Carola Surez-Orozco, Marcelo M. Surez-Orozco and Irina Todorova, Learning a New Land: Immigrant Students in American Society



Learning a New Land: Immigrant Students in American Society

  • Carola Surez-Orozco, Marcelo M. Surez-Orozco and Irina Todorova, Learning a New Land: Immigrant Students in American Society
    • 『新しい国を学ぶ: 米国社会における移民の生徒たち』(2008年に出た本のペーパーバック化)
       米国の子供の5人に1人は移民の子であり、その人数は年々増え続けている。そのうち、故郷の国に帰る者はほとんどいない。そもそもほとんど記憶にないのだから。はたして、移民の子とはどういう存在なのか。そして、彼らにとっての米国とはどんな国なのか。
       本書のもとになったのは、カリブ海の島々、中国、中米、メキシコからの400名にのぼる移民の子を、入国から5年間にわたって追跡した、異例の学際研究である。その結果、本書はこの最年少の移民たちについて、その生活、夢、挫折を、説得力のある筆致で描き出すことができた。成績優秀な子供もいれば、落第生もいる。しかしそこで語られる体験は、想定外のアイロニーが満載だ。入国後しばらくのあいだは、ほとんどの子供たちが、楽観的であり、また教育に対する敬意を抱いている。ところが貧困な生活環境とつまらない(かつ往々にして危険な)学校が、彼らの希望を蝕んでいく。移民の子のほとんどは英語を学習するが、そこで身につける英語はヴィデオゲームの英語であり、また生活地域の英語であって、標準的なテストで通用する英語ではない。
       大学に進学することのできる一部の子供たちにとって、米国は夢の国ではある。この種の子供たちは、面倒見のよい教師や賢明な両親に幸運にも恵まれていることが多い。それ以外の子供たちは、失望と、挫折と、夢の破壊に満ちた最初の5年間を過ごすことになる。このように、大きく二つに分かれる進路を、どのように説明すればいいだろうか。
       しかし、これが大事なところだが、移民の子とはすなわち未来である。そして彼らが米国にどのように適応するかこそが、21世紀の米国のあり方を決めることになるのだ。