「社会学の基礎概念」第一節I. 1

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 この文章で「意味」っていうのは、行為者が主観的に思っている意味のこと。で、一つには、実際に行為者が思っている意味というのがある。これは歴史上のある事例である行為者が思っているというのでもいいし、いくつかの事例を通じて何人かの行為者が思っていることの平均というか近似でもいい。これに対して、概念でつくった純粋類型の中に登場する行為者、類型の中に登場するってことはこの行為者もやっぱり一つの類型なんだけど、そういう類型として頭の中で考えた行為者(人数不問)が思っている意味っていうのもある。行為者が主観的に思っている意味、っていったけど、これはつまり、客観的に「正しい」意味だとか、形而上学で証明された「真の」意味とかのことじゃあ、ないってこと。どっちの意味について考えるかで、社会学とか歴史学みたいな、行為を経験的に研究する学問と、法学とか論理学とか倫理学とか美学みたいな、対象の「正しい」意味とか「妥当な」意味を求める教義学とが区別されるので覚えておくように。

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