人文総合演習A 第10回





今回報告者は、多くのトピックを扱っている本書から、雇用問題とリテラシーを抜き出して独自に補完・展開してくれました。さてレジュメ末尾に


本書を読んで分かったように、社会学は私たちの生活に直結する内容ばかりだから、社会学はとても役に立つだろう。だからこの『反社会学講座』はすばらしい本だと思う。1人でも多くの人がこの本を手にとって、社会学への興味を持ってほしい。
と書いてくれて、社会学の教員としてはありがたやありがたやですw。

リテラシーについては、「読み書き能力」といわれることがありますが、私としては、「書くことを通じて身につけた読む能力」だと考えています。(「書く」も「読む」も、ここではかなり一般的な意味で使っています。「撮る」「描く」「観る」「聴く」などに適宜応用してください。)批判的に読むための能力を身に付けるのに最も適切なのは、自分でも書いてみることです。実は演習というのは、まさにこのような意味でのリテラシーを身につけるための授業です。レジュメ作成過程で、よくわからなくなって誤魔化してみたり、不確かだけどあえて断言してスルーされるのを狙ったり、といったことを経験しているはずです。そういう経験を重ねることで、プロの著書や論文を読んでも、あ、ここ誤魔化したな!みたいなのがわかるようになる・・・かもしれません。1年生の演習としては比較的負担が大きいのを知りつつ、毎回文章でレジュメを書いてもらっているのはそのためです。というわけで最後までよろしく。



以下、出席者のコメント。

  • フリーターとメディアリテラシーについていろんな意見がきけてよかった! 若者、といってもいろいろいて、就職したい人もできない人もフリーターになりたい人もいる・・・のをふまえて、国や企業の対策にも注目したい。メディアリテラシーは、子どもに対する教育の一つでもあると思う。しっかり指導しなくては。
  • とても読みやすく面白い本だった。いくつか項目がある中で今回ピックアップされたフリーターの話題が次回のものと繋がっていたので参考になった。お疲れさまです!
  • この本はけっこう面白かったです。発表者も司会者も流れをうまく作ってくれて、ごちゃごちゃしなくてよかったです。
  • ワーキングプアしかり、フリーターしかり、労働問題は意見が出ますね。それだけ皆さんしっかり考えているということなのでしょう。来週のニートも意見が活発に出そうですね。
  • テレビの時間の制限、新聞の枚数の制限、それぞれの制限を無くしたら、本当に情報を完璧に伝えられるのかが、少し疑問に思った。フリーターの問題については、どうすることが一番良いのかは分からなかった。
  • 討論がとても真剣な意見の交換ですごいと思った。現代の日本の社会問題について自分がいかに無知であるかよくわかったので、もっと積極的に新聞を読んだりニュースを注意して見るようにしようと思った。
  • フリーター、インターネットという我々の身近な問題だったので、とても白熱した議論だったと思います。今の社会構造とフリーターの関係は大きな問題をはらんでおり、今回のレジュメのように解決策をもうけても(また、他の案をあげても)、簡単にどうにかできることではないという事を今回の議論を通して身をもって感じました。
  • フリーターの存在がもたらす矛盾の問題はかなり難しかった。もっと意見を固めてから話せばよかったと思った。
  • 授業中に先生もおっしゃっていましたが、フリーターの何が問題か?という明確な議論目的がないと、話がまっすぐ進まないことを感じました。また、今回のレジュメは、大変読みやすくて話題が出しやすかったです。
  • 一人の意見に自然とみんな食いついてくるような熱い議論が久々にできたと思います。次回の『「ニート」って言うな!』につながる内容だったと思います。
  • フリーターの中で正社員になりたい人が多いのであれば、農家をやるなり、企業を創るなりをすればいいのでは? とも考えられないか? リストラ奨励というのは、今の社会が会社に勤めたり、勤めなかったりを容易にできる促進剤でもあったように感じる(それを助けるようなものが機能してなかったり、なかったりしたから今みたいになったのではないかな・・・)
  • 報告者の感想  フリーター問題は自分の考えの足らなさが議論していく中でよく分かった。十分に考えをねった上でレジュメを書かないとやり直しがきかなくなると痛感した。想定問答をもっとしておくべきだった。でも自分の書いたレジュメをみんなが活発に議論してくれるのは嬉しかった。楽しかった。
  • 司会者の感想  下手な司会だったと思います。メディアリテラシーはどれが正しい情報なのかわからない、という点で難しいと思いました。ただ、間違っていても自分で考え、判断することが重要なんじゃないかと思いました。