「岩波現代文庫 学術」目録リスト一覧 201-250 (2008年-)
- 243. 吉川忠夫,『王羲之: 六朝貴族の世界』,2010年 NEW!!
- 242. A. R. ルリヤ,天野清(訳),『偉大な記憶力の物語: ある記憶術者の精神生活』,2010年 NEW!!
- 直観像と共感覚をもつその男は、忘却を知らなかった。電話番号を舌で感じ、コトバの音から対象の意味を理解する。想像によって手の体温を変える。直観像を利用して課題を鮮やかに解決する一方で、抽象的な文や詩の理解はひどく困難。特異に発達した記憶力は、男の内面世界や他者との関わりに何をもたらしたのか。(解説=鹿島晴雄)
- 241. 鶴見俊輔,『竹内好: ある方法の伝記』,2010年 NEW!!
- 240. C. リード,彌永健一(訳),『ヒルベルト: 現代数学の巨峰』,2010年
- 238. 永井均,『転校生とブラック・ジャック』,2010年
- 237. 塚原仲晃,『脳の可塑性と記憶』,2010年
- 236. 藤原帰一,『新編 平和のリアリズム』,2010年
- 234. ゲアリー・マーカス,大隈典子(訳),『心を生み出す遺伝子』,2010年
- 「ゲノム=青写真」という比喩は誤解を招く。遺伝子はむしろレシピのようなもの。コンピュータプログラムでいうIFとTHENの両方がある。それが環境と手を取り合って働くから、人は生涯にわたって経験から学ぶことができるのだ。遺伝子が実際に何をしているかを見ることで、「生まれと育ち」の真の関係が明らかになる。
- 233. 柄谷行人,『トランスクリティーク: カントとマルクス』,2010年
- カントによってマルクスを読み、マルクスによってカントを読む。社会主義の倫理的根源を明らかにし、来るべき社会への実践を構想する本書は、絶えざる「移動」による視差の獲得とそこからなされる批評作業(トランスクリティーク)の見事な実践であり、各界に大きな衝撃を与えた。英語版に基づき改訂。
- 231. 筒井清忠,『日本型「教養」の運命: 歴史社会学的考察』,2009年
- 230. 松井孝典,『宇宙誌』,2009年
- 古代ギリシャから現代のホーキングまで、二百億光年の時空を天才たちと共にたどる魅惑の知的大紀行。私たちはどこから来たのか。私たちとは何か。そしてどこへ行くのか。永遠と一瞬が交差する人間の一生を地球史の中で平明に描き出す。
- 229. 岡義武,『国際政治史』,2009年
- 東京大学法学部で政治史・外交史を講じた岡義武が一九五五年に岩波全書の一冊として著した名著。長く絶版となっていたものを、読みやすい表記に変えて復刊する。国際政治の推移を現象的に記述するのではなく、その構造の歴史的変化を描き出した画期的な内容は、今も必読の古典として生きている。
- 228. 坂野潤治,『近代日本の国家構想 1871-1936』,2009年
- 近代日本の政治家や思想家は、どんな国家像を描き、それをいかに実現しようとしたのか。現代の政治状況を見据えつつ、廃藩置県から戦時体制成立までの約六五年間の政治史を、政策対立や運動史ではなく多様な政治体制構想の相剋の過程として描き出す。戦前期日本の政治を俯瞰する出色の論考。
- 227. ロバート・J. リフトン, 桝井迪夫/湯浅信之/越智道雄/松田誠思(訳),『ヒロシマを生き抜く: 精神史的考察 下』,2009年
- 226. ロバート・J. リフトン, 桝井迪夫/湯浅信之/越智道雄/松田誠思(訳),『ヒロシマを生き抜く: 精神史的考察 上』,2009年
- 225. 河合隼雄,河合俊雄(編),『〈心理療法〉コレクションVI 心理療法入門』,2010年
- 224. 河合隼雄,河合俊雄(編),『〈心理療法〉コレクションV ユング心理学と仏教』,2010年
- 223. 河合隼雄,河合俊雄(編),『〈心理療法〉コレクションIV 心理療法序説』,2009年
- 222. 河合隼雄,河合俊雄(編),『〈心理療法〉コレクションIII 生と死の接点』,2009年
- 思春期、老い、そして死など人生の転機における様々な危機を、どのようにとらえるべきか?通過儀礼のない現代、人生の各段階への移行はどのようになされればいいのか。老と若、男と女、生と死など人間存在の境界の問題に考察を加え、神話、昔話、児童文学に具体的な臨床例も織りまぜ、生きることの意味に深くせまる河合心理学の傑作。「序説 生きることと死ぬこと」「思春期のイニシエーション」を併録。
- 221. 河合隼雄,河合俊雄(編),『〈心理療法〉コレクションII カウンセリングの実際』,2009年
- 220. 河合隼雄,河合俊雄(編),『〈心理療法〉コレクションI ユング心理学入門』,2009年
- 219. 福田歓一, 加藤節(編),『デモクラシーと国民国家』,2009年
- 218. 筒井清忠,『近衛文麿: 教養主義的ポピュリストの悲劇』,2009年
- 217. 上野千鶴子,『セクシィ・ギャルの大研究: 女の読み方・読まれ方・読ませ方』,2009年
- もの欲しげな目に半開きの唇、しなりくねらせた肢体。世に流布するお色気広告を、ズバリ分析。社会が演出し、女に演技を求めている「女らしさ」、男が演技したがっている「男らしさ」の実態を大胆に、そして軽妙な筆致であばき出す。男女共にまとう「社会的衣服」を身ぐるみはがされる、キケンで快感一杯の“処女喪失作”。
- 216. 上野千鶴子,『家父長制と資本主義: マルクス主義フェミニズムの地平』,2009年
- 215. 古関彰一,『日本国憲法の誕生』,2009年
- 214. ケネス・ルオフ,高橋紘(監修),木村剛久/福島睦男(訳)『国民の天皇: 戦後日本の民主主義と天皇制』,2009年
- 213. 荒井献,『イエス・キリストの言葉: 福音書のメッセージを読み解く』,2009年
- 212. 原田信男,『江戸の食生活』,2009年
- 211. J. カラー,富山太佳夫/折島正司(訳),『新版 ディコンストラクションII』,2009年
- 210. J. カラー,富山太佳夫/折島正司(訳),『新版 ディコンストラクションI』,2009年
- 209. スーザン・ストレンジ,櫻井公人/櫻井純理/高嶋正晴(訳),『マッド・マネー: カジノ資本主義の現段階』,2009年
- 208. 大庭健,『私はどうして私なのか: 分析哲学による自我論入門』,2009年
- 207. 北田暁大,『広告の誕生: 近代メディア文化の歴史社会学』,2008年
- 近代日本のメディア・消費文化にとって、広告が果たした役割とは何か。広告とは、いかに「意味の媒体」であり続けたのか。存在としての緩さ、過剰な言説との不均衡を解明しつつ、一九二〇年代から現代に至る時代空間の中で、広告の変容を考察する。俊英による刺激的な力作論考。
- 205. 真木悠介,『自我の起原: 愛とエゴイズムの動物社会学』,2008年
- 204. 川北稔,『民衆の大英帝国: 近世イギリス社会とアメリカ移民』,2008年
- 203. 松井孝典,『新版 地球進化論』,2008年
- 地球は奇跡の星だろうか。いかなる偶然によって、生命を育む「青い地球」となりえたのだろうか。微惑星の集積過程の理論的・実験的研究など太陽系形成史の研究を長く続け、地球の進化を理論的に追究してきた著者が、この二〇年の研究の進展を踏まえて新たに大幅加筆した。太陽系の歴史、地球の起源、海の誕生、大気の進化等を踏まえて、地球の未来像を考察する上での豊かな視座を提供する。
- 202. 柄谷行人,『定本 日本近代文学の起源』,2008年
- 明治二十年代文学における「近代」「文学」「作家」「自己」「表現」という近代文学の装置それ自体を再吟味した論考を全面改稿した決定版。文学が成立して思考の枠組みになる過程を精神史として描き、「起源」を考察しつつ「終焉」の地平までを視野に収めた古典的名著。