青土社 新刊一覧(2010年)
2010年10月
- 橋本一径,『指紋論: 心霊主義から生体認証まで』 NEW!!
- 19世紀後半、身元確認の手段として発見された〈指紋〉が与えた知られざる衝撃、指紋を残す 「幽霊」 たち、指紋捜査に冷淡な名探偵ホームズ、指紋採取に対する市民の嫌悪感情――。社会問題からオカルトまで歴史の謎めいた諸断片を渉猟し、近代的主体の変貌を鮮やかに描き出す、逆説の身体・社会論。
- ラッセル・ショート,松田和也(訳),『デカルトの骨: 死後の伝説』 NEW!!
- 池内紀,『ことばの哲学: 関口存男のこと』 NEW!!
- スラヴォイ・ジジェク,中山徹(訳),『暴力: 6つの斜めからの省察』 NEW!!
- フェリペ・フェルナンデス‐アルメスト,関口篤(訳),『1492 コロンブス: 逆転の世界史』 NEW!!
2010年9月
- ポール・ザヒール,松浦俊輔(訳),『バットマンになる!――スーパーヒーローの運動生理学』
- デイヴィッド・ライアン,田畑暁生(訳),『膨張する監視社会――個人識別システムの進化とリスク』
- 9・11以降ますます精緻化する監視システムとは? いまや監視社会は電子化・国際化による市民識別管理にシフトした。生体認証システムや ID カードシステム整備をめざす政府とその利潤に群がる企業群。セキュリティと自由のバランスをどこに見出すのか? 監視社会論の第一人者が、電子監視社会の進化形を手際よく総覧し、市民識別の視点からあざやかに斬る。
- 春日武彦,『天才だもの。――わたしたちは異常な存在をどう見てきたのか』
- 「天才とは何であるかを説明しようとすると、どうして誰もがつまらぬことばかり言うのだろう。」伝記からフィクションまで、いつも奇人変人扱いされてきた 「天才」 たち。精神医学のみならず文芸批評や小説執筆など幅広い分野で執筆活動を続ける著者が 「天才」 というテーマに初めて切り込む。
- 高田勝,『ニムオロ原野 風露荘の春秋――野鳥の楽園を夢みて』
- 松葉祥一,『哲学的なものと政治的なもの――開かれた現象学のために』
2010年8月
- ダニエル・C・デネット,阿部文彦(訳),『解明される宗教――進化論的アプローチ』
- 塚本珪一,『フンころがしの生物多様性――自然学の風景』
- 排泄物や死骸を糧とするフンころがし(糞虫)は、自然界の底辺で壮大な循環を支える貴重な生き物だ――。長年にわたってフィールドワークを重ねてきた第一人者が、フン虫と生物多様性の切っても切れない世界観を、つぶさに確かめ描きなおす、ユニークな昆虫記。
- 秦剛平,『名画で読む聖書の女たち』
- 受胎告知を受けたもう一人の聖女、民族を救った美貌の王妃から、近親相姦で人類を救おうとした女、娼婦に化けてしゅうとを騙した女、敵将の首をかき取った猛女まで。世界最高の古典を華やかかつ妖しく彩る過激な女たちの相貌を、あますところなく絵解きする。画像200点。
- 原克,『身体補完計画――すべてはサイボーグになる』
- 義肢、臓器移植、人工臓器からテレパシー研究、パワードスーツ、そして人間増幅器まで…。生体と機械がその領域を超えて「境界侵犯」したとき、混沌と織りなす複合体、すなわちサイボーグ的身体は誕生した。20世紀の身体表象を解き明かす。
2010年7月
- 郡司ペギオ-幸夫,『生命壱号――おそろしく単純な生命モデル』
- 生命の具体的モデル=生命壱号が完成しました―対立し相反するように見えることを個物のなかで調停し、壊れずに動き続ける画期的生命モデルの全貌。生命を理解する、とはどういうことか。
- ジョン・D・バロウ,桃井緑美子(訳),『美しい科学2――サイエンス・イメージ』
- ジョン・D・バロウ,桃井緑美子(訳),『美しい科学1――コズミック・イメージ』
- リチャード・コニフ,長野敬/赤松眞紀(訳),『飢えたピラニアと泳いでみた――へんであぶない生きもの紀行』
- テレンス・タオ,寺嶋英志(訳),『数学オリンピックチャンピオンの美しい解き方』
- 数学オリンピック最年少金メダリスト記録を持つタオ教授による、誰でも楽しめる理想の数学教室。問題の把握とその戦略、そして美しい攻め方とは――。
- ニコラス・G・カー,篠儀直子(訳),『ネット・バカ――インターネットがわたしたちの脳にしていること』
- 田川研,『蝶も蛾も美しい――虫屋なる日々』
2010年6月
- ボブ・ディラン/バリー・フェインスタイン,中川五郎(訳),『追憶のハリウッド'60s――もうひとつのディラン特集』
- ディランが彗星の如く現れ、「時代は変わる」と謳い上げた1960年代―友人の写真家、バリー・ファインスタインが撮ったハリウッドのポートレイトの数々にインスピレーションを得て執筆した詩の一群が、40年以上の歳月を経て再発見された。話題沸騰の詩写真集、待望の本邦初訳。
- 杉山二郎,『仏像が来た道』
- 今われわれに深い感動を呼び起こす仏像は、なぜこのような姿かたちにたどりついたのか?かたちとその背後にある信仰・歴史・人間の営みを跡づけ、千年にわたる仏像誕生と来歴のドラマをたどる。
- メイ・R・ベーレンバウム,久保儀明(訳),『ゴキブリだって愛されたい――昆虫たちの都市伝説』
- 広大な野山やコンクリート・ジャングルを自在に徘徊する虫たちの、不思議いっぱいの知られざる生態の数々。カワイイから気味悪いまで、虫の習性と姿形に投影された、現代人の情感とイメージを多角的に分析する、文化昆虫学の可能性―。
- 宮本省三,『リハビリテーション身体論――認知運動療法の臨床×哲学』
2010年5月
- ヴィンセント・ピエリボン/デヴィッド・F・グルーバー,滋賀陽子(訳),『光るクラゲ――蛍光タンパク質開発物語』
- パスカル・キニャール,高橋啓(訳),『アマリアの別荘』
- 夫の浮気を知ったアンは、決然とすべての生活を“処分”して、新たな人生を始めるための旅に出る。さまざまな出逢いが交錯し、思いがけない事態が迫りくる。彼女は安らぎの場所を見いだせるのか?…現代フランスを代表する作家の集大成にして傑作長篇。
- テリー・イーグルトン,大橋洋一/小林久美子(訳),『宗教とは何か』
- ドーキンスらの科学万能主義が蔓延する現代にあって、宗教はやはり阿片にすぎないのか。後期資本主義の格差・貧困を打開する可能性は、革命と救済を目指す宗教にあるのではないか。知の巨人・イーグルトンによる画期的宗教論。
- 黒沢清/蓮實重彦,『東京から 現代アメリカ映画談義――イーストウッド、スピルバーグ、タランティーノ』
- なぜ、この三人なのか?明日もまた、アメリカ映画は変わらず続くのか?東京より、愛を込めて。
2010年4月
- 西江雅之,『食べる』
- 「食べられるもの」と「食べ物」は何がちがうの?世界を旅して、その土地の言葉も習慣も吸収してしまう驚異の文化人類学者が、これまでのすべての経験から考えた、味わい深い「食べる」をめぐる20のはなし。
- 白石嘉治,『不純なる教養』
- 資本主義の終わりを、われわれはどのように生きればいいのか?時間と場所を倒錯させ、無数の新たな夢をつむぐための「不純なる教養」。
- マイケル・シーゲル,諸岡敏行(訳),『サキソフォン物語――悪魔の角笛からジャズの花形へ』
- 最もあとで生まれ、最もはやく世界に広まった人気楽器の魅力の秘密とは?伝説のミュージシャンのインタビューもまじえながら、その歴史と薀蓄に深く分け入る。ジャズ、クラシック、ブラスバンド、R&B…あらゆるジャンルをこえて愛され続けるサックスのすべてが詰め込まれた決定版。
- 多田富雄,『落葉隻語 ことばのかたみ』
- 「これからだってもっと生きにくい時代が続くだろう。でもあんな子供たちがいる限り、未来は大丈夫だろう・・・・・・」
全身全霊で書きつづられた、次の世代へのメッセージ。
- 川田順造,『文化を交叉させる――人類学者の眼』
- 声・身振り・絵解きが中心的伝達手段の、アフリカ無文字社会の日常。対照的に、過剰・多様な文字表現が駆使される日本の伝統。全く異なる文化空間を自在に往還し、「人間」とは誰か、「文化」とは何かを探求する、人類学の第一人者の思考のエッセンス。
2010年3月
- 立岩真也/齊藤拓,『ベーシックインカム――分配する最小国家の可能性』
- 澤井繁男,『魔術師たちのルネサンス――錬金術からコスモロジーへ』
- ルネ・レモン, 工藤庸子/伊達聖伸(訳),『政教分離を問いなおす――EUとムスリムのはざまで』
- アンドレアス・ワグナー,松浦俊輔(訳),『パラドクスだらけの生命――DNA分子から人間社会まで』
- 「利他的」でもあり「利己的」でもある親鳥の子育てやアリの捨て身攻撃、「リスク」でもあり「安全策」でもある水棲生物の陸上進出やDNAの突然変異…。生命活動のさまざまな場面で「逆説」が姿を見せるのは偶然ではない。それは生命が生命たりうる究極の原理なのだ。最先端のあらゆる領域を駆け巡り、大胆に生命の謎に迫る。
2010年2月
- ピーター・ホルワード,松本潤一郎(訳),『ドゥルーズと創造の哲学――この世界を抜け出て』
- スラヴォイ・ジジェク,中山徹/鈴木英明(訳),『大義を忘れるな――革命・テロ・反資本主義』
- ジョルジョ・アガンベン,高桑和巳(訳),『王国と栄光――オイコノミアと統治の神学的系譜学のために』
2010年1月
なし