「河出ブックス」目録リスト一覧



生きるための自由論 (河出ブックス)

  • 22. 大澤真幸,『生きるための自由論』,2010年 NEW!!

    • 人類にとって至上の価値である「自由」。だが、それはいったいどこにあるのか? 脳科学の知見も参照しつつ、自由という概念自体の刷新を目論み、新たな連帯への方向性を示唆する刺激的論考。



教養としての世界宗教事件史 (河出ブックス)



思想としてのシェイクスピア---近代世界を読み解くキーワード50 (河出ブックス)



「大学町」出現---近代都市計画の錬金術 (河出ブックス)



路上の全共闘1968 (河出ブックス)

  • 18. 三橋俊明,『路上の全共闘1968』,2010年
    • 全共闘は、学生運動ではなかった。バリケードは世界に開かれた「アジール/混在郷」であり、路上の礫が群衆を自己組織化へと誘い、神田の街は解放区と化した。日大全共闘の当事者がその体験をあえて私的に想起しながら、学生運動ではない「直接自治運動」としての全共闘の経験を来たるべき「反政治/直接自治」の可能性として検証するいままで語られなかった新しい1968論。



近代都市パリの誕生---鉄道・メトロ時代の熱狂 (河出ブックス)

  • 17. 北河大次郎,『近代都市パリの誕生: 鉄道・メトロ時代の熱狂』,2010年
    • かつて人々が鉄道に夢を託し熱狂した時代があった。それは変化を求める人々の高揚感が社会を支配した、文明史の一つの高潮期であった。鉄道はその姿形によって、人々を無邪気に興奮させただけではない。従来の国土政策や経済社会の仕組みにさまざまな変革をもたらしながら、物質社会の繁栄を生み出した。官vs民、サン=シモン主義者vsフーリエ主義者、地下vs高架、蒸気vs電気、エンジニアvs建築家―鉄道整備をめぐって浮き彫りとなったさまざまな葛藤の歴史を経て、パリは初めて現在のような都市としての個性を獲得するのである。



聖母マリア崇拝の謎---「見えない宗教」の人類学 (河出ブックス)



【人と思考の軌跡】永山則夫---ある表現者の使命 (河出ブックス)

  • 15. 細見和之,『永山則夫: ある表現者の使命』,2010年
    • 一九六九年、「連続射殺魔」永山則夫は一九歳で逮捕、獄中で文字を学び、膨大な書物を読む中から、ノート『無知の涙』、小説『木橋』、『捨て子ごっこ』などを執筆して社会に衝撃を与えながら、一九九七年に処刑された。永山にとって「表現」とは何だったのか。その著作は何を問いかけるのか。そして永山の「使命」とは何か。はじめて永山の「表現」のすべてと向きあいつつ、犯罪、死刑、そして文学を根底から問い返す果敢にして真摯な試み。



秘密結社の時代---鞍馬天狗で読み解く百年 (河出ブックス)

  • 14. 海野弘,『秘密結社の時代: 鞍馬天狗で読み解く百年』,2010年
    • 動乱の時代、幕末を背景にした大佛次郎の小説やドキュメントには、秘密結社が現れる。なかでも鞍馬天狗シリーズは、幕末の結社の物語として読むことができる。サンカと鞍馬天狗の関係、結社がうごめく時代への突入、そして戦後、再び現れた結社。だがしかし、秘密結社も鞍馬天狗とともに消えていったのか…。「秘密結社」を切り口に、幕末と大佛の生きた現代を重ね合わせ、鞍馬天狗が駆けぬけた百年を、スリリングに読み解く。



貧者の領域---誰が排除されているのか (河出ブックス)

  • 13. 西澤晃彦,『貧者の領域: 誰が排除されているのか』,2010年
    • 社会問題として論じられるようにはなったものの、貧困の現実はいまだ十分に可視化されてはいない。むしろ何も変わっていないのではないか…。貧者を取り囲む、「檻のない牢獄」とも言うべき世界は、われわれに鋭利な問いを突きつける―生かすのか殺すのか、と。その声を受け止めうる「社会」はいかにして可能なのか。貧者の存在をないものとしてやりすごさせる排除と隠蔽のメカニズムを暴き出し、他者と自己とが共有する「社会」という拡がりへの想像力を培う道を模索する。



オリンピック・シティ 東京1940・1964 (河出ブックス)

  • 12. 片木篤,『オリンピック・シティ東京 1940・1964』,2010年
    • 東京は、第12回(1940)と第18回(1964)オリンピックの開催都市に選ばれた。第12回オリンピックは戦争激化のため返上、第18回オリンピックは成功を収め、戦後復興を国内外に知らしめた。二度のオリンピック東京大会の計画と実施を、都市・建築の視点から読み解くことで、戦前から戦後にかけての首都・東京とその建築の変容を浮き彫りにする。



日本語は生きのびるか---米中日の文化史的三角関係 (河出ブックス)

  • 11. 平川祐弘,『日本語は生きのびるか: 米中日の文化史的三角関係』,2010年
    • ときに言語は亡びる。日本語の興亡は、日本の運命に直結する。文化史的に見て、かつての中国、今日の米国のような中心国に対し、日本は周辺国である。これまで日本人は、優れた外来文化は積極的に受容しつつ、自らの主体性は維持してきた。グローバル化が加速する現在、母語である日本語とともに、支配語である英語をいかに習得すべきか。そして世界といかに対峙すべきか。国際文化史を背景に考察する、画期的な日本語論。



【人と思考の軌跡】竹内好---アジアとの出会い (河出ブックス) (河出ブックス―人と思考の軌跡)



心霊の文化史---スピリチュアルな英国近代 (河出ブックス)

  • 9. 吉村正和,『心霊の文化史: スピリチュアルな英国近代』,2010年
    • 心霊主義と一口に言っても、降霊会、骨相学、神智学など、その裾野は広い。当初は死者との交信から始まった心霊主義だが、やがて科学者や思想家たちの賛同を得ながら、時代の精神へと変容を遂げ、やがて社会改革運動にまで発展していく。本書では心霊主義の軌跡を追いながら、真のスピリチュアルとは何かを検証する。



写真的思考 (河出ブックス 8)

  • 8. 飯沢耕太郎,『写真的思考』,2009年
    • 舟の中に静かに女性が横たわる本書カバーの写真を見て、あなたは何を感じるだろうか。安らかな眠り、死出の旅、彼岸と此岸…。見る者の想像力を、上下左右、過去・現在・未来へと解き放つ美しい写真(たち)の魅力はどこにあるのか。古今東西のユニークな写真を読み解きながら、写真における神話的想像力の働きに肉迫し、「見る=考える」ことの醍醐味について具体的に考察した、著者初の本格的写真論。



日本SF精神史----幕末・明治から戦後まで (河出ブックス)

  • 7. 長山靖生,『日本SF精神史: 幕末・明治から戦後まで』,2009年
    • 日本SFの誕生から百五十年、“未来”はどのように思い描かれ、“もうひとつの世界”はいかに空想されてきたか―。幕末期の架空史から、明治の未来小説・冒険小説、大正・昭和初期の探偵小説・科学小説、そして戦後の現代SF第一世代まで、近代日本が培ってきたSF的想像力の系譜を、現在につながる生命あるものとして描くと同時に、文学史・社会史のなかにSF的作品を位置づけ直す野心作。



日本の植民地建築―帝国に築かれたネットワーク (河出ブックス)

  • 6. 西澤泰彦,『日本の植民地建築: 帝国に築かれたネットワーク』,2009年
    • 日清戦争から第二次世界大戦にかけて、東アジア各地に出現した日本支配地には、数多くの建物が日本人の手によって建てられた。それを植民地建築と呼ぶが、それらが成立した背景には、建築家などの人、セメントなどの物、雑誌などの情報が支配地相互に移動することを可能にしたネットワークがあった。それを解き明かしながら植民地建築の本質と植民地支配の実態を示す。



脳科学の真実--脳研究者は何を考えているか (河出ブックス)

  • 5. 坂井克之,『脳科学の真実: 脳研究者は何を考えているか』,2009年
    • 脳科学者」の活躍や脳画像技術の進歩もあって、急速に一般社会に浸透した「脳科学」。医療、教育、司法、マーケティングなどさまざまな分野で研究成果の応用を期待されてもいるが、その過熱ぶりに危うさはないのか―。第一線の研究者が脳科学ブームを批判的に検証。研究現場の現状もフェアに見つめながら、いま求められる科学と社会の関係を問う。



検閲と文学--1920年代の攻防 (河出ブックス)

  • 4. 紅野謙介,『検閲と文学: 1920年代の攻防』,2009年
    • 関東大震災治安維持法普通選挙、拡張するマスメディアと出版界…大正から昭和へと時代が移り変わる激動のさなか、検閲の嵐が文学を直撃する。そして謎に満ちた一九二六、二七年の筆禍―。当時の総合雑誌ではもっとも頻繁に検閲処分を受けた『改造』を中心に、円本(文学全集)誕生の経緯も交えながら、文学者、編集者、出版社が織り成す苦闘のドラマを活写する。



「格差」の戦後史--階級社会 日本の履歴書 (河出ブックス)

  • 3. 橋本健二,『「格差」の戦後史: 階級社会 日本の履歴書』,2009年
    • 高度経済成長以降、完全に忘れられていた格差と貧困の問題が噴き出している昨今、日本人は社会科学的思考に目覚めはじめたと言える。しかし、格差には多様な側面がある。戦後六十数年の間に、どのような格差の拡大や縮小があったのか―。さまざまなデータを駆使し、各年代を象徴する事件や出来事を交えながら、敗戦直後から現在にいたる格差と階級構造の歴史的変遷を描く。



教養としての日本宗教事件史 (河出ブックス)

  • 2. 島田裕巳,『教養としての日本宗教事件史』,2009年
    • 現代人にとって、宗教についての知識・教養は不可欠なものになりつつある。そしてその本質に迫るには、宗教のもつスキャンダラスな側面を無視することはできない。仏教伝来、大仏開眼空海VS最澄末法思想の広がり、信長の蛮行、お蔭参り、大本事件、天皇人間宣言、踊る宗教、宗教の「お一人様化」…さまざまな意味で対立を引き起こしたもの、一般の宗教史ではあまり触れられないものを中心に、24の事件を現代と通じるかたちで取り上げながら、日本人と宗教の歴史をダイナミックに描く。



読者はどこにいるのか--書物の中の私たち (河出ブックス)

  • 1. 石原千秋,『読者はどこにいるのか: 書物の中の私たち』,2009年
    • 私たちは本を読むとき、さまざまなことを期待している。その期待は満たされたり、裏切られたり、覆されたりする。そのとき、私たちはどういう読者なのか、どういう感性を持っているのか、そして、どこにいるのか―近代読者の誕生から百年。作品論・作家論、テクスト論、構造主義ニュー・アカデミズム、カルチュラル・スタディーズ…文学研究と現代思想のトレンドの変遷を跡づけ、「内面の共同体」というオリジナルの視点も導入しながら、読む/書くという営為の奥深き世界へと読者をいざなう。