カルナップ自伝
The Philosophy of Rudolf Carnap, Volume 11 (Library of Living Philosophers)
- 作者: Rudolf Carnap,Paul Arthur Schilpp
- 出版社/メーカー: Open Court
- 発売日: 1999/02/16
- メディア: ペーパーバック
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ちょっと自伝づいているので。これに所収の"Intellectual Autobiography" (pp. 1-84)。
1910年の秋、私はフレーゲの「概念記法」という講義をとった。どんなのか気になっただけで、この人が何者で、どんな内容なのかは全然知らなかった。以前出た人が面白かったと言っていた、と友人から聞いただけだった。出てみると出席者はほんの少ししかいなかった。フレーゲという人は年齢より老けて見え、小柄でシャイできわめて内向的な人だった。この先生は、学生の方を見ることがほとんどなかった。黒板に独自の記法を表す変な図を描いて説明するのだが、その間、私たちは先生の背中ばかり見ていたわけだ。授業中も授業後も、質問や発言をする学生は一人もおらず、ましてや議論など到底不可能な雰囲気だった。
(p. 5)
あうあう。