人文総合演習A 第8回




今回の報告は、著者の呈示するシナリオから、その成立条件をいくつか抽出し、報告者が自分の家族という事例に照らして、それぞれの妥当性を検討し、成立条件自体の成立条件を補完的に示す、という形式でした。著者の文体が楽観的なものなので、まず身近な事例に当てはまるか、当てはまるためにどんな条件が必要かを考えるというのは常套的なやり方です。

司会者もこれを受けて、他の参加者にうまく振ってくれたので、いろんな家庭の事例が出てきて面白い展開になりました。


以下、出席者のコメント。

  • 介護や老後について、ごく身近に内面的な部分では考えたことはあるが経済的・政治的な方面についても考えなくてはいけないなと思った。
  • みんなの家族のことがいろいろ聞けておもしろかったです。元気なうちに死にたいです。
  • 人に迷惑をかけたくないという思いはあるけど、それは無理だと思うので、できる限り、無理しない程度にがんばりたいと思った。コミュニケーション能力に自信のない人は、広く浅くではなくて狭く深く、一生付き合える友達を作ればいいと思う。
  • 「おひとりさまの老後」については自分の身にも無関係ではないのでとてても参考になりました。今まで意識したことなかったので、これからのためにもっと勉強したいです。
  • 一人でいようと家族でいようと、根本的には人は“ひとり”なのだと思う。(結局、人の気持ちを100%理解することは無理だから、孤独だから)ひとりで過ごす老後について考えられて面白かった。
  • 介護に関する話は周りに介護を受けている人がいないので今まで考えた事がなかった。今後は自分のことも含めて老後の事を考えていきたい。
  • 介護が必要な時は急に来るので、今から話し合うのは、なかなか難しいことだと思いました。コミュニケーション能力や自分を理解する能力を身に付ける方法も、どういうことが身に付いているということになるのかも、自分の中ではよく分かりませんでした。
  • 今回は、司会がよかったと思います。話が途切れそうになっても、しっかり話題をふってくれてやりやすかったです。また、内容は、どうも遠すぎて具体的にもっていけなかったです。次は、きちんとした議論ができるといいです。
  • みんなの家庭内事情がきけて面白かったし楽しかった。本自体が少し理想的すぎると思っていたがやっぱりそうだ。
  • 一人暮らしの自分にとって、おひとりさまの老後については興味深く、みなさんの意見をきけて大変参考になりました。あと司会の方が議論の方向をしっかり作ってくれたので、とてもスムーズに進行したと思います。
  • 考えが甘かったなぁと思いました。以後、気をつけようと思います。ただ、「おひとりさま」の生活スタイルとして出されているこの本は、理想形な感じも少ししました。追加:料理できる人って、かっこいいよねってアドバイザーの先生と話していたり(アドバイザーの先生曰く、「できて当然」)。
  • 「早いうちから〜」のスキルは、自覚することがきっかけになると思う。他人を見て、じゃあ自分は〜と視野を広く情報を入れて、自分の将来にリンクさせて考えるとよいのでは。年金に関して、近ごろ後期高齢者医療制度で、かなり危うい老後になりそう・・・。天涯孤独でこんな場合になったらどうすべき・・・? 自分の意見がダメダメだった。
  • 答えを出しづらい質問をしてしまった。すみません。やっぱり結婚はしたいです。その後に「おひとりさま」になるのはちょっと楽しみだったりします。先生の恋バナが聞けて楽しかったです(笑)。
  • 報告者の感想  私はこの本を読むうちに上野さんの世界に引き込まれてしまって、彼女が述べていることがすべて正しいように思えてレジュメを作成するのがとても大変だった。「老後」は誰にでもおとずれることなので、今回の演習で皆少しでも身近に感じてもらえることができたならよかった。レジュメの発表でもキンチョーしすぎて読むだけになってしまったことが心残り。
  • 司会者の感想  今回は、いつもとは違う感じの進め方に(結果的に)なってしまい戸惑う部分もありましたが、今は終わった安心感でいっぱいです。「皆に老後を身近に考えてもらう」という目標はクリアできたので良かったです。