実数列の収束と正負

経済学のための数学入門』、定理2.2.1(1)(69頁)。

のとき、
である。



実数列の収束についてはこちら
これは要するに、数直線上の のこっち側で実数列の収束が起こっているときには、 のあっち側でも、対称的な形で実数列の収束が起こっているよ、ということです。

実数列 が実数 に収束する、というとき、ポイントになるのは距離 ですよね。
同様に、実数列 が実数 に収束するかどうかが問題になるときには、ポイントは距離 です。なので、これをもう少し変形していきましょう。すると

これが、すべての について成り立ちます。つまり、 の間の距離と、 の間の距離は、つねに等しいということです。
ということは、 に収束する、つまり

であるときには、つねに、

だということです。これはすなわち、 に収束するということですよね。なので証明はこれで終わりです。