Jon Turteltaub監督『National Treasure』 (邦題:ナショナル・トレジャー)

ナショナル・トレジャー [Blu-ray]

ナショナル・トレジャー [Blu-ray]

しかしNicolas Cageという人は、どんな役でも馬鹿にしか見えないなあ。
さて、national treasureとはよく言ったもので、なんでエジプトの昔から殺し合いの奪い合いの的になっていたお宝が米国の国宝なのか、という当然の疑問も吹き飛ぶくらいの国内感。もっと正確にはdomestic treasureと言うべきだろうね。とにかく、米国の街中を追いかけっこしてるだけ。狭いよ世界が。
いろいろ爆笑シーンはある。最初、北極で難破船を探している一行が、金属探知機に反応したところをちょっと掘るとすぐに手応えが。興奮して雪をどけると、Charlotteという船名の書かれたプレートにどんぴしゃり。この時点で、あとの展開(のゆるさ)がだいたい分かる。
お宝のヒントは独立宣言書にあり、ということで、まあちょっとあって、結局盗むことになるのだが、もちろんそれこそ国宝だから、厳重な警備がされている。ところが、レーザー探知機を含む警備の詳細から、収納管理の仕方まで、全部図書館にある本に図入りで書いてあるのだ。やっぱ米国は情報公開が進んでいるなあ。
悪役たちは、お宝のヒントを得るとただちにノーパソでヤフる。どう見てもただの素人だ。というか、せめてググレカス
あとは、おなじみのフリーメイソンがなんとかみたいなトンデモ馬鹿話。主人公のGates一族は、陰謀論で学界から総スカンを喰らっているという設定なのだが、映画が最後まで進むと、結局正しかったんじゃん、名誉回復してね! というだけの話。
Cageは、宝の部屋で、よく確かめもせずに松明の火をそこらへんにつける。そこから火の通路みたいなのができて、莫大な宝の全貌が明らかになるシーンだが、あれ、一歩間違ったらお宝も人間も全部火の海というところだぞ。あー、それから独立宣言書にレモン汁垂らしてドライヤーで乾かすとか、丸めたり開いたりを空中で何度も繰り返すとか、どう考えても扱いがぞんざいすぎるのも・・・見どころだな。