作業メモ:『意味とシステム』
「単純な社会的システム」からの引用部。
そしてそれはふつう、たんに話の主題が選択的な出来事として展開されるがゆえなのである。 (p. 52)
細かいことを言うようだけど、
auch dies übrigens nur deshalb, weil das Thema als selektives Geschehen entwickelt wird.
übrigensというのは「なお」とか「ちなみに」という意味であって、「ふつう」ではない(üblichと一緒になっているんだろう)。nurの訳し方も変な感じ。
なお、それはまさに、話題の展開が選択的現象として行われるからにほかならない。
とかじゃないかな。
ちなみに、ここで「話題が展開する」といわれているのは、一つの話題について、次々に発言があるということ。なので、Themenentwicklungというのも同様に「話が進む」みたいに捉えるべき。話題の転換(Themenwechsel)とは区別しないといけない。
そうした抽象化作用は、(中略)全体社会システムや組織システムの水準でのみ可能であり、全体社
会の進化の過程で、これらのシステム形成水準が単純な相互作用システムの形成水準から分化し独立する程度に応じて、達成される。 (p. 53)
ドイツ語論というか翻訳論だけど、
Abstraktionsleistungen solcher Art (. . .) sind nur auf der Ebene von Gesellschaftssystemen und Organisationssystemen möglich und auch dort nur erreichbar in dem Maße, als diese Ebenen der Systembildung im Laufe der gesellschaftlichen Evolution von denen einfacher Interaktionssysteme differenziert und unabhängig gemacht werden können.
よくみる訳し方だけど、in dem Maße, alsというのを「程度に応じて」と訳して、いいことは何もない。英語でin so far asを「〜くらい遠くで」と訳していいことがないのと同じ。als以下は必要条件を表すのであって、「〜の限りで」といった感じで訳すのが正解。
この種の抽象化作用が可能なのは、社会システムの水準か、組織システムの水準だけである。しかも、社会進化の過程が十分に進んで、これら二つのシステム形成水準が、単純な相互行為システムの水準から分化独立できるようになっていなければならない。
相互作用システムでは行為の「生起Genesisと有効Geltungが分化されない」、つまりシステムの側でコンテクストのあたえ方を操作できない。それゆえ組織とちがって、「行為する」ことができない。 (p. 53-54)
ここの「つまり」と「それゆえ」が理解できない。ということをとりあえずメモ。