「参照」(Referenz)と「観察」(Beobachtung)はほぼ同義

以下は多少意訳ですが。

「参照」という概念は、観察という概念と同じような意味になるように定義する。参照とは、(Spencer-Brownのいう意味での)区別と指示という二つの要素から成り立つ一つの作動のことである。つまり、あるものを別のものと区別したうえで指示する、それが参照するということだ。ここで、区別をして指示することによって、その指示対象についての情報を得ようという動機があるとき、ただ参照する、というのではなくて、観察する、ということにする。参照は、観察として行われることが普通である。つまり情報獲得を目的として行われることが普通である。ただ、システム参照や自己参照といった概念を、観察の可能性や観察の動機を含ませずに用いる可能性は残しておきたいと思うので、用語としては両者を区別したままにする。



Niklas Luhmann, Soziale Systeme, pp. 596-7

用語上は、つまり分析的には区別するけど、ほとんどの場合、経験的には、つまり具体的には同じ対象(作動)を指す概念だと考えておいてよいですね。