「講談社選書メチエ」目録リスト一覧 451-500 (2009年-)



〈主体〉のゆくえ-日本近代思想史への一視角 (講談社選書メチエ)



儒教と中国 「二千年の正統思想」の起源 (講談社選書メチエ)

  • 481. 渡邉義浩,『儒教と中国: 「二千年の正統思想」の起源』,2010年 NEW!!
    • 儒教はいかにして中国の正統思想となったか。国家の正統性を主張し、統治制度や世界観の裏付けとなる思想。その位置に儒教が上り、その思想内容を変転していく様を、多彩な人物と歴史的事件を交えて描き出す。



ことばと身体 「言語の手前」の人類学 (講談社選書メチエ)

  • 480. 菅原和孝,『ことばと身体: 「言語の手前」の人類学』,2010年
    • わたしたちが会話をしているとき、そこではことばだけが交わされているのではない。どんなに些細な、他愛のないおしゃべりであっても、自分の体にさわったり、身ぶりをしたり、ごく短い間があったり、ときには何かを演じたり、身体まるごとつかったコミュニケーションが繰りひろげられている。ブッシュマンの家族、日本の大学生、民俗芸能という多様な会話の現場を、徹底的にミクロに観察することで、コミュニケーションとは何か、社会とは何かという大いなる問いに挑む。現象学、社会システム理論、言語行為論などを参照しながら、徹底的に「身体」に根ざして考える“唯身論”人類学の試み。



満州事変と政党政治 軍部と政党の激闘 (講談社選書メチエ)



ギリシア文明とはなにか (講談社選書メチエ)

  • 478. 手嶋兼輔,『ギリシア文明とはなにか』,2010年
    • 地中海世界は「東」と「西」に分かれている。ギリシア文明は、エジプト・ペルシアなどオリエント「先進国」のはざまのローカルな「東地中海文明」だった。その小さなギリシアが歴史の僥倖によりオリエントを征服し、西洋文明の源泉となる。「自由」と「海」の小さな文明が歴史に残した偉大な足跡を辿る。



湾岸産油国 レンティア国家のゆくえ (講談社選書メチエ)

  • 477. 松尾昌樹,『湾岸産油国――レンティア国家のゆくえ』,2010年
    • クウェイト、カタル、バハレーン、UAEオマーン。湾岸産油国は、驚くべき特徴に満ちている。莫大な石油収入によって、所得税はなし、教育費は無料。一人あたりのGDPが日本の二倍の国もある。一方で、「経済発展が民主化を促進する」という定説はあてはまらず、君主制が維持されたままだ。二〇〇九年のドバイ・ショックで、世界経済における影響の大きさを知らしめた「石油王が統治する金満国家」を詳細に分析、政治・経済・社会の実体に迫る。



日本人の階層意識 (講談社選書メチエ)

  • 476. 数土直紀,『日本人の階層意識』,2010年
    • 現実の日本人は、学歴もさまざま、職業も年収もさまざまなのに、なぜ人口の九割が「自分は中流」と思っていたのか?社会と意識のあいだには「みえない境界」があって、それが人びとの階層意識を枠づけている。格差意識の広がりも、「みえない境界」に目を向けることで、別の一面が顕わになる。時間・空間・価値意識をキーワードに「日本人」を分析する。



ピラミッドへの道 古代エジプト文明の黎明 (講談社選書メチエ)



近代日本の戦争と宗教 (講談社選書メチエ)

  • 474. 小川原正道,『近代日本の戦争と宗教』,2010年
    • 辰戦争によって新たな政権が誕生してから、日清戦争日露戦争の勝利によって対外的な地位を向上させるまで、明治国家のあゆみには、戦争がともなっていた。そうした戦いのなか、神社界、仏教界、キリスト教界は、いかなる反応をみせたのか。従軍布教や軍資金の提供といった積極的な協力姿勢から、反戦論・非戦論をはじめとする、消極的姿勢―、その実態を描く。



甦るリヴァイアサン (講談社選書メチエ)

  • 473. 梅田百合香,『甦るリヴァイアサン』,2010年
    • 現代世界は「万人の万人に対する闘争状態」か?「国家権力」は「悪」なのか?悪名高きホッブズのテーゼの真意を原典に即して解明し、アレントネオコンネグリ=ハートの思想と対峙させながら、近代政治哲学を切り開いた古典を「希望の書」として読み直す。



台湾ナショナリズム 東アジア近代のアポリア (講談社選書メチエ)



ハプスブルクとオスマン帝国-歴史を変えた<政治>の発明 (講談社選書メチエ)



選書日本中世史 4 僧侶と海商たちの東シナ海 (講談社選書メチエ)



選書日本中世史 3 将軍権力の発見 (講談社選書メチエ)

  • 468. 本郷恵子,『選書日本中世史3 将軍権力の発見』,2010年
    • 室町幕府にできて、鎌倉幕府にはできなかったこと。それは、「太平の世」前夜の、動乱の続く地方に対して中央政権として安定的に君臨することである。そのために室町幕府が考え出した統治構造とは?自明のものとされてきた将軍の主従性的支配権に一石を投じ、天皇・公家の持つ力の本質を検証することで、明らかになった将軍権力とは、いったいどんなものだったのか?「わかりにくい中世をどうわかりやすくするか」の大問題に真っ向から挑む、刺激に満ちた一冊。



選書日本中世史 2 自由にしてケシカラン人々の世紀 (講談社選書メチエ)



選書日本中世史 1 武力による政治の誕生 (講談社選書メチエ)



アテネ民主政 命をかけた八人の政治家 (講談社選書メチエ)

  • 465. 澤田典子,『アテネ民主政――命をかけた八人の政治家』,2010年
    • アテネの政治指導者であることの条件を表す言葉を一つだけあげるとしたら、それは『緊張』だろう」(M・I・フィンリー)。数多くの市民が直接政治に携わり、特定の個人に権力が長期間集中するのを極力避ける、という徹底した直接民主政を約一八〇年にわたって安定持続させた古代ギリシア屈指のポリス、アテネ。成功すれば最大限の名誉を与えられ、ひとつ間違えば弾劾裁判で死罪になるという「緊張状態」にさらされながら、政治家であろうとした八人の男たち。その生の軌跡を追うことで見えてくる、古代ギリシア精神の真髄と民主政治の原点とは。



洋服・散髪・脱刀 服制の明治維新 (講談社選書メチエ)

  • 464. 刑部芳則,『洋服・散髪・脱刀――服制の明治維新』,2010年
    • 直垂を着たい老華族、刀を持ちたい士族、月代を剃れないことに戸惑う庶民たち…近代化を図る日本が自らの装いを確立するにいたるまでの維新の指導者たちの苦闘と統治される人々の混乱の跡を、国家による服装の制度「服制」という視点から辿る。



海から見た日本人-海人で読む日本の歴史 (講談社選書メチエ)

  • 463. 後藤明,『海から見た日本人――海人で読む日本の歴史』,2010年
    • 「単一的」な外見の下に重層する多彩な貌。「海」をキーワードに人類学・神話学・考古学などさまざまな分野の知見を学際的に綜合し、日本人の複合的構造性を解明する。従来の日本人論を一新する画期的論考。



完全解読 カント『純粋理性批判』 (講談社選書メチエ)



本居宣長『古事記伝』を読む 1 (講談社選書メチエ)

  • 461. 神野志隆光,『本居宣長『古事記伝』を読むI』,2010年
    • 誰もがその名は知っている本居宣長の大著『古事記伝』。しかし、全巻読み通した人はほとんどいないといっていいだろう。つまみ食い的に読んで彼の思想を語る前に、まず、細部まで精緻に読み抜こうではないか。とはいえ、宣長の注解は多岐・厖大にわたり、簡単に読み切れるものではない。本書は、現代の代表的『古事記』研究者が、その責任において、徹底的に、かつわかりやすく『古事記伝』全四十四巻を読み解いていく画期的なシリーズである。そこに浮かび上がってくる宣長の無類のおもしろさ、そして思想の核心とは―。



「象徴天皇」の戦後史 (講談社選書メチエ)

  • 460. 河西秀哉,『「象徴天皇」の戦後史』,2010年
    • 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴(日本国圏法第一条)。この曖昧で抽象的な規定の内実を、政治家、宮内庁、知識人、そしてメディアはいかに作りあげたか。敗戦後の昭和天皇退位論から、「人間宣言」とそのアピールたる全国巡幸、明仁皇太子の外遊と成婚までを辿り、戦後天皇制の本質を鋭く抉り出す。



宗教で読む戦国時代 (講談社選書メチエ)

  • 459. 神田千里,『宗教で読む戦国時代』,2010年
    • 宣教師も驚いた戦国日本人の高度な精神性。その「ゆるやかな宗教性」のバックボーンとしての「天道」思想をキーワードに、一向一揆キリシタン論争から島原の乱まで、日本人の心性に新たな光を投げかける。



ヒンドゥー教の〈人間学〉 (講談社選書メチエ)



マイケル・ポランニー 「暗黙知」と自由の哲学 (講談社選書メチエ)



自由と平等の昭和史 一九三〇年代の日本政治 (講談社選書メチエ)



『西遊記』XYZ このへんな小説の迷路をあるく (講談社選書メチエ)



トマス・アクィナス 『神学大全』 (講談社選書メチエ)



日露戦争と新聞 「世界の中の日本」をどう論じたか (講談社選書メチエ)

  • 453. 片山慶隆,『日露戦争と新聞――「世界の中の日本」をどう論じたか』,2009年
    • 日露戦争の時代、新聞界は黄金期を迎えていた。福澤諭吉創刊の『時事新報』、陸羯南主筆『日本』といった高級紙から伊東巳代治による『東京日日新聞』、徳富蘇峰国民新聞』や『東京朝日新聞』など時の政府に近いもの、政治家の女性問題のようなゴシップから政府・大企業批判、リベラルな主張までを載せる『萬朝報』『二六新報』。知識人から下層階級、政府支持から社会主義者まで、多様な読者に向けた無数で雑多な新聞が、大国との戦争へと向かう日本と世界をいかに語り、論争をしたか。膨大な史料を掘り起こし、新聞が大企業化する以前の、粗野で豊かだった時代を活写する、メディア史研究の試み。



自由だけではなぜいけないのか 経済学を考え直す (講談社選書メチエ)



近代政治の脱構築 共同体・免疫・生政治 (講談社選書メチエ)

  • 451. ロベルト・エスポジト,岡田温司(訳),『近代政治の脱構築――共同体・免疫・生政治』,2009年
    • 世界的に注目を集めるイタリア現代思想にあって、ひときわ光彩を放つロベルト・エスポジト。本書は、彼の主著である三連作『コムニタス(共同体)』『イムニタス(免疫)』『ビオス(政政治)』のエッセンスがわかり、かつ、最新作『三人称』にいたる道筋をも示す、エスポジト哲学にもっとも入りやすい著作である。フーコーによって提起され、アガンベンや、ネグリの『帝国』によって展開された「生政治」の思考は、どのように深化・進展するのか。そこに、「免疫」という視点はどのようにからむのか。九・一一とは、ナチズムとは…。もっともスリリングな政治哲学への招待―。