人文総合演習A 第11回



今回から2周目です。

報告は、トピックが多岐にわたる本書から、その肝となる「価値コミットメント」と「ミメーシス」を取り出し、それぞれについて論じたうえで、両者を目的手段関係で捉える、というものでした。

特にミメーシスについて、著者はスゴイ奴に対する感染的模倣だというけれど、報告者の実感としてわからない。そこで、あとから見るとミメーシスに見えるけれども、その成立過程を追って行くと実はそうではない、という代替モデルを構築してくれました。


私が提案するモデルは、大きく三層に分かれている。まず一層目には、物事の先駆者が入る。二層目には、先駆者と同じ発想や意思を持ち、先駆者に続いて行動を起こす者達(社会的に言うエリート)が入る。三層目には、エリート層の流れに追随することや大きな流れに乗ることに価値を見出したりする者や、何の気なく周りに同調してしまう子どもなどが入る。

しかしこのような仕組みが出来上がっていたとしても、周りからみれば、スゴイ奴の真似をしているんだと決めつけることは出来る。

これはあれですね、マスコミ(の影響力)研究でいうところの、「コミュニケイションの二段の流れ」説に似てますね。それはともあれ、出席者からは、それでも感染的なミメーシスっていうのもあるんじゃない? という疑問も出たりして、なかなか活発な議論がなされました。

司会者は、報告者の議論をすばらしくよく理解しており、そのために、他の出席者の意見との異同をきちんと見抜いて、議論の構図をつくることに成功していたと思います。前に座っている二人の意思疏通がうまくいっていると、場に安心感が生まれますね。



以下、出席者のコメント。

  • 今回はとても難しかったです。
  • わかんない。わかんないことだらけ。
  • 読みやすい日本語だったのに、意味がわかりにくい本だったなと思います。
  • 一つ一つの言葉の意味を深く考えることは大切だと思った。
  • 議題が広くて難しかった。もっと内容を深く理解できるようになりたい。
  • 宮台真司って意外と若くない。
  • 現代の日本社会の複雑さを語るうえで幅広いのもいいけど、より焦点を絞ることのほうが大切であると思う。未明死す。
  • 報告者の感想申し訳ありませんでした。抽象的な議論はどこまでも抽象度があがってとりとめもない方向になりますね。結局目的手段図式まで至りませんでした。皆さま今日はがんばってくれてありがとうございます。
  • 司会者の感想みんなに悩んでもらえて、90分ちゃんともったのでよかったです。