2010年10月21日のツイート

2010年10月21日





2010年10月20日のツイート

木曜5限「現代正義論とジェンダー」(オムニバス授業「ジェンダーと文化」の1回)

ジェンダーと文化」という題目で、社会学文化人類学・情報文化系の教員が1〜2回ずつ担当するオムニバス授業の、第3回「現代正義論とジェンダー」を担当しました。担当一覧はこちら。

  1. ガイダンス (10/7 杉原名穂子)
  2. ジェンダーとは何か (10/14 杉原名穂子)
  3. 現代正義論とジェンダー(10/21 三谷武司)
  4. 日本家族の比較研究(1) ジェンダーの視点から(10/28 佐藤康行
  5. 日本家族の比較研究(2) (11/4 佐藤康行
  6. マスメディアとジェンダー(1) (11/11 北村順生)
  7. マスメディアとジェンダー(2)  (11/18 北村順生)
  8. ネットワーク社会におけるジェンダーの多様性(11/25 古賀豊)
  9. 文化人類学ジェンダー (12/2 中村潔)
  10. 文化相対主義ジェンダー(12/9中村潔)
  11. 性役割文化について (12/16 杉原名穂子)
  12. ジェンダーと政治(1) (1/13 渡辺登)
  13. ジェンダーと政治(2) (1/20 渡辺登)
  14. 災害とジェンダー(1) (1/27 松井克浩)
  15. 災害とジェンダー(2) (2/3 松井克浩)

学生にとっては実質2回目の授業なので、その後に続く、様々な分野におけるジェンダーの、おそらく経験的な研究の紹介に対して、規範的な観点から問題視していけるような準備になればいいなあと思ってしゃべりました。
内容としては、そもそも社会科学には経験的な研究と規範的な研究という二つのアプローチがあること、正義論は規範的研究に属していて、たとえばロールズ理論のように精緻に組み上げられた理論が存在していることを紹介した上で、そこで呈示される価値を実現するためには、経験的研究が重要であることを強調しました。
たとえば「平等」が重要だといっても、「何の平等か」を特定しなければなりませんし、そこでたとえば「機会の平等が重要だ」となったとしても、そしてここまでは「理論的に」決められるとしても、「現実において何をすることが機会の平等を実現することになるのか」は、現実がどのようになっているかを把握しない限りわからないわけです。
で、男女をめぐる現実がどのようになっているかについては、来週以降、他の先生たちが教えてくれるだろうからちゃんと聞くように! という丸投げエンドでしたw 90分だから仕方ない!ということにしておいてください。

レポート課題

ジェンダーの問題に対して適用されるべきだとあなたが考える一般的な規範を一つ挙げ、それが望ましい理由について抽象的に論じた上で、それを実際に適用する際に生じてくる困難について、ジェンダーに関する経験的事実を参照しつつ論じなさい。

正義論

正義論

ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上)

ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上)

ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(下)

ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(下)

 
以下、学生からのレスポンスです。

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人文総合演習B 第3回 竹沢尚一郎『社会とは何か』

社会とは何か―システムからプロセスへ (中公新書)

社会とは何か―システムからプロセスへ (中公新書)

あれなんですよね。社会学とか言ってるけど、社会学は今日にいたるまで、「社会」という対象をうまく位置づけられていないんですよね。

社会というのはこういうもんだ、いやそういうのじゃなくてこういうのだ、という議論をするときに、いったいそれぞれの主張の妥当性を、何に照らして確かめたらいいのか、それが決まっていない、というか、それ自体が、個々の主張の妥当性に依存するわけです。セルフ・レファレンスですねえ。
むしろ、各論者の「社会」概念の使い方に、その論者の理論の根幹に関わる意思決定が隠れていると考えたほうがいいかもしれません。そうすると、社会概念の定義の妥当性は、それによってつくられる理論全体の妥当性によって判断されることになるでしょう。
私が研究しているニクラス・ルーマンは、「現代において社会は世界社会でしかありえない」と言っており、そして今回の報告者の一人がこれと全く同じことを言っていて面白かったのですが、ここから考えるべきことは、その命題自体が妥当かどうかではなくて、その命題、あるいはその命題を導いた概念定義から出発することでどんな理論体系ができるのか、そうでない場合の理論体系とどんな点で変わってくるのか、といったことなのだと思います。
ああ、えーと、また長くなりそうなので、このへんにしておきます(Twitterこの辺とかこの辺を見ると、少しは参考になるかも。いらん話が多すぎるけど)。
担当者たちには、初回ということで、否応なく君たちは次回以降の基準となるのだ! とプレッシャーをかけておきましたが、きちんと応えてくれてよかったです。
 
以下、レスポンスカードより。

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2010年10月20日