人文総合演習A 第6回(浜野喬士『エコ・テロリズム』)

エコ・テロリズム―過激化する環境運動とアメリカの内なるテロ (新書y)

エコ・テロリズム―過激化する環境運動とアメリカの内なるテロ (新書y)

私のコメントはあとで。

以下、出席者からのレスポンス。

  • 議論の中心が「国家間の話し合い」だったため、日本とアメリカが対立関係にあるようになっていたように感じた。でも、そもそも報告者2人共のレジュメは「エコ・テロリズム」について論じていて、エコ・テロリズム団体=アメリカと捉えてはいないし、捉えるべきではないと思う。また暴力の是否についても、それこそ文化の違いじゃないかと思った。アメリカの場合、本にあったように「暴力」(戦争)によって国や権利を勝ちとってきたけれど、日本はそのようなことがない。そういう意味でも、文化の違いの問題は、環境保護の内容、手段に大きく関わっていると思う。

  • 私はエコ・テロリズムに絶対反対!とは言えない。暴力が全くなしで協議だけで全て解決するとは思えない。私はディープ・エコロジーの考えに賛成してしまう部分があって、人間と他の動物とで何が違うのだろう、と思う。考えると、保護することも人間のごう慢のように思えてくる。/本を読むのにかなり時間がかかりました。この時間は毎回頭が痛くなりますね。

  • 人間なら誰しも「けんか」や「いたずら」にワクワクする気持ちを持っていると思う。エコ・テロリズムは「環境保護」の名の下にそれらの感情を満たすための自己満足のように感じた。暴力が「手段」になるのは仕方なくても「目的」になってはいけない。

  • この問題は、それぞれの人の思想や文化によって、意見が分かれる問題で、難しいと感じた。議論もついていくのが大変だった。

  • 本を読むのに時間がかかってしまい、議論についていくので精一杯になってしまった。小さな団体を国家まで広げていいのかな? と思った反面、強力な(過激な)行動をする団体には国家という大きな力をもった団体が率先して取り扱うべきかなとも思った。けど発言まで至れなかった。いい意見が出た時に深められるような自分の意見を言いたい!/意味不明な質問ばかりしてしまう。/全体として、自分にとってうまくいかず悔いの残る議論だった。司会者さんが、エコ・テロリズム[という言葉遣いの価値含意についての自覚の有無――三谷補足]について報告者さんにきいたのがよかったなと思いました。毎回議題がリンクしていて考えが深まって楽しい。

  • エコ・テロリストが「環境保護」を掲げる限り、彼らの団体を潰すことはできないのだから、国家が明確な基準を示し、彼らの行動への制裁を加えるしか、一般人の安全を保障することはできないと思う。我々が、彼らの行動の是非を問うても、彼らには関係のないことである。我々は、人>動物という倫理感で論じたが、彼らが我々と同じ倫理感を持っているとは限らず、国際会議においても同じことが言える。

  • 自分の中でうまく考えをまとめてから質問をすることができなかったので、相手に質問の意味が伝わりにくかっただろうと思う。

  • 私は前回の討論内容(死刑とか)を持ち出しすぎるのは、悪いわけではないけれど、考えなければならない範囲が広がってしまうので、蒸し返しすぎるのはやめて欲しいと思いました。エコ・テロリズムにかかわる上で一番考えるべきことは環境との関わりというよりも暴力に賛成するかしないかということだと思うので、その点ではコメンテーターも報告者も反対で、今回は全員一致する点があったことが新しいと思いました。

  • いつも話が「国がどうするか」にいきすぎ。国がなんとかしてくれるわけではなくて、国民がどういう風に活動していくかというのを問題にすべきなのでは。日本人的倫理観をもってみると、過激な環境活動はありえないものかもしれないが、「環境は大事にしなきゃだけど暴力はイヤ(暴力で生活がおびやかされるのがイヤ)だから国がなんとかしてくれる」というような主張よりはエコテロリズムの方が理解できる。

  • エコ・テロリズムという考え自体が、私達の身辺に広まっているわけではないので、やはり、賛成か反対かといえば反対派が多いだろうし、私自身も賛成できるわけではない。けど、「環境保護」って活動自体けっこう人間中心的な考えだと思う。物には程度というものはあるものの、エコ・テロリストの根本的な考え方は「人間以外の動物愛護」であり、過激になるのは、「人間」を除いてまでも守ろうとする姿勢があるのではないかなと。そうであれば、それは理にかなってることではあると思う(肩を持つわけじゃない)。人間を残してって考え方も人間中心的よねってことで。今日の議題は少し難しかった・・・。皆様おつかれ様でした。次回はもう少し自分の意見言えるように頑張ります。

  • 過激な環境運動には私も反対だ。しかし。それについて深い根拠や対策を考えることができなかった。政治的な問題や団体ごとでの正義など、いろいろな要素が絡んでいるのでさらに難しいと思った。

  • 今回の演習で扱われた、環境問題やエコテロリズムについての問題は、あまり考えたことがなくて、この機会に考えることができて良かった。報告者やコメンテーターのレジュメはうまくまとまっていて読みやすかった。

  • 難しいテーマだった。環境を保護する理由という根本的な事が私にはよく分からず、議論に参加しづらかった。というか本をよむ事は大事だと思った。最初の30ページくらいしか読んでいなかった。申し訳ありません(笑)。

  • 今回はすごく難しいテーマで、過去2回と雰囲気が違っていたように感じた。こういう難しいテーマの時には、もう少し本書を読みこんで、もっと広い視野でいろんな意見や発見を持てるようにしたい。

  • 報告者の感想  質問をされてもすぐに返答することができず、自分の伝えたいことをうまく伝えることができなかった。コメンテーターのときには改善できるようにしたい!! 国と国との協議の問題は難しいが、それゆえ議論が深まっていたのでよかったと思います。

  • 報告者の感想  頭が真っ白になってしまってうまく喋れませんでした。/もう少し本書の理解ができていればな、と思いました。/今までの討論より質問数が少なかったです。倫理的問題は議論しづらいな、と思った。

  • コメンテータの感想  今回はコメンテーターという立場で議論に参加したが、自説をとおすという壁にまたぶち当たった。これまで3回の授業をとおして、どれも一概に答えがでないものばかりで、本当にむずかしいなと思った。

  • コメンテータの感想  もう精根尽き果てました・・・ 頭が破裂してしまいそうです・・・ なかなか自分一人では考えつかなかったような問題が次々と出てきたことは良かったと思いますが、それに対し上手に対応できなかったのが反省点です。次回はもっと頑張ります。

  • 司会者の感想  司会がとても難しかった。話が途切れてもどうすればいいかわからず、議論を止めてしまった・・・。もっと準備の段階で考えてくるべきだった。