大澤真幸『不可能性の時代』
- 作者: 大澤真幸
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/04/22
- メディア: 新書
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ミネルヴァのふくろうは夕暮れに鳴くという。だが、ふくろうを出来事が進行している渦中に、昼間のうちに鳴かすことはできないだろうか。そもそも昼間のうちに鳴くことができないのならば、ふくろうの存在など何であろうか。さらに言おう。昼間はほんとうは、夕暮れのふくろうを一種のユートピア的な期待のようなものとして最初から胚胎させているはずではないか。それならば、先取りされている夕暮れの視座を昼間のうちに占め、そこから昼間を捉え、鳴くことが十分に可能なはずではないか。こういう思いから、私は、本書を執筆した。 (p. 287-288)
鳴いてどうすんだよ。飛び立てよそこは。