アガサ・クリスティ『アクロイド殺害事件』

アクロイド殺害事件 (創元推理文庫)

アクロイド殺害事件 (創元推理文庫)

The Murder of Roger Ackroyd (Hercule Poirot)

The Murder of Roger Ackroyd (Hercule Poirot)

私は「ネタバレはよくない」という規範を共有していない(作品についての情報に触れないように生活するのは未読者の方の責任だと思っている)のだが、世の中にはそういう規範を人に要求しつつ、「だまされた!」「絶対わからない!」「トリックを知らないで読んだ自分は幸福!」「ぎりぎりフェア!」といった表現がネタバレでないと思っている馬鹿が多くて腹立つ。そういうメタ感想(?)を忘れ去ってから読もうと思っていたのだが、そして今回はある程度意識の領域から追い出していた(追い出したと意識しようとがんばっていた)のだが、最初に「作者の言葉」があって、しっかりメタ的ネタバレが書いてあって、結局1行目でわかってしまった。くそっ。(もちろん、1行目でわかるという言い方がネタバレだということはわかって書いている。)
ところで出版社の内容紹介には、本書の記述が語り手による「手記」「記録」である旨が明記してあるものがあるが、それは普通の意味でも完全にネタバレだぞ。どういう見解なんだろね。

名士アクロイドが刺殺されているのが発見された。シェパード医師は警察の調査を克明に記録しようとしたが、事件は迷宮入りの様相を呈しはじめた。
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/320003.html

村の名士アクロイド氏が短刀で刺殺されるという事件がもちあがった。その前に、さる婦人が睡眠薬を飲みすぎて死んでいる。シェパード医師はこうした状況を正確な手記にまとめ、犯人は誰か、という謎を解決しようとする。
http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?goods_id=727

「犯人は誰か、という謎を解決しようとする」というのは嘘だよな・・・