ミネルヴァ書房 新刊一覧(2010年)
2010年11月
- 横川善正,『ホスピスが美術館になる日: ケアの時代とアートの未来』,2010年
- 20世紀のアートが「デザイン」であったのならば、21世紀のアートは「ケア」である――。本書は、ホスピスでの実践、英国の福祉・芸術の動向、障害者の創作の場である「アトリエ・インカーブ」の取材等を通して、アートの側から新たなケアのあり方を模索するとともに、従来のデザインや芸術教育に対して警鐘を鳴らし、次代のアーティストの役割を展望する試みである。
- 小和田哲男(監修),西本鶏介(文),広瀬克也(絵),『戦国の世をかけぬけた武将 織田信長』,2010年
- 立石宏昭,『地域精神医療におけるソーシャルワーク実践: IPSを参考にした訪問型個別就労支援』,2010年
- わが国の精神保健医療福祉施策は、「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本方針が推し進められている。しかし、それは理念や理論の構築にとどまり、具体的な支援方法は未成熟な状態である。本書では、地域生活を支える就労支援の方法に焦点を絞り、米国で開発された就労支援プログラム(IPS)の効果をみていく。そして、量的研究と質的研究の側面から検証を重ね、地域精神医療における導入の可能性を探る。特に、社会資源が脆弱な地方小都市においてIPSの技術・技能の取り入れ方について展望する。
2010年10月
- 平本厚,『戦前日本のエレクトロニクス: ラジオ産業のダイナミクス』,2010年
- 今日、世界の最先端の一角をなす日本のエレクトロニクスは、形成期には独自な進化を遂げた。戦前のラジオ産業の成立過程を読み解き、日本の電子産業の誕生と社会の関連を描く。
- 除本理史/大島堅一,『環境の政治経済学』,2010年
- 本書は、環境問題について、政治経済学の立場から考えるの入門書である。環境問題と資本主義経済、国家との関係とは?市民はどのように考え、行動すべきなのか?一人ひとりが環境問題と向き合わねばならない時代の、考え方を養うための必読の一冊。
- 和田秀樹,『公立高校の東大合格力を高める本』,2010年
- 白鳥浩(編),『政権交代選挙の政治学: 地方から変わる日本政治』,2010年
- 吉川成司/関田一彦/鈎治雄(編),『はじめて学ぶ教育心理学』,2010年
- 教育実践の深化と教育観の生成のための基礎・基本を平易に解説する。バランスのとれた内容をコンパクトにまとめた教育心理学のテキスト。学習課題や推薦図書も掲載。
- 滝川好夫,『シリーズ現代経済学9 サブプライム危機: 市場と政府はなぜ誤ったか』,2010年
- 井澤信三/小島道生(編),『障害児心理入門』,2010年
- 井上俊/長谷正人(編),『文化社会学入門: テーマとツール』,2010年
- 広瀬三千代,『家族介護者のアンビバレントな世界: エビデンスとナラティブからのアプローチ』,2010年
- 家族介護者がアンビバレンス(両価性)に耐えることで介護と共存し、充足や学びを見出すことによって、ストレングスを成し遂げていく過程を分析。介護の現実を捉え直し、その絶対的な価値と幸福を探究する。
- 木畑洋一/後藤春美(編),『帝国の長い影: 20世紀国際秩序の変容』,2010年
- 20世紀の国際秩序の構造と変化を、イギリス帝国を中心とする帝国の国際関係史から浮き彫りにする。帝国主義の時代におけるイギリスと、フランスなど他帝国との競合や共存関係を含め、新たな視角から帝国を検討する。
- 市川一宏/大橋謙策/牧里毎治(編),『地域福祉の理論と方法』,2010年
- 社会福祉士養成のためのテキスト。新たな地域福祉システムへの展開、コミュニティと地域福祉、地域福祉の方法と推進する人材、諸外国の地域福祉など、地域福祉の理論と方法について解説する。
- 大橋洋一(編),『BASIC公共政策学6 政策実施』,2010年
- 鎌田繁則,『社会保障論: 経済の視点からみた保険制度』,2010年
- 杉本貴代栄(編),『女性学入門: ジェンダーで社会と人生を考える』,2010年
- 湯浅邦弘(編),『概説中国思想史』,2010年
- 3R・低炭素社会検定実行委員会(編),『3R・低炭素社会検定公式テキスト: 持続可能な社会をめざして』,2010年
- 三富紀敬,『欧米の介護保障と介護者支援: 家族政策と社会的包摂、福祉国家類型論』,2010年
- 介護者に関する研究は、介護者の負担への着目から始まった。その後、負担の軽減による介護者の健康維持と社会参加の促進を目的に、要介護者への支援とあわせて介護者を直接の対象にする支援について論じられるようになる。そこで本書では日本における介護者支援の制度化を進めるために、欧米の動向や日本の介護者調査の蓄積を踏まえながら、介護者支援の形成と効果について跡付け、今後の政策展開に欠かすことができないと考えられる内外の論点について独自に検討を加える。
- 菅富美枝,『イギリス成年後見制度にみる自律支援の法理: ベスト・インタレストを追求する社会へ』,2010年
- 英国の成年後見制度は、本人が自己の判断能力だけでは果たせない部分に限り、後見人が支援して決定に導くという姿勢をとっている。同制度の詳細な解説と共に、その基本理念、社会的背景に着目し多角的分析を行う。
- 柴崎正行/戸田雅美/増田まゆみ(編),『保育課程・教育課程総論』,2010年
- 何のために保育の計画を立てる必要があるのか。また、具体的にはどのような計画を立てるのか。保育における計画について、実践事例とともに詳しく解説する。新幼稚園教育要領・新保育所保育指針に対応。
- 中川輝彦/黒田浩一郎(編),『よくわかる医療社会学』,2010年
- 潮谷有二/杉澤秀博/武田丈(編),『社会調査の基礎』,2010年
- 木村茂光(監修),西本鶏介(文),宮嶋友美(絵),『足利義満: 金閣をつくった将軍』,2010年
- 小林茂,『薩摩治郎八: パリ日本館こそわがいのち』,2010年
- 秋葉弘哉,『国際経済学』,2010年
- 各国間のヒト・モノ・カネの流れが複雑化・高度化するに連れて、グローバリゼーションがますます重要な問題になってきている。このような現代の各国を取り巻く状況の変貌に対応して、国際的問題のみならず、地球的問題も解説するシリーズ。本巻では、国際貿易論・国際金融論を分かりやすい文章と図表で幅広く解説する。
2010年9月
- 木村茂光(監修),西本鶏介(文),広瀬克也(絵),『雪舟: 室町時代を代表する画家』,2010年
- 『よんで しらべて 時代がわかるミネルヴァ日本歴史人物伝』シリーズは、日本の歴史上のおもな人物をとりあげています。歴史は少しにがてという人でも、前半の絵本をよんで楽しく学ぶことができます。歴史に興味がある人は、後半の解説をよむことで、さらに歴史にくわしくなれます。/和尚さんは、あわててかけよると、しっとねずみを追いました。ところがねずみはにげようとしません。それもそのはず、ねずみは雪舟が床の上にこぼした涙をつかい、足の指でかいたものでした。(本文より)
- 内田能嗣(編),『ブロンテ姉妹の世界』,2010年
- 下谷政弘/鈴木恒夫(編),『講座・日本経営史5 経済大国への軌跡 1955-1985』,2010年
- 第二次世界大戦後の日本経済激動期、かつての敗戦国はいかにして一躍「経済大国」にまでのし上がったのか。本書は、幾度かの景気後退を含みながらも、日本経済が持続的成長を遂げた1955年から85年を対象に、高度成長を担った諸産業に焦点を当てるとともに、経済成長がもたらした「光」と「影」を描出する。
- 溝端佐登史/小西豊/出見世信之(編),『市場経済の多様化と経営学: 変わりゆく企業社会の行方』,2010年
- 小池洋次(編),『BASIC公共政策学10 政策形成』,2010年
- 伊丹敬之,『本田宗一郎: やってみもせんで、何がわかる』,2010年
- 馬場茂樹/和田光一/椎名清和(編),『社会福祉士合格一問一答』,2010年
- 小野次朗/上野一彦/藤田継道(編),『よくわかる発達障害: LD・ADHD・高機能自閉症・アスペルガー症候群 第2版』,2010年
- 由井常彦,『安田善次郎: 果報は練って待て』,2010年
- 竹田有,『アメリカ労働民衆の世界: 労働史と都市史の交差するところ』,2010年
- 佐々木聡/中林真幸(編),『講座・日本経営史3 組織と戦略の時代 1914〜1937』,2010年
- 古田武彦,『ここに古代王朝ありき: 邪馬一国の考古学』,2010年
- 厳密な文献解読で九州王朝の存在を立証した著者が、発掘成果を踏まえ、古代日本の全体像の再構築を試みる。なぜ、かの古代王朝は日本史上から抹消されたのか。長文の書き下ろし「日本の生きた歴史」を新たに加えて、待望の復刊。
- 吉見俊哉/土屋礼子(編),『大衆文化とメディア』,2010年
- 多様なメディアが交錯する中で、さまざまに社会的な位置を異にする我々の中にどのような読者=オーディエンスとしての実践が育まれていったのか、またそれらは相互に連関するメディアの歴史をどのような軌跡を描きながら生きてきたのかについて、経験される歴史の厚みの中で考察する。