名古屋大学出版会 新刊一覧(2010年)


2010年10月



痛み学 ?臨床のためのテキスト?

  • ジェニー・ストロング他(編),熊澤孝朗(監訳),山口佳子(編訳),『痛み学: 臨床のためのテキスト』,2010年 NEW!!
    • 痛みに取り組むための国際的テキストの邦訳新版。医療の現場では避けて通れない痛みのメカニズム・評価・マネジメント、痛みと心理・生活スタイル等を包括的に解説し、エビデンスに基づいた効果的な介入・治療を促す。作業療法士理学療法士ほか、痛みの治療・研究に携わる人に。



イタリア20世紀史 ?熱狂と恐怖と希望の100年?

  • シモーナ・コラリーツィ,村上信一郎(監訳),橋本勝雄(訳),『イタリア20世紀史: 熱狂と恐怖と希望の100年』,2010年 NEW!!
    • 最も信頼できる現代史 ――。20世紀初頭、国王陛下の「臣民」でしかなかったイタリアの「民衆」が、議会制民主主義と近代産業国家へと踏み出し、二度の世界大戦や内戦、冷戦といった幾多の困難を乗り越えて、イタリア「国民」となり「市民」となっていく曲折に満ちた道程を、密度濃く描き出す。複雑で魅力あふれる現代イタリアを理解する最良の一冊。


2010年9月



肥満の疫学

  • フランク・B・フー, 小林身哉/八谷寛/小林邦彦(訳),『肥満の疫学』,2010年 NEW!!
    • 世界的に肥満が蔓延する中、わが国でも肥満やメタボリックシンドロームの急増に警鐘が鳴らされている。肥満の疫学研究について解説するとともに、肥満が社会に及ぼす影響や肥満の原因、肥満が関わる疾患について現在の知見を集約した待望の書。肥満の研究・予防・治療に携わる人に。



生態系サービスという挑戦 ?市場を使って自然を守る?

  • レッチェン・C・デイリー/キャサリン・エリソン,藤岡伸子/谷口義則/宗宮弘明(訳),『生態系サービスという挑戦: 市場を使って自然を守る』,2010年 NEW!!
    • 善意に頼った運動だけでは行きづまりつつある環境保全・自然再生にとって、切り札といえる「生態系サービス」。本書は、従来の枠を大きく超えたスタイルで、世界各地で自然保全に取り組む人々を、ピューリッツアー賞作家らが鮮やかな筆致で描き出す。自然を経済に組み込む新しい試み。



看護師の熟練形成 ?看護技術の向上を阻むものは何か?



地方からの産業革命 ?日本における企業勃興の原動力?

  • 中村尚史,『地方からの産業革命: 日本における企業勃興の原動力』,2010年
    • 日本史上でも稀有な「地方の時代」はなぜ実現したか。産業革命の原動力となった、地方からの企業勃興のメカニズムを鮮やかに示すとともに、その後の都市の時代への転換の契機をも掴み出す。斬新な視野で近代日本の工業化過程を描き直す産業革命研究の到達点にして、今日の地方再生の手がかりをも指し示す注目の成果。


2010年8月



自我の源泉 ?近代的アイデンティティの形成?



日本中世社会の形成と王権

  • 上島享,『日本中世社会の形成と王権』,2010年
    • 新たな時代たる中世を形づくった巨大な力とは? 唐帝国の衰滅を機に、10世紀から始まる中世社会・王権の形成過程を、政治・宗教文化・社会経済にわたって動態的に描き出し、中世という時代の本質を捉えた画期的な全体史。手堅い史料の読みから数々の創見がほとばしり、歴史像を転換する。


2010年7月



グローバル冷戦史 ?第三世界への介入と現代世界の形成?



世界経済の歴史―グローバル経済史入門―

  • 金井雄一/中西聡/福澤直樹(編),『世界経済の歴史: グローバル経済史入門』,2010年
    • 世界の経済はどのような軌跡をたどってきたのか。グローバル・ヒストリーなどの最新の成果と経済史研究の蓄積をもとに、欧米・アジアなど世界各地域の発展過程をバランスよく記述、通史編とテーマ編の二部構成で学ぶ経済史入門の新たなスタンダード。


2010年6月



公立大学の誕生 ?近代日本の大学と地域?


2010年5月



ダム湖・ダム河川の生態系と管理 -日本における特性・動態・評価-



基礎からの睡眠医学

  • 古池保雄(監修),野田明子/中田誠一/尾崎紀夫(編),『基礎からの睡眠医学』,2010年
    • もはや現代の“国民病”といわれ、24時間型・高齢社会のなかで増加する睡眠障害。その臨床に必須の睡眠医学について、基礎知識から各検査法および症状・診断・治療まで、最新の知見を踏まえつつ、わかりやすく解説する。医師、コ・メディカル、保健学系・医学系学生必携の書。



宇宙史を物理学で読み解く -素粒子から物質・生命まで-

  • 福井康雄(監修),飯嶋徹/杉山直/平島大/伊藤繁(編),『宇宙史を物理学で読み解く: 素粒子から物質・生命まで』,2010年
    • すべての始まりビッグバン、ダークエネルギーにより膨張する宇宙、星や銀河の形成、そして私たち生命の誕生……137億年の宇宙史を、最新の研究成果に基づき、わかりやすく語る。天体物理や物性物理といった枠を越え、理論と実験とが連携して宇宙と物質の起源を探る旅。


2010年4月



量子論に基づく無機化学 -群論からのアプローチ-

  • 高木秀夫,『量子論に基づく無機化学: 群論からのアプローチ』,2010年
    • 分子の構造はいかにして決まるのか? 化学反応が自発的に進むかどうかを、どう判定するのか?現代化学の理解に不可欠の群論を、基礎から効率よく身につけながら、無機化学を論理的かつ系統だって学びなおす、まったく新しい教科書。マーカス理論についても詳述。


2010年3月



文書行政の漢帝国 -木簡・竹簡の時代-

  • 冨谷至,『文書行政の漢帝国: 木簡・竹簡の時代』,2010年
    • 紙とは異なる簡牘(=木簡・竹簡のこと)という文書の特性から、書記官のあり方、書体・書法や書芸術の誕生、そして何よりも帝国を支える徹底した文書行政の実態を、文書の伝達・人の動き・物の管理にわたり、明晰な論理と緻密な考証によって蘇らせた労作。



帝国日本と財閥商社 -恐慌・戦争下の三井物産-

  • 春日豊,『帝国日本と財閥商社: 恐慌・戦争下の三井物産』,2010年
    • 広汎なネットワークと取引基盤をもとに、「大東亜共栄圏」の運営を実質的に支えた圧倒的な巨大企業、三井物産の戦時期の経営を初めて総合的に解明、その経済的役割と戦争との関係を正当に位置づけ直すとともに、恐慌からアジア太平洋戦争へといたる日本経済の動態をも浮彫りにした労作。


2010年2月



体制移行の政治経済学 -なぜ社会主義国は資本主義に向かって脱走するのか-



ストレスと筋疼痛障害 -慢性作業関連性筋痛症-

  • ホーカン・ヨアンソンほか(編),間野忠明(監訳),岩瀬敏/中田実(訳),『ストレスと筋疼痛障害: 慢性作業関連性筋痛症』,2010年
    • 職場環境や心理社会的要因から生じる筋肉・骨・関節等の慢性的な痛みや不快感について、病態メカニズムを明らかにしつつ、疫学・生理学・病理学など各分野の研究成果に基づき、臨床・治療に不可欠な知見を集約。医師やリハビリテーション医学・東洋医学・ストレス治療関係者のために。



「大東亜戦争」はなぜ起きたのか―汎アジア主義の政治経済史―


2010年1月



「在日企業」の産業経済史―その社会的基盤とダイナミズム―

  • 韓載香,『「在日企業」の産業経済史: その社会的基盤とダイナミズム』,2010年
    • エスニック・マイノリティの経済発展を可能にするものとは何か? 在日韓国・朝鮮人による製造業・土木業・パチンコ産業などへの集中と、迅速な産業転換によるダイナミックな発展過程を、差別など既存の説明を乗り越えて鮮やかに解明、世界的視野で移民の経済理論に新たな展望を拓く。



クリティカル・モーメント -批評の根源と臨界の認識-