区間縮小法

経済学のための数学入門』、定理2.2.5(75頁)。

有界区間の縮小列、 を考える。すなわち、 とする。このとき、 である。



まず、有界区間というのは、言葉でいうと、○○以上××以下の間に含まれる実数の集合、ということです。つまり、

です。で、それの縮小列というのは、要するに左右からだんだんと区間を狭めていくよ、ということです。区間の列を縦に書いてみますと、

という列があって、縮小列というのは、次の区間が前の区間の真部分集合になっているということですから、

ということで、これはすなわち、

ということです。
で、定理の最後の というのは、これらの区間列のすべてに共通の実数が必ず存在する、ということです。



ここで、「有界で単調なら収束する」を使います。
さて、 は、有界で、かつ単調増加ですから、最小上界に収束します。

それから は、有界で、かつ単調減少ですから、最大下界に収束します。

で、区間を縮小していくわけですから、明らかに

ですが、こういうときは収束先同士も同じ大小関係になりますから、

ですね。 の最小上界であり、 の最大下界であることから、区間 区間 のすべてに共通の部分集合です。
かつ、 は明らかですから(だって とか はこの区間に含まれるわけですから)、結局、区間 は、すべてに共通の非空部分集合を持つことになります。これで証明は終わりです。