「社会学の基礎概念」序文

ドイツ語勉強会をしようということになってSoziologische Grundbegriffeを読むことになったので、さっそくおふざけwをしてみた。

http://www.textlog.de/weber_grundbegriffe.html
 概念定義というものは、なければないで困るけど、あればあったでどうしても抽象的で現実離れしたものになってやっぱり困る。といいつつ、この序論で用いる方法も全然新しいものではないんだけど。というか、経験的社会学では同じ対象を表すのにいろんな言葉が使われているので、それをもっと目的にかなった、もっと正確な形で表現してやりたいと思っただけなのだ(なのでもしかしたらちょっと細かすぎる話になるかもしれない)――うーん、うまくできているといいのだけど。まあというわけで、見慣れない表現とか見たことない表現が出てくるかもしれないけど許してくれ。この本の427頁以下の論文と較べると、用語は理解しやすいようにできるだけ簡単にしたので、だいぶ変わっているはずだ。わかりやすく、でも正確に、というのはなかなか難しい要求で、どっちもというのが無理なときは正確さの方をとったのでそのつもりで。
 「理解」の件はK. Jaspersの『一般精神病理学』を参照してくれ(あと、Rickertの『自然科学的概念形成の限界』の2版とか、特にSimmelの『歴史哲学の問題』にも読むべきところがある)。方法については、毎度のことでほんと申し訳ないが、F. Gottlの『言葉の支配』を挙げておく。でもこの本、文章がわかりにくいし、なんかちゃんと考えてないとことかあってあれなんですけど。内容の方は、なんといってもF. Tönniesの名著『共同体と社会』だが、あと、R. Stammlerの『唯物史観から見た経済と法』というひどい本があって、それを批判した論文が本書の291頁以下と360頁以下に収録してあるので、そっちも見てくれ。以下で書くことの基礎となることをそっちの方で結構書いたので。Simmelの(『社会学』とか『貨幣の哲学』に書いてある)方法は採用しなかった。だって、行為者が思っている「意味」と客観的に妥当する「意味」とを区別してなくて、というかわざとごっちゃにしてるところが結構あるんだもん。以下ではこの二つをできるだけ区別して書いてみた。

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