作業メモ:『意味とシステム』

簡単にいえば、Kontingenzやkontingentというドイツ語は二つの意味、
(1)何が特定されている状態においてそれが他でもありえた
(2)何かが特定されえない
で使われる。例えばW. ハイゼンベルク不確定性原理、すなわち「量子力学では粒子の位置と運動量を同時に決めることができない」というのは(2)の意味である。



佐藤俊樹意味とシステム』132頁

ここで不確定性原理は、ドイツ語のKontingenzに(2)の用法があることを示す例証として出されている――わけだが、不確定性原理というときの「不確定性」は、UnschärfeないしUnbestimmtheitであって(独Wikipedia参照)、Kontingenzではない。なので、なんの例証にもなっていない。