Steven Weber, Bruce W. Gentleson, The End of Arrogance: America in the Global Competition of Ideas



The End of Arrogance: America in the Global Competition of Ideas

  • Steven Weber, Bruce W. Gentleson, The End of Arrogance: America in the Global Competition of Ideas
    • 『傲慢の終焉: 理念の世界的競争の中の米国』
       自由市場資本主義、覇権、西洋文化、平和、民主主義。これらの理念は、20世紀の世界政治を形成し、米国の外交政策の基礎となってきた。ところが現在では、その力の大半を失っている。権威は揺らぎ、権力は拡散した。覇権は(良いか悪いかを問わず)米国にとっても中国にとってもどの国にとっても、選択の対象ではなくなった。
       著者の二人は決して衰退主義者ではないが、この21世紀という時代においては、世界に対する米国のスタンスはこれまでと同じであるわけにはいかないと主張する。もう他国を支配するという時代ではないのであり、必要なのは戦略だ。いかなるトレードオフを行い、何をどのように努力するか。ここで著者がいうのは、「対テロ世界戦争」のような軍事戦略のことではない。我々は、世界を舞台とした理念の市場で競争しなければならないのであり、競争相手は、国家資本主義であり、カリスマ的な権威主義的指導者たちであり、ジハード主義である。政治の世界では、理念と影響力こそが、いまや最大の通貨なのだ。
       我々の努力の中核となるべきは、相互依存に基づく世界秩序や、世界中の人々を包括する正当な社会といった、新しい秩序構想、社会構想なのだ。