John W. O'Malley, What Happened at Vatican II



What Happened at Vatican II

  • John W. O'Malley, What Happened at Vatican II,
    • 『第2ヴァチカン公会議で何が起きたか』(2008年に出た本のペーパーバック化)
       第2ヴァチカン公会議は4年間の会期を通じて、その優雅で荘厳に演出された儀式の様子に、テレビの前の視聴者を釘付けにし、また会議で交わされた論争はほぼ毎週新聞の一面を飾った。この公会議が20世紀の最も重要な宗教的事件であることを認めない人はまずいないだろう。その影響は、カトリック教会の外部にまで及んだのだから。本書は、1959年1月25日、教皇ヨハネ23世が会議の招集を宣言した瞬間から、1965年12月8日の閉会にいたるまでの会議の様子を、公文書に基づいた堅実な研究として、しかも簡潔かつ読みやすく記述したものである。また登場する様々な論点については、それが発生した文脈が、規模の大小を問わず、また歴史的文脈と神学的文脈とを問わず明らかにされているため、読者は、この公会議がいったい何を成し遂げようとしていたのかを把握するための鍵を得ることができる。
       本書は、多彩な登場人物と相互の衝突を描くことで、この公会議がはらんでいるドラマを剔出する。また、公会議ダイナミクスを理解するために必要な解釈カテゴリー群を新たに提起するが、それは、「進歩的」とか「保守的」といった、すでに使い古されたラベルにとどまるものではない。公会議の招集から50周年を目前に控えたいま、本書はこの会議の精神を新しい仕方で明らかにするものだ。本書は第2ヴァチカン公会議についての信頼できる公平な入門書であり、ベネディクト16世を頂点とする今日のカトリック教会を理解するのに不可欠の資料である。