Robert Clouse監督『Enter the Dragon』(邦題:燃えよドラゴン)

燃えよドラゴン [Blu-ray]

燃えよドラゴン [Blu-ray]

1973年の香港・米国映画。
画質が残念なことに。音質は結構いい。
ただ話が絶望的につまらない。各シーンも退屈で何度も欠伸が出たし、実を言うと、1時間くらい観て眠くなったので数時間の睡眠を挟んでしまった。
これが(今でも)大好きとか言ってる人はどうかしてるんじゃないかと思うが、そこまで突き放さないならば、流行を実際に体験したかどうかの違いだろう。いじわるな言い方をすると、みんなが面白いっていうから面白いような気になっていただけなんじゃないの。
もちろん、私はポストドラゴン世代であって、この作品にインスパイアされた作品やパロディ作品で育ってきている。そういう歴史的な、画期としての価値はあるのだろうが、それ以上、つまり世代を通じた普遍的な価値はないと思う。
「実はお前の姉(妹?)は奴らに殺されたようなもんじゃ」と爺さんが語るが、「ようようネエちゃんよう」と絡んできた、白人率いるチンピラどもに対して、いきなりナイフで顔を切りつけてオオゴトにしたのは、ジジイ、お前じゃねーか、とか。
というか、ナイフは切りつけるんじゃなくて刺すものなの! という観点からいうと、ラスボスのオヤジは左手が義手で、そこに鉄の爪とかつけて戦うのだが、その使い方が、やっぱり上から下に引っ掻くのみ。その動きしかしないとわかっていたら簡単によけられるでしょうが。それに、無抵抗のBruce Leeの背中からのクリティカルヒットが、せいぜい皮一枚裂くくらい。だから突き刺すんだってそこは。
あとPOVでの格闘シーンがあるが、それ、ほんとに迫力ある? いらなくない?
殺し合いになった乱闘シーンで、一番目立つとこにいるエキストラが満面の笑みだったり、細部へのコントロールが効いてないというか、やる気がないというか、そういうのも観ててイライラした。
最後に、あのBruce Leeのキメ顔っていうの? あれはどういうものとして受けとめればいいのか困った。物語上の必然性はないし、別にかっこよくもない・・・と思うのだけど。