「河出ブックス」目録リスト一覧
- 22. 大澤真幸,『生きるための自由論』,2010年 NEW!!
- 人類にとって至上の価値である「自由」。だが、それはいったいどこにあるのか? 脳科学の知見も参照しつつ、自由という概念自体の刷新を目論み、新たな連帯への方向性を示唆する刺激的論考。
- 21. 島田裕巳,『教養としての世界宗教事件史』,2010年 NEW!!
- 20. 本橋哲也,『思想としてのシェイクスピア: 近代世界を読み解くキーワード50』,2010年
- シェイクスピアが時代を超えて人々を魅了し続けるのはなぜか。50のキーワードを手がかりに100の場面を取り上げつつ、その作品世界と思想のエッセンスを一冊に凝縮した新しいガイドマップ。
- 19. 木方十根,『「大学町」出現: 近代都市計画の錬金術』,2010年
- 18. 三橋俊明,『路上の全共闘1968』,2010年
- 17. 北河大次郎,『近代都市パリの誕生: 鉄道・メトロ時代の熱狂』,2010年
- かつて人々が鉄道に夢を託し熱狂した時代があった。それは変化を求める人々の高揚感が社会を支配した、文明史の一つの高潮期であった。鉄道はその姿形によって、人々を無邪気に興奮させただけではない。従来の国土政策や経済社会の仕組みにさまざまな変革をもたらしながら、物質社会の繁栄を生み出した。官vs民、サン=シモン主義者vsフーリエ主義者、地下vs高架、蒸気vs電気、エンジニアvs建築家―鉄道整備をめぐって浮き彫りとなったさまざまな葛藤の歴史を経て、パリは初めて現在のような都市としての個性を獲得するのである。
- 16. 山形孝夫,『聖母マリア崇拝の謎: 「見えない宗教」の人類学』,2010年
- 15. 細見和之,『永山則夫: ある表現者の使命』,2010年
- 14. 海野弘,『秘密結社の時代: 鞍馬天狗で読み解く百年』,2010年
- 13. 西澤晃彦,『貧者の領域: 誰が排除されているのか』,2010年
- 社会問題として論じられるようにはなったものの、貧困の現実はいまだ十分に可視化されてはいない。むしろ何も変わっていないのではないか…。貧者を取り囲む、「檻のない牢獄」とも言うべき世界は、われわれに鋭利な問いを突きつける―生かすのか殺すのか、と。その声を受け止めうる「社会」はいかにして可能なのか。貧者の存在をないものとしてやりすごさせる排除と隠蔽のメカニズムを暴き出し、他者と自己とが共有する「社会」という拡がりへの想像力を培う道を模索する。
- 12. 片木篤,『オリンピック・シティ東京 1940・1964』,2010年
- 東京は、第12回(1940)と第18回(1964)オリンピックの開催都市に選ばれた。第12回オリンピックは戦争激化のため返上、第18回オリンピックは成功を収め、戦後復興を国内外に知らしめた。二度のオリンピック東京大会の計画と実施を、都市・建築の視点から読み解くことで、戦前から戦後にかけての首都・東京とその建築の変容を浮き彫りにする。
- 11. 平川祐弘,『日本語は生きのびるか: 米中日の文化史的三角関係』,2010年
- 10. 丸川哲史,『竹内好: アジアとの出会い』,2010年
- 9. 吉村正和,『心霊の文化史: スピリチュアルな英国近代』,2010年
- 7. 長山靖生,『日本SF精神史: 幕末・明治から戦後まで』,2009年
- 日本SFの誕生から百五十年、“未来”はどのように思い描かれ、“もうひとつの世界”はいかに空想されてきたか―。幕末期の架空史から、明治の未来小説・冒険小説、大正・昭和初期の探偵小説・科学小説、そして戦後の現代SF第一世代まで、近代日本が培ってきたSF的想像力の系譜を、現在につながる生命あるものとして描くと同時に、文学史・社会史のなかにSF的作品を位置づけ直す野心作。
- 6. 西澤泰彦,『日本の植民地建築: 帝国に築かれたネットワーク』,2009年
- 5. 坂井克之,『脳科学の真実: 脳研究者は何を考えているか』,2009年
- 4. 紅野謙介,『検閲と文学: 1920年代の攻防』,2009年
- 3. 橋本健二,『「格差」の戦後史: 階級社会 日本の履歴書』,2009年
- 高度経済成長以降、完全に忘れられていた格差と貧困の問題が噴き出している昨今、日本人は社会科学的思考に目覚めはじめたと言える。しかし、格差には多様な側面がある。戦後六十数年の間に、どのような格差の拡大や縮小があったのか―。さまざまなデータを駆使し、各年代を象徴する事件や出来事を交えながら、敗戦直後から現在にいたる格差と階級構造の歴史的変遷を描く。
- 2. 島田裕巳,『教養としての日本宗教事件史』,2009年
- 1. 石原千秋,『読者はどこにいるのか: 書物の中の私たち』,2009年
- 私たちは本を読むとき、さまざまなことを期待している。その期待は満たされたり、裏切られたり、覆されたりする。そのとき、私たちはどういう読者なのか、どういう感性を持っているのか、そして、どこにいるのか―近代読者の誕生から百年。作品論・作家論、テクスト論、構造主義、ニュー・アカデミズム、カルチュラル・スタディーズ…文学研究と現代思想のトレンドの変遷を跡づけ、「内面の共同体」というオリジナルの視点も導入しながら、読む/書くという営為の奥深き世界へと読者をいざなう。