差異と境界
ルーマン先生曰く、
境界というものを抽象的に概念化してしまうと、つまり単にシステムと環境の差異が境界だと考えてしまうと、境界というのがシステムに属するものなのか環境に属するものなのかわからなくなる。論理的には、差異それ自体は第三項だからである。他方、境界を解釈するのに複雑性の落差の問題を用いてやると、境界にはこの落差を安定化する機能があるという言い方が可能になり、この種の安定化機能を確保するための戦略を開発することができるのはシステムだけなので、境界はシステムに属するといえるようになる。(Soziale Systeme, p. 53)
ふむふむ。システムと環境の差異は、システムのものでも環境のものでもないと。で、境界の機能というものを考えるためには境界はシステムのものでないといかんと。境界をシステムのものとするには、境界がシステム/環境の差異であってはいかんと。というわけで境界の機能を考えるには、境界と差異は別物でないといかんと。こういう理屈かな。