鈴木光司『らせん』

らせん - (角川ホラー文庫)

らせん - (角川ホラー文庫)

『リング』で死んだ高山竜司が、自分の死体の腹から新聞紙をはみ出させたり、自分のDNAに暗号を混ぜたりして主人公を操り、山村貞子と組んで人類の進化を図る、という途方もない方向にはじけている作品。人物像の設定が微妙に変わっているような気がする。まあ、無茶苦茶すぎて何も言えない。
そもそも『リング』自体、ホラーじゃなくて謎解き冒険ものだったわけで、正統な続編といえると思う(ホラーなのは映画の『リング』)。今作では、貞子が再生して、リュック・ベッソンの『ニキータ』を観たり、本屋で万引きしたり、ハンバーガーを食べたり、主人公とセックスしたり、置き手紙を書いたりする。全然怖くない。