コンティンジェント

「よーっしゃ! ほいこれ見てみぃ、決めたったで」
「お、えらい景気がええやないか。どしたんや。」
「やり方多すぎて埒があかんからなあ。わしが一つばしぃっ!と決めたったんや」
「ほうかぁ、それあれや、複雑性の縮減いうやつやで」
「あ、ほんまか、これが縮減いうやつか。うちの息子が学校で習てきたいいよったわ。れどくちおーんいうて走りまいしよるけんこらっしゃげてやった」
「ほんだけどおまえそれまだコンティンジェントやでぇ」
「コンティンジェントいうたらなんな」
「いやわしもよう知らんのやけど、別のでもよかった、いうことらしいで」
「それおまえ失礼やろ」
「ええ何がな」
「それおまえわしが決めたったいいよんのに別のでもよかったってそれ失礼とちゃいますかいうとんやわしは」
「おまえはあほやなあ」
「なにがあほや」
「別のでもようなかったら、それでないといかんいうことやろがな」
「そらそうや、ほんだからわしがこれでないといかんいうてばしぃっと決めたったん・・・」
「いやほんだからな、はじめからそれでないといかんのやったらおまえが決めんでもええやないか」
「え・・・そ、そうかぁ?」
「そうやろ。別のでもええからおまえが決めたいえるんやろがな」
「なんか釈然とせんけどそういわれたらそうやなあ。別のでもええからわしの出る幕があるいうことか」
「やっとわかったみたいやな。ほんだらあっちいって、わしがばしぃっと決めたったでぇ、ほんだけど別のでもええでぇ、っていうてこい。」
「ほうやな。ほんだらちょっというてくるわ。おーい、わしが決め・・・」
「・・・あいつやっぱりあほやな」