村上春樹『1Q84 BOOK2』

1Q84 BOOK 2

1Q84 BOOK 2

謎が未解決だからBOOK3に期待、というのをよく見るけど、そう? 「解決」してほしい「謎」なんかどこに残ってるの? 
読売新聞の取材に対して、「この後どうするかということは、ゆっくり考えていきたい」と答えているわけだけど、もしかりにBOOK3が出るのだとすれば、この、〈謎に導かれた冒険・の末の成長・の締め括りとしての決断〉という成長物語の「その後」を、「謎」とは別の形で魅力的に描くことが求められるだろう。
少なくとも私は、「あれがどういうことなのか気になって寝られねー」という感じで続篇を期待する気持ちにはならない。
ところで読売の記事だけど、

1・2巻で描かれるのは「1Q84」年の半年分。続編を期待する声が早くも上がるが、「この後どうするかということは、ゆっくり考えていきたい」と答えた。

「この後」というのが、続篇の意味なのかどうか微妙な感じじゃないこれ?

追記

BOOK2の最後に、BOOK1にはない、「本作品には、一九八四年当時にはなかった語句も使われています。」「本作品は書下ろし作品です。」というのが書いてあることからも、この作品はこれで完結という感じは受ける。
それとは別に、前者の断り書きは必要? 当たり前だけど、本作品には、1984年当時には存在しなかった人間が登場するし、実際には起こらなかった事件が起こる。そりゃ小説なんだからそうだろう。なら、当時になかった語句が出てきてもいいんじゃない? 小説なんだから。というわけで、前者の断り書きは不要であって、ということは、これも作品の一部と考えるしかない。