Andrew Davis監督『The Fugitive』(邦題:逃亡者)

逃亡者 [Blu-ray]

逃亡者 [Blu-ray]

1993年の米国映画。
画質が大変残念な感じですが・・・
ちょっとこれはダメな感じ。次の二点において。
第一に、スピード感がありすぎ。130分が短く感じられる!というのが褒め言葉になっているみたいだけど、「逃亡者」ものとしては、主人公の絶望感や無力感、惨めさ、挫けそうになる気持ち、喪失感、復讐心と正義感、といったものを、延々と続く逃亡生活の中で描き出し、観客の共感を獲得した上で、最後にようやくカタルシスが!という感じでないと。真犯人を示す何の手がかりもなく、しかも自分は警察から追われながら、どうやって冤罪を晴らすのか。そこにこそ、プロットへの期待があるのではないかなあ。そういう意味では、ジャンルとして映画向きではないのかも。作中の経過時間も、逃亡開始からせいぜい数日でしょう? 数日程度で逃亡者とか言われてもねえ。
第二に、主人公がタフすぎる。絶望感で押しつぶされそうな主人公が、それでも頑張る、というのは日本的感覚なのかなあ。だって、Harrison Fordだもん。列車と激突寸前のバスから危機一髪で脱出する、下水道の中を逃げる、どう考えても無理な高さと勾配のダムから飛び降りる、というのが、そんなに大変そうに見えない。だってインディ・ジョーンズなんだから。