『社会学評論』58巻4号投稿論文

社会学評論 2008年 03月号 [雑誌]

社会学評論 2008年 03月号 [雑誌]

感情労働してると燃え尽きる、という命題に対して、現実はそんな単純なものではなく、感情労働をしたいのにできなくなる状況こそが燃え尽きの(一つの)原因になっていること(そしてそれ以外の事例も探る必要があること)を、ホックシルドの読み直しと聞き取り調査から明らかにした論文。
感情労働者が全員燃え尽きているわけではない以上、著者の指摘はある意味当たり前のことだが、それが当たり前となってこなかったのは誰の責任だろう。各命題を理論的・論理的に検討することなく適当に使っている社会学界の現状に大きな問題があることは疑えないと思う。

  • 貞包英之,「私的な死,恣意的な死――ネット自殺の社会学的考察」

データも少ないしその分析も浅く、なんか「考察」が大半の論文だなと思ったら副題にちゃんと書いてあった。考察の部分がよくわからず(「恣意的」という言葉の意味とか)、どういうふうに現代社会論になっているのかよくつかめなかった(激しく空腹のときに読んだからかもしれないが)。

今号でいちばん読者が少ないのではないかと思われるこの論文、途中まで読んだものの、やっぱり「あとで読む」にしてしまった。すみません・・・「あと」っていつだろう・・・