証組織を備えた小規模な集団が契約を通じて政治的な連合を作り上げる―アナーキズムの流れが受け継ぐプルードンの批判と構想、その精髄を抜粋し、テーマ別に編んだアンソロジー



素白随筆遺珠・学芸文集 (平凡社ライブラリー)

  • 669. 岩本素白,『素白随筆遺珠・学芸文集』,2009年

    • 『素白随筆集』に続く名品集。現在では失われた静謐で味わい深い文章がここにある。素白先生後期の随筆と、その源泉となる唯一の論集「日本文学の写実精神」も収録。解説=池内紀



甦るフレーブニコフ (平凡社ライブラリー)



技術屋(エンジニア)の心眼 (平凡社ライブラリー)

  • 667. E. S. ファーガソン,藤原良樹/砂田久吉(訳),『技術屋の心眼』,2009年
    • 目で見、匂いを嗅ぎ、触り、持ち上げ、落とす…私たちは肉体的感覚の相互作用を通して物を知る。その経験の元締めが心眼(マインズ・アイ)であり、思い起こされた現実と思い描く工夫のイメージの座、信じられないほどの能力をもつ不思議な器官である。科学と技術の歴史のなかにその働きをたどり、現場軽視と数式・計算偏重の現状に警鐘を鳴らし、モノヅクリの根本について再考を促す。



ウェイリー版 源氏物語〈4〉 (平凡社ライブラリー)

  • 666. アーサー・ウェイリー,佐復秀樹(訳),『ウェイリー版 源氏物語4』,2009年
    • 薫自身は熱心に御仏の名前に訴えかけつづけた。しかし「…」祈りをあげるごとに総角が縮んで、次第に衰えてゆくのが薫にはわかった(「総角」)。妹の小芹を匂に、自分は総角と―薫の目論見はその姉娘の死によって壊れる。身代わりの人形のように浮舟が現れる。かくて奇矯な個性たちはドラマを加速させる。ウェイリーが愛した宇治十帖の世界のリアルが物語の棹尾を飾る。全4巻完結。



現代イタリアの思想をよむ (平凡社ライブラリー)

  • 665. 上村忠男,『現代イタリアの思想をよむ: クリオの手鏡』,2009年
    • クリオ(クレイオー)とは、ギリシア神話のムーサ(ミューズ)のひとり。クローチェから今日のギンズブルグ、アガンベンネグリまで―近現代イタリアの思想家・歴史家たちはいずれもが、この歴史の女神の忠実な奴僕であった。かれらの著作を丹念に読み込み、その学問論的意義、知識人としての反省のあり方を今日的視点で考察する。旧版(一九八九年)に、近年の論稿を大幅増補。



ガリア戦記 (平凡社ライブラリー)

  • 664. カエサル,石垣憲一(訳),『ガリア戦記』,2009年
    • 紀元前五八~五二年、カエサル率いるローマ軍は、ガッリア(現在のフランス、ベルギー)に遠征、この地を平定してギリシア・ローマ文化がヨーロッパに入る基礎を築いた。その歴史的大事件の現場のありさまを、カエサルは率直かつ簡潔な筆で記録にとどめた。ヨーロッパ史の古典中の古典を、いちばん読みやすく正確な新訳で読む。



改訳 形の生命 (平凡社ライブラリー)

  • 663. H. フォシヨン,杉本秀太郎(訳),『改訳 形の生命』,2009年
    • 瞠目すべき40年振りの改訳。20世紀前半を代表する美術史の碩学アンリ・フォシヨンの古典的名著を、この書に惚れ込んだ杉本秀太郎氏が最大の熱意を傾注して改訳し、流麗なる文章に仕上げた。



マルクスと批判者群像 (平凡社ライブラリー)

  • 662. 良知力,『マルクスと批判者群像』,2009年
    • 「無知が人の役に立ったことがあるか!」先達として敬意を払っていた渡り職人出身の活動家ワイトリングに対して、マルクスは声をあららげる。一八四〇年代後半、『共産党宣言』へと至る時期、運動の主導権をめぐって、相互批判が続いている。ヘス、シャッパー、またエンゲルスらとともに一人の亡命ドイツ人活動家であったマルクスを群像のうちに等身大に描きだし、歴史の現場でその思想の本体をとらえる。



ウェイリー版 源氏物語〈3〉 (平凡社ライブラリー)



増補 洛中洛外の群像―失われた中世京都へ (平凡社ライブラリー)

  • 660. 瀬田勝哉,『増補 洛中洛外の群像: 失われた中世京都へ』,2009年
    • 米俵を積んだ馬、橋と中島、松の根元の石…上杉本『洛中洛外図』に描かれた小さな一齣から読者はいつのまにか中世京都の街頭につれ出される。米座と関、伊勢信仰と病、降格させられる神…史料の細部を読み抜く目が、洛中洛外の時代における都市の鮮烈な眺望をひらく。上杉本成立をめぐる卓論「公方の構想」を含み、音や匂い、手触りにいたるまで中世都市の具体を探りあてようとする名著の増補版。



フッサール・セレクション (平凡社ライブラリー)



子どものための文化史 (平凡社ライブラリー)

  • 658. ヴァンバ,池上俊一(訳),『ジャン・ブラスカの日記』,2008年
    • ピノッキオ』等と並ぶイタリア児童文学三大古典の一つ。純粋なだけなのに、悪戯のことごとくが建前/本音の大人の理屈に障り、最後は厳罰という痛快で哀しい悪童物語。挿画多数。初の全訳。



子どものための文化史 (平凡社ライブラリー)



ウェイリー版 源氏物語〈3〉 (平凡社ライブラリー)

  • 656. アーサー・ウェイリー,佐復秀樹(訳),『ウェイリー版 源氏物語2』,2008年
    • 三月も終わりにかけて、田舎では果樹園はもはや花の盛りを過ぎ、野の鳥の歌声も初音の初々しさを失うころ、紫の“春の庭”は日ごとに魅力を増してゆくとしか見えなかった(「胡蝶」)―ウェイリーの英訳を忠実に日本語訳した二十世紀小説“源氏”、第2巻は「澪標」から「野分」、光源氏の栄雅の頂点とかすかに兆す老いと凋落。



古語雑談 (平凡社ライブラリー さ 16-1)

  • 655. 佐竹昭広,『古語雑談』,2008年
    • 古語についての雑談をするとは、古語について「はなし」をするということ。「はなし」の原義が、肩のこらない雑談、くつろいだおしゃべりであった以上、それは、おもしろく珍しくなければならない。―この国の言葉と文学を深く広く探査した著者の学問の全身から、連想と飛躍の愉楽に満ちた百二十余の「はなし」の連環が繰り出される。



青年マルクス論 (平凡社ライブラリー ひ 3-2)

  • 654. 廣松渉,『青年マルクス論』,2008年
    • 青年マルクスの思想的形成のゲシュタルトを輪郭づけ、その稜線を辿り直すことによって、初期マルクスの思想像を対自化する―物象化論に立つマルクス主義思想家であり、この国では稀な哲学する哲学者であった著者が、マルクス二十代半ばまでの生と思想の変容を追い、『経済学・哲学手稿』の思考とその限界を、テキストの厳密な読みを通して見さだめる。



新編 古本屋の手帖 (平凡社ライブラリー)

  • 653. 八木福次郎,『新編 古本屋の手帖』,2008年
    • 神保町は世界でも類のない古本の街。ここで本一筋に七十年生きてきた。神保町と古本と古本を愛した人々を語るに、この著者以外にいるだろうか?『日本古書通信』編集一筋、“ミスター神保町”が語る神保町の今昔と読書人たちの姿。



英雄が語るトロイア戦争 (平凡社ライブラリー)

  • 652. ピロストラトス,内田次信(訳),『英雄が語るトロイア戦争』,2008年
    • その時代、英雄はいったん黄泉に下ったあと再び地上に甦ることを運命により許されていた。ホメロスが語らなかったトロイア戦争の実相を、参戦し戦死した英雄プロテシラオス自らが、彼を抱擁し言葉を交した者の口を通じて証す。対話体の平易な語り口のうちに、霊は歩き回り、歴史とフィクション、ホメロスへの批判と称讃、古代と現在とが幾重にも交錯する特異な古典世界。



三つのエコロジー (平凡社ライブラリー)

  • 651. フェリックス・ガタリ,杉村昌昭(訳),『三つのエコロジー』,2008年
    • 人間自身がつくりだした、人間と人間を取り巻くあらゆる環境との関係の変化こそが、人間の未来を規定する。それは単に自然環境にとどまる話ではない。自然環境にくわえて社会環境、さらには人間の内面のあり方にかかわる精神環境が、当然のごとくそこに関与してくるはずだ。こうした考えが「三つのエコロジー」の根源にある。エコゾフィーの誕生。環境、社会、精神を統べる新たなエコロジー思想。