「NHKブックス」目録リスト一覧 1101-1150 (2007-2010年)
- 1101-1150 1151-1200
- 1150. 野内良三,『発想のための論理思考術』,2010年
- 論証を正確に積み上げていく論理学の思考は、どうしても「あたりまえ」の結論に終始しがち。論理学の限界を見定め、論理学を鍛え直すことで、新鮮なひらめきを生みだす思考法を手にいれよう。論理学の初歩である三段論法に秘められた力や、詭弁だと否定されがちな日常的レトリックを生かした、意外性に満ちた推理・推論の方法を明らかにする。正しく捉え、的確に推理し、大胆に発想するための、新しい論理思考のレッスン登場。
- 1149. 柴田一成,『太陽の科学――磁場から宇宙の謎に迫る』,2010年
- 1148. 森田浩之,『メディアスポーツ解体――〈見えない権力〉をあぶり出す』,2009年
- 1147. 竹内整一,『「かなしみ」の哲学――日本精神史の源をさぐる』,2009年
- わたしたちは古代から今にいたるまで、「かなしみ」を主題にした歌や物語に慣れ親しんできた。本来厭うべきであるはずのこの感情を積極的に享受し表現してきた日本人の態度から、どのような世界観を引き出すことができるのか。かなしむ「われ」(自分)の中に、日本的美意識や倫理感覚が生まれる瞬間を見定め、かぎりある人間とかぎりのない世界との関係の本質に迫る、日本思想研究の精髄を注ぎ込んだ力作。
- 1146. 大山誠一,『天孫降臨の夢――藤原不比等のプロジェクト』,2009年
- 1145. 山本博文,『江戸に学ぶ日本のかたち』,2009年
- なぜ江戸という時代は、人気が高いのか。ゆったりとして見える生活や義理人情にあふれる人間関係が、閉塞感を覚える現代人の郷愁を誘うのか。身分制という軛に縛られながら、身分を序列化するのではなく相対化することを指向した江戸社会。現代の官僚やサラリーマンを彷彿とさせる武士の世界から、都市生活の実相や治安維持システムの実態まで、僅かな格差にも怯える現代社会を見直すために、今に通じる江戸時代の価値観や社会の仕組みを江戸学の第一人者が語り尽くす。
- 1144. 北野康,『水の科学 第三版』,2009年
- 生命を生みだし、育んできた水。この不思議な物質の由来を、全地球史的観点からたどり、惑星規模で循環するメカニズムを明らかにする。人が生存のより所としている河川水は、地球上にある水の0.0001%にすぎない。環境問題が深刻な人類の危機となっている今日、ますます重要性を増す「水」について、広い視点から議論するための定評ある基本文献。初版刊行以来四〇年にわたり更新されてきた書、最新版登場。
- 1143. 関幸彦,『百人一首の歴史学』,2009年
- 1142. 島田雅彦,『オペラ・シンドローム――愛と死の饗宴』,2009年
- ド派手な舞台に華麗な衣裳、奇想天外な物語に魂をゆさぶる音楽、そして、湧き出す情念そのままに歌い上げる歌手たちの声―。イタリアで生まれて四〇〇年、オペラは今なお世界で、「最強の総合芸術」「娯楽の王様」として君臨し続けている。そこでは、王侯貴族のような豪華絢爛な気分を味わってもいいし、形式美を楽しんでもいいし、残酷な悲劇の結末に感涙してもいい。オペラに正しい見方はない。いや、あらゆる見方が正しいのだ。「命をかけるべき最高の遊戯」とまで言い放つ偏愛主義者が説く、入名書でかつ極め付きのオペラ至上論である。
- 1141. 冷泉為人,『冷泉家・蔵番ものがたり――「和歌の家」千年をひもとく』,2009年
- 1140. 高原基彰,『現代日本の転機――「自由」と「安定」のジレンマ』,2009年
- 1139. 毛利嘉孝,『ストリートの思想――転換期としての1990年代』,2009年
- 1138. 三成準治,『関ヶ原前夜――西軍大名たちの戦い』,2009年
- 1137. 石川輝吉,『カント 信じるための哲学――「わたし」から「世界」を考える』,2009年
- 1136. 稲葉振一郎,『社会学入門――〈多元化する時代〉をどう捉えるか』,2009年
- 1135. 速水豊,『シュルレアリスム絵画と日本――イメージの受容と創造』,2009年
- 1134. 佐藤洋一郎/渡邉紹裕,『塩の文明誌――人と環境をめぐる5000年』,2009年
- 「サラリー」の語源ともなる塩は、人類に必須の資源である。古代から人は塩を得るため、製塩技術を開発し、交易をしてきた。しかし、ときに塩は文明に災厄を招く物質にもなる。その背景には、この地球上に分布する塩などの物質の偏在を、人間の活動がより強めてしまうという大きな問題があった。塩蔵や発酵食品など世界各地の多様な塩の文化を見ると同時に、シュメール文明の崩壊やカリフォルニア最先端農業の困難、消えるアラル海など、塩のもたらす環境危機の仕組みに迫り、塩の二面性から、人間と自然の過去・現在・未来を見つめる。
- 1133. 相沢幸悦,『恐慌論入門――金融崩壊の真相を読みとく』,2009年
- 1132. スティーブン・ピンカー,幾島幸子/桜内篤子(訳),『思考する言語――「ことばの意味」から人間性に迫る 下』,2009年
- 1131. スティーブン・ピンカー,幾島幸子/桜内篤子(訳),『思考する言語――「ことばの意味」から人間性に迫る 中』,2009年
- 人が世界を認識し、思考する際に欠かせないのが、「物質」「空間」「時間」「因果」という生得的概念である。名詞、前置詞、動詞、時制などの検討から、言語に組み込まれた概念を詳しく分析し、人の心は幾何学的な世界把握とは異なり、目的や意図に沿って、対象物や出来事を柔軟に捉えることを明らかにする。また、現実世界を異なるフレームで解釈するためのメタファーは、政治や科学などの複雑な問題を理解し、推論する上で有効であると示す。さらに、ことばと人間心理・社会の間のダイナミックな関係を、人の名前や流行語を切り口に具体的に考察する。
- 1130. スティーブン・ピンカー,幾島幸子/桜内篤子(訳),『思考する言語――「ことばの意味」から人間性に迫る 上』,2009年
- 人は思考の基本となる概念を生得的にもつ。それは「所有」「移動」「目的」などの概念で、言語に組み込まれ、単語の「意味」や、単語と構文の結びつきを規定し、また、これらの概念を柔軟に組み合わせて人は思考する。give、put、takeなどのベーシックな動詞の概念を手がかりに、文法を知らない幼児が複雑な動詞構文をどのように習得し、人の心がことばの意味をどう表象するのかを明らかにする。極端な生得説や語用論、言語決定論を実証的に退け、思考と言語のダイナミックな関係を解き明かす。
- 1129. 清水眞澄,『源氏将軍神話の誕生――襲う義経、奪う頼朝』,2009年
- 1128. 高木由臣,『寿命論――細胞から「生命」を考える』,2009年
- 1127. 村山裕三,『京都型ビジネス――独創と継続の経営術』,2008年
- 1125. 湯沢雍彦/宮本みち子,『新版 データで読む家族問題』,2008年
- 非婚時代の到来と世界一となった少子・高齢化、若者の就職難と雇用の流動化…。先の見えない時代に、世帯の規模が縮小する一方で、伝統的な三世代世帯は地方を中心に依然として残り、家族の紐帯や安らぎを希求する割合が高まりを見せる。転換期を迎えた日本の家族はどこへ向かうのか?最新の統計データと豊富な図表を駆使し、一〇〇余りの項目から家族が抱える諸問題を検討し、変化の様相とその要因に迫る、注目の一書。
- 1124. 山下範久,『現代帝国論――人類史の中のグローバリゼーション』,2008年
- 1123. 三井秀樹,『かたちの日本美――和のデザイン学』,2008年
- 1121. 金泰明,『欲望としての他者救済』,2008年
- 1120. 仲正昌樹,『集中講義! アメリカ現代思想――リベラリズムの冒険』,2008年
- 1119. 正木晃,『宗像大社・古代祭祀の原風景』,2008年
- 今も日々の祈りが絶えない沖津宮・中津宮・辺津宮(宗像大社)は、農耕儀礼が中心の神道には珍しく、豪壮な「みあれ祭り」など、海洋漁労文化が花開く異色の神社である。沖ノ島の中腹に鎮座する13の巨岩には、23の古代祭祀の遺跡が集中。当時、垂涎の的だった大量の銅鏡や鉄〓(てい)をはじめ、中央政権の古墳をしのぐ超一級の遺物が出土。その数は国宝に指定されたものだけでも8万点を数える。遺跡には4世紀後半から10世紀の祭祀の痕跡が歴然と残り、およそ600年間に、岩上から露天へと祭祀の場も形態もその目的も大きく変容したことを、雄弁に物語る。朝鮮半島・中国への玄関口であり、祖国防衛の宗教センターとして、宗像大社の果たす役割は何か、どのような祭祀が行われていたのか?チベットなど世界の密教遺跡を踏査した経験、数次に及ぶ学術調査の成果を援用しつつ、宗教学の異才が、古代日本最大のミステリーに挑む。
- 1118. 野内良三,『偶然を生きる思想――「日本の情」と「西洋の理」』,2008年
- 1117. 外川雅彦,『聖者たちの国へ――ベンガルの宗教文化誌』,2008年
- 1116. 団まりな,『細胞の意思――〈自発性の源〉を見つめる』,2008年
- 1115. 渡部潤一(編),『最新・月の科学――残された謎を解く』,2008年
- 月の形状、元素組成などから、月が同じ面を地球に向け続けている理由、月の誕生をめぐる仮説などを検証し、現在の最先端の科学的知見を紹介。さらに15の観測機器を積んだ探査衛星「かぐや」によって、新たにどのような謎が解き明かされようとしているのか、わかりやすく解説する。
- 1114. 関沢まゆみ,『現代「女の一生」――人生儀礼から読み解く』,2008年
- 1113. マイク・モーウッド/ペニー・ヴァン・オオステルチィ,馬場悠男/仲村明子(訳),『ホモ・フロレシエンシス――1万2000年前に消えた人類 下』,2008年
- 世界中を驚かせたホモ・フロレシエンシスの発見。それは新たな人類なのか、単なる小頭症の現生人類なのか。ルーシーや北京原人など、さまざまな初期人類との比較や、最新の分析技術の成果から、彼らの正体に迫る。大きな動物は小さく、小さな動物は大きくなるという、「島の法則」の作用は、人類にもおこりうるのか。しかし、激しい論争の渦中、骨は論争相手のもとへ…発見後の混乱を乗り越えて当事者である著者が挑む、ホモ・フロレシエンシスと人類の進化・拡散の謎。
- 1112. マイク・モーウッド/ペニー・ヴァン・オオステルチィ,馬場悠男/仲村明子(訳),『ホモ・フロレシエンシス――1万2000年前に消えた人類 上』,2008年
- 1111. 斎藤環,『母は娘の人生を支配する――なぜ「母殺し」は難しいのか』,2008年
- 1110. アントニオ・ネグリ,ラフ・バルボラ・シェルジ(編),廣瀬純(訳),『未来派左翼――グローバル民主主義の可能性をさぐる 下』,2008年
- 1109. 宮下規久朗,『刺青とヌードの美術史――江戸から近代へ』,2008年
- 1108. 竹田青嗣/山竹伸二,『フロイト思想を読む――無意識の哲学』,2008年
- 私たちは日々、このように生きたいとか、こうありたいと思うが、心は脳のような実体がなく、なぜそう願うのか、取り出すことはできなかった。しかし、フロイトは過去の欲望に規定された「無意識」を発見することで、心がエロスや自己承認の欲望によって駆り立てられる存在であることを明らかにした。現在では、汎性欲説やエディプス・コンプレックスなど、誰もが承認できる理論とは言い難く、また実証不可能な仮説群であり、治療論としては時代遅れとされている。しかし、哲学が知的営みによってある世界理解を打ち立てたように、フロイト思想は一つの決定的な人間学を二十世紀思想として打ち立てた。現象学の本質観取によってフロイトから人間学としての本質を引き出し、現代思想に影響を与え続ける優れた思想としてフロイトを読み直す。
- 1107. 安冨歩,『生きるための経済学――〈選択の自由〉からの脱却』,2008年
- 1106. アントニオ・ネグリ,ラフ・バルボラ・シェルジ(編),廣瀬純(訳),『未来派左翼――グローバル民主主義の可能性をさぐる 上』,2008年
- 1105. 八塚春児,『十字軍という聖戦――キリスト教世界の解放のための戦い』,2008年
- 11世紀以降、西欧のみならず、世界の歴史を大きく揺るがした十字軍。数万の大軍を海を超えて、はるか彼方の地に向かわせたものは、何だったのか。十字軍士は何を目指したのか。第一回十字軍の召集、第四回十字軍の転向など、十字軍にまつわるいくつかの通説を解きほぐし、十字軍の歴史を包括的に振り返りつつ、聖戦という十字軍思想の形成に、西欧中世の特質を見出す。
- 1104. 弓場紀知,『青花の道――中国陶磁器が語る東西交流』,2008年
- 1103. 吉村豊/小菅達男,『泳ぐことの科学』,2008年
- 1102. 森本喜久雄,『カンボジア絹絣の世界――アンコールの森によみがえる村』,2008年
- かつてアンコール王朝が栄え、東アジア世界の文化的中心地であったカンボジアで育まれてきたのが、絹絣である。細くしなやかな生糸を、草木、昆虫などの自然染料を用いて先染めし、母から娘へ、手から手へと伝えられてきた極意の技法で手織りしてゆく。独特の光沢、手触りをもつ、森と先人の知恵が結晶した世界最高の布である。この伝統の絹絣に魅せられ、相次ぐ内戦のなかで、絶えてしまった伝統の技法を発掘し、復興した著者の半生を通して、美しい絹絣の世界を鮮やかに描き出す。500人規模の工房を運営し、さらに森に移転して新しい織物の村を興そうという試みは持続的な国際援助・貢献の範としても世界の注目を集めている。
- 1101. 飯田泰之,『考える技術としての統計学――生活・ビジネス・投資に生かす』,2007年
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