Bill Condon監督『Dreamgirls』 (邦題:ドリームガールズ)

ドリームガールズ スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

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私はあんまり音楽について知らない人だ。洋楽はほぼ何にも知らない。他方で、何を隠そう、私はTBSラジオ小島慶子キラ☆キラ』(のポッドキャスト)を毎日聴いている人である(ちなみに『ウィークエンドシャッフル』にいたっては2周目だ)。なので、水曜日の西寺郷太の解説で、黒い音楽にちょっと興味を持ち始めていた。
この映画を観る準備としてそれは大変良かった。もちろん、その準備がなくとも十分楽しめる傑作だと思うが、話にだけ聞いていたBerry Gordy, Jr.の剛腕とか、どう聴いてもすげえ!と思う黒音楽に対して白人の観客が顔をしかめるところとか、白人向けのぬるいアレンジの方が売れるとか、映画で観られてすごい興奮した。
この作品はもともとブロードウェイミュージカルだそうで、ところどころ会話が歌になるわけだが、これがまた素晴らしい。普通の会話のところが退屈に感じられて、早く歌始まらないかなあ、と思いながら観ていた。そういう意味で、ミュージカルというものの楽しさ面白さも教えられた。もちろん劇中にたくさん出てくる楽曲も、そして歌っている俳優たちも素晴らしく、やっぱりJeniffer Hudsonが歌いだすとガンアガりだ。Beyoncéは、少なくとも前半は歌唱力があまりないという設定なので、抑え気味だったが、終盤のレコーディングシーンはすごかった。
そういうわけで、映画のテーマとしての黒人音楽、映画の形式としてのミュージカル、どちらもいいもんだなあと思わせてくれる(おそらく初心者向けの)傑作。