ライト「機能分析とマスコミュニケイション」

  • Charles R. Wright, 1960, “Functional Analysis and Mass Communication,” Public Opinion Quarterly 24, pp. 605-620

ルーマンの「機能と因果関係」(『社会学的啓蒙1』)の第5節は、機能命題の正しさを経験的に検証するための方法について論じている。そこで、社会的領域では実験はできないが、非日常的事態が発生した機会を利用する、および、複数のシステムを比較する、という方法が有効だと述べている。前者の方で参照しているのがこの論文なのだが、該当箇所(p. 619)を見てみると、この三つの方法が全部載っていた。
この論文自体は、著者が出したMass Communicationという本からの抜粋(かな)――訳本が2種類ある件(『マス・コミュニケーションの理論』、『マスコミ社会学入門』)。方法論としてはHempelを踏襲。

(要約)
本稿では、機能分析を用いることで、マスコミュニケイションの社会学にとって重要であるにもかかわらず、これまで体系的に研究されてこなかった様々な問いに注意を促す。