山本弘『“環境問題のウソ”のウソ』

“環境問題のウソ”のウソ

“環境問題のウソ”のウソ

しかしなんというか、「環境問題はウソがまかり通る」、つまり、ウソや根拠薄弱な議論や暴論でも流通することを自ら示したという点では、武田先生の功績は否定できないのかもしれない。「ウソがまかり通る」というのは、「ウソつき」の側の性質ではなくて、それを受け取る側の性質なのだから。
本書についてはもっと茶化して笑いの種にしているのかと思った(期待した)が、結構真っ向から批判する内容だった(のでがっかりした)。
まあそれはともかく、本書を読んで、武田が『国債は買ってはいけない!』という本を書いていることを知った。なんでこの人に国債のことを教わらないといけないのか、というのはさておき、山本の引用によると武田は「商売だからと言って「かからないお金をもらうのは不当である」」と考えているらしい。……あんた、去年から今年にかけてどんだけ「かからないお金」もらってるんだよ!ふざけんな!
話を戻すと、「ウソがまかり通る」のは、本を手にしても題名しかまともに読まない人が大半だということと、専門家集団(学者集団)の問題でいうと、専門Aに属する人が専門外の専門Bについて論じても、専門Aの他の成員は専門外だからそれについて評価しないし、専門Bの成員も専門外の素人が何か言ってますね困ったもんですねということでまともに相手にしない(「まかり通り」度合いがよっぽどひどくなったら別だが)というのがありそう。