ストレートの確率は?

 申請書書くのに疲れたので確率の計算とかして遊んでいるよ。
 で、ポーカーのストレートの確率の話だよ。読んでた数理統計の教科書の練習問題を解いていたのだけど、解答は
   \frac{9 \cdot 4^5}{{}_{52} \mathrm{C}_5}
って書いてあった。まずはこれを解説するよ。
 トランプは4種類の模様と、13個の数字から成っていて、全部で  4 \times 13 = 52 枚あるよ。
 ポーカーは、この52枚から5枚取り出して役の強弱を争うゲームだよ。自分に配られる5枚の組み合わせとしては、
  {}_{52} \mathrm{C}_5 通り
があるよ。この記号の計算は、52から大きい順に5つの整数をかけたものを、5から大きい順に5つの整数をかけたもの(5の階乗)で割る、というものだよ。
   (52 \times 51 \times 50 \times 49 \times 48) \div (5 \times 4 \times 3 \times 2 \times 1) = 2598960 通り
259万8960通りだよ。(この計算について詳しくはこちら)これがすべての場合の数になるよ。これに対してストレートになるのが何通りあるか、その割合が確率だよ。上の教科書の解答だと、
   9 \cdot 4^5 = 9216 通り
ということになるよ(この教科書ではストレートフラッシュもストレートとしてカウントしているみたい)。これはどういうことかというと、ストレートは5枚のカードの模様は何でもいいので、1枚ごとに4通りの可能性があるよ。それが5枚だから4を5回かけるわけだね。
 で、ストレートにはもう一つ特徴があるよ。一番小さい数字が決まれば、あとの4枚の数字も全部決まっちゃうのだ。たとえば一番小さい数字が3だったら、あとの4枚は、4, 5, 6, 7と決まるわけだ。だから最初の数字が何通りあるかだけ考えればいいのだ。上の教科書だと4の5乗に9をかけているから、これが9通りあるという意味だね。つまり、{1, 2, 3, 4, 5} から、{9, 10, J, Q, K} の9通りだよ。
 ・・・あれ? たしかロイヤルストレートフラッシュっていうのがあって、それは {10, J, Q, K, A} で模様が一緒なんじゃなかったっけ??? ロイヤルストレートフラッシュっていうくらいだから、これもストレートの一種なのではないの?
 と、役の定義の問題になったらもう考えてもわからないので、ポーカーの確率」というページをみてみるよ。
 すると、なんと「ロイヤルフラッシュ」って書いてある。「ストレート」はいらないのか。さらに「ストレートフラッシュ」のところをみると、

ストレートというのは1から始まって13で終わるもので、13から1へとは続けてはいけません。

とある。そうだったのかあ! ということは、ロイヤルフラッシュは、ストレートフラッシュの特殊版ではなくてフラッシュの特殊版という位置づけになるのか。上の教科書の解答とも一致する見解だ。
 ところが、このページの「ストレート」のとこを見ると、「4の5乗を10倍(1〜10で始まる場合があるから)」って書いてある。ここからロイヤルフラッシュ(4通り)と、ストレートフラッシュ(36通り)を引いて10200通りとするわけだけど、それでは模様がそろっていない {10, J, Q, K, A} はストレートに含まれてしまう。上で言ってることと矛盾しとるじゃないですか、普通科3年の山下君!
 結局、他のサイトも見てみたけど、キングとエースの連続をストレートに入れる見解、つまりストレートは10200通りというのが多数派で、教科書の解答の9216通りというのは見なかった。ほんとのところはどうなんでしょうか。