David Koepp監督『Secret Window』(邦題:シークレット・ウィンドウ)

ここでヒント! 原作はStephen Kingです。まだわからない? じゃあもう一つ、主人公はスランプの作家です。え? まだわからないの? しょうがないなあ、これもう答え言ってるようなもんだよ・・・ 主人公は人里離れた一軒家にひきこもってます。もうわかったよね。そう、正解は、主人公が多重人格で、全部妄想だった、でしたー。じゃあまた来週。
というわけで、実は妄想だった(犯人は自分だった)というのは、それがどんでん返しであることを忘れてしまうくらい陳腐でチープな結末なのだが、この映画はまさにそれ。しかも、オープニングから主人公が心の声と会話してたりしていて、作り手は「どんでん返し」の意味わかってないんじゃないかと思わせる。途中で出てくる人たちも、ちょっと不自然なくらい、主人公が訴える不審人物について「証拠はあるのか」とか「目撃者はいるのか」と聞いてくるので、どうしてもその種の話だとしか思えない。ミスディレクションて言葉聞いたことある?
ただ、Johnny Deppという人は、立ち居振る舞いとか表情とか見てるだけである程度楽しめる役者で、その点では救われている、というか、結構満足してしまった。
とはいえいずれにしても、King原作映画の例に漏れず、どうしていつもこうなんだろうという感じでチープ。主人公に盗作疑惑をふっかけてくる不審人物の名前がShooterで、それが実はShoot Herという意味だった、とか言われて感心するの、子供だけだって。別人格だって、ちゃんと実体化して出てくるという、実に子供だましな演出なんだよなあ。King原作のホラーって、がっかりしたことしかないんだけど。
最後、悪い人格に乗っとられたJohnny Deppが、「エンディングこそがすべて。今度のはいいエンディングが書けたよ」とか言っているのは、何かの罰ゲームなんですかね。