人文総合演習A 第9回





自分はもう、俊樹さんの文章をイノセントには読めないのです。つまり、いったい何ひねりしてあるのかと思いながら読み、そのうちに、いま何ひねり目で読んでいるのかを見失ってしまうという感じで、非常に疲れる読書です。なので、佐藤俊樹という人を全然知らず、純粋に桜のことを知りたくてこの本を読む人がどんな読み方をするのかというのはなかなか興味深いことでありました。

さて今回の報告は、ソメイヨシノの歴史の浅さ、人工的な来歴という事実を知った後に、ソメイヨシノ的な桜が我々にとってどんな(古い/新しい)意味を持つかを反省してみるといった感じでした。著者の見解と報告者の見解の違いがなかなか明確にならなかったきらいがありますが、この本の場合はしょうがなかったかなと思います。



以下、出席者のコメント。

  • 桜というので抽象的な感じで意見が出せませんでした。私はソメイヨシノは失くならないと思いますが、林の中で見つける一本というのも見てみたいと思います。菊は食べ物って感じがします。
  • また自分の意見にがっかりした・・・。桜に対しては、見て楽しみたい人が楽しめば良いもので、強制では決してないと思う。(世の中が当然のように話題にしてはいるが)今の桜に対する風習はおそらくなくならないだろうと思う。今回の議論をふまえて、「日本人だから」である。
  • 後半ででてきた話題で桜がなくても宴会は続くというのがありましたが、自分としては桜があった方がいいと思います。宴会の口実にするためにも短い期間しか咲かない桜は必要だと思います。
  • この本を読んで桜と日本の関係について考えることができた。結構ソメイヨシノの歴史が浅くてとても驚いた。
  • ほとんど話せなかったけど、いろいろ意見が聞けておもしろかったです。やっぱり春になって桜が咲くと気持ちがいいです。
  • 日本と桜のむすびつきについて、多角的に考えるキッカケになりました。自分でも、もっと深く考えてみたいです。弘前の桜は、ちょっと気持ち悪くなる位ステキです。(見続けると、という意味で 笑)人もけっこういますが、美しい桜No1らしいので、皆さん、是非青森に来て下さい(´∀`)
  • 桜についてこんなに考えたことはなかったし、日本の花についても考えたことがなかったです。少し話がレジュメから逸れるところもありましたが、桜についての色々な話が聞けてとても楽しかったです。
  • 今までのものと違って、議論しづらかった。ただ、その分すごく正直な意見とか、逆転の発想とか、根底からの議論ができたように思った。花見は、花見と言いながら木の真下でやるのですごく見づらいんじゃないかと思った。
  • 最近、レジュメに関する議論らしい議論がないような気がします。次回は、自分で問題提起できるようにしたいです。
  • 桜の役目はやっぱり花見・宴会で、1人花を愛でるのは梅が相手をしてくれると思う。みんなの議論をきいて考えているうちに、日本人に合うのは桜よりも梅かもしれないと思いなおした。
  • 1つの植物について様々な事柄と絡めて説明されている本も読んだことなかったし、話し合いもしたことがなかったのでとても新鮮で楽しかった。
  • ソメイヨシノ」って言うものに、日本社会の「画一的」な「負」の印象を僕は持っているのに、今日気がついた。あと、4月の始業式が9月になるのはいろんな意味でおもしろいのではないかと思う。
  • 報告者の感想  レジュメを報告してみて、自分の文章を書く能力とか、論文の書き方とか、前より少しわかった。みんなが多く意見してくれて、桜についての新しい見方も知れてよかった。
  • 司会者の感想  司会ということでしたが、進めていく上で色々不備がありました。すみません・・・最初意見が出にくい時にもう少し盛り上げられればよかったですね。この反省を、今度の発表の時に生かしたいと思います。