Rob Reiner監督『Rumor Has It . . .』(邦題:迷い婚〜すべての迷える女性たちへ)

迷い婚-すべての迷える女性たちへ [Blu-ray]

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2005年の米国映画。
映画『The Graduate』の、モデルになった人々の後日談、という体のコメディ。『The Graduate』て未見なんだよなあ。Dustin Hoffmanが教会の窓叩くんですよね、程度。
『迷い婚――すべての迷える女性たちへ』とか邦題つけた人たちは、頭どうかしてるんだろうか。タイトルに「迷」が2回出てくるって、ちょっとありえない程度のやる気のなさでしょう。まあ『Rumor Has It . . .』がいいとも思わないけど。
これはターゲットがどのへんなのかがいまいち不明だという問題とも関わっていて、この映画は明らかに、昔の映画を観ている人(つまり現在は初老以降)でないと半分も楽しめない作りになっているにもかかわらず、おそらくその人たちにとって切実な問題を扱っているわけではなく、『迷い婚――すべての迷える女性たちへ』などというタイトルの映画を観に行くような層に向けている気もする。
私としては、最近観たばかりの古典映画からの引用があって、ちょっとニヤッとしたりした。『Butch Cassidy and the Sundance Kid』からヒロインのKatherine Rossの話が出て、そこからやはりRossがヒロインを務める『The Graduate』へという流れや、『Casablanca』の最後のセリフ「Louis, I think this is the beginning of a beautiful friendship」の引用があったり。でもこんなの、マリッジブルー若い女性は知らないよねえ普通。
『The Graduate』は観てないのであれだけど、Dustin Hoffmanが母娘の両方とセックスする話らしい(違う?)。で、今回の映画では、そのモデルになった人=Kevin Costnerが出てきて、孫娘ともセックスする。それで、それがきっかけになってあれこれあって、その孫娘は迷っていた結婚に踏み切ると。うーん、まとめ方がおかしいのか何じゃそれな感じに。
その孫娘役のJeniffer Anistonの恋人が、Kevin Costnerに較べてあまりにも魅力がなく、なんでこの人のもとに帰っていくのかが理解できない(「あなたなしでも生きてはいける。でもあなたと生きていきたいの」というほどの男か?)。描写不足の点で言えば、そもそも物語開始時に何を不満に思っていたのかもよくわからないので、一連の事件を通じて、Anistonが何を得たのかが不明であり、「すべての迷える女性たち」がどんなアドヴァイスを得られたのかも不明(「とりあえずIT長者に抱かれてこい」ということなの?)。
ちなみにこの映画で「blunt testicular trauma」という言葉を覚えました。サッカーは怖いですね。