Ash Brannon, Chris Buck監督『Surf's Up』(邦題:サーフズ・アップ)

ペンギンがサーフィンをするだけの映画。久しぶりに観通すのに苦痛を覚えた。開始20分ではよおわらんかな、と時計を気にしたほど。
ペンギンといえば去年観た『Happy Feet』が思い出されるが、そっちの方が100倍面白いしかわいいし。『Happy Feet』は、ペンギンのヨタヨタ歩きをタップダンスにつなげることで、かわいさをかっこよさに昇華させていたが、本作では、ただペンギンがサーフィンをするだけで、なぜサーフィンなのかの必然性がない。人間がやればいいところをペンギンがやっているだけの話。全然面白くない。
まあもともと、サーフィン(特にサーフィン映画)もイワトビペンギンも好きではない、というかどっちかというと嫌い、という先入見はあるのかもしれないけど。でもサーフィンが好きな人ってどのくらいいるのか疑問だけどね。いややったことないけど。
それはともかく、メインのプロットが全然魅力的でなく、かつサーフィンをするペンギンが特段かわいいわけでもない上に、映画自体の形式がモクメンタリー(mocking documentary)である。つまり擬似ドキュメンタリーというわけで、でもアニメだから擬似なのは元々バレバレであり、要するに、ドキュメンタリー形式のサーフィン映画のパロディで笑いをとろうとしているわけだ。なので、役者(ペンギン)が、時々カメラ目線でなんか言ったり、インタヴューのシーンが入ったりする。これが、もう、うざいことこの上なし。
最後のコンテストのところも特に盛り上がりはなし。確かに、海や波の感じとかはすごくきれいに表現されているが、まず、もうそんなことじゃ感心しない時代になってしまったし、次に、そういったことは映画としての面白さとは直結しない。口直しにもっかい『Happy Feet』観たい。