人文総合演習A 第14回



いじめをはじめとする学校問題の捉え方は、自分の一回的な経験にかなり依存して決まる(しかもその記憶は、卒業後急速に薄れていき、またノスタルジックに、あるいは悪夢的に類型化される)ため、客観的な議論がしにくいのですが、今回報告者は、自分の経験の特殊性を十分に明記したうえで、それに基づいた議論を展開してくれました。このような構成にすることで、では異なる経験に基づけばどんな違った議論が展開できるか、というふうに話が広がっていくわけです。そういう意味で、下記司会者の謙遜に反して、各人が経験に基づいた意見を表明するという展開はアリだったと思います。

ところで、報告者は幼稚園から中学まで、1学年20人でずっとクラス替えなしという経験をしていて、学年でいうと小学校200人、中学校300人、高校450人という経験の持ち主である私は、そんなのはごく例外的な事例だろうと思っていたわけですが、出席者の中にそんな感じの少人数学年の経験者がかなりいてビビりました。自分の経験を無理に一般化していたのは私の方でしたね・・・



以下、出席者のコメント。

  • 色々な体験談をきけてよかったです。
  • いじめはなくならないと思います。精神的な弱さがいじめを引き起こすのではないでしょうか。
  • いろいろな人のいじめに対する考えがきけて参考になりました。クラスを解体しても、田舎などもとの人数が少ないとあまりクラスの有無は関係ない気がします。
  • 教育者は大きな責任を負わなければならないと思うので、自分は絶対になりたくない。
  • 引きこもりについては、あたしはあまり否定的ではないので、本のタイトルの「自殺するなら、引きこもれ」ということにはとても納得できました。自分も中学のときにいろいろ経験したのですが、今回みんなの経験をふまえた意見がきけて良かったです。
  • 今日の議題がかなり重かったので、聞いててとても言葉につまった。教員になる気はないけどちょっと考えてみたいと思った。
  • 今回のレジュメの内容は皆と密接に関わりがあるものだったので、とても白熱したと思いました。
  • いろんな形態ができるようにしてもいいと思いますね。
  • いじめの問題については体験者には何も言えない・・・説得力があると思った。いじめのなかったクラス(すごく仲良しではないが)だったから、自分の過去をふり返って考察してみる機会にもなった。レジュメを作っている身として、自分の体験が展開できるのはすごいと思う。
  • 正直なことを言うと、私の高校の時の夢は引きこもりでした。内職して暮らしたかったんです。また、私の高校時代の友達も、いじめみたいな感じのものがあって中退してしまいましたが、辞めてからの方がのびのびとしてました。あと、私の中学校は1クラス40人弱で4クラスだったんですが、私のクラスは最大、不登校8人でした。そしてたぶん、クラスがなくてもグループ内でいじめは回ります。中学の時、あるグループの子たちが最低2回はいじめが回ってきたと言ってました。
  • 私は、小・中・高全てでクラス替えがあったので、その度に違う人たちとかかわって、友だちを作ってきたことで知らない人たちの中に入っても、話しかけられるようになってました。今回のテーマは、とても関心があったので、色々な経験や考えを聞けて良かったですが、やはり、理想の教師になるのは難しいと思います。司会者のさばきが素晴らしかったと思いました!
  • 報告者の感想  疲れました。今まで発表者がねむいと言っていたのがよくわかりました。でもみんなの学校の話をきけて面白かったです。勉強になりました!
  • 司会者の感想  いじめについての問題を考えることは本当に難しいと思った。議論するというよりは1人1人が意見を述べる感じになってしまったので、司会者としては失敗だったのかな? でもいい経験になった。報告者の方、お疲れさまでした。