本日の天声人語

http://www.asahi.com/paper/column20070522.html
 伝説の歌手、尾崎豊はデビュー曲「15の夜」で大人の世界に背を向け、盗んだバイクで走り出した。それも青春だが、・・・

 わろた。それは犯罪ですよ!
 しかし、尾崎のデビューは18歳なのだから、デビューしてから盗んだバイクで走り出したというのは順番が逆ではないのか。
 それはともかくもう少し真面目に言うと、CDデビュー、高校中退、母校の卒業式の日にデビューライブというのは、大人の世界に「背を向けた」のではなくて一足お先に大人の世界の仲間入りをしたということではないだろうか。
 「15の夜」の歌詞にしても、「煙草をふかし」「あの娘と俺は将来さえずっと夢に見てる」わけで、大人の世界を否定する内容ではない。「背を向けながら、心のひとつも解りあえない大人達をにらむ」、「とにかくもう学校や家には帰りたくない」、「大人たちは心を捨てろ捨てろと言うが俺はいや」、「退屈な授業が俺達の全てだというならば、なんてちっぽけで、なんて意味のない、なんて無力な15の夜」とあるように、否定されているのは、自分に対する大人たちの態度なのであって、15歳の少年に対する大人たちの規定のことを〈子供〉と呼ぶならば、背を向けているのは明らかに、「学校や家」、「退屈な授業」に象徴される、「〈子供〉の世界」(つまり〈子供〉扱いされ大人たちに管理される世界)なのである。
 大人の世界に背を向けるというのはいつまでも子供でいたいという意味なのだから、それは全然違うと思うのだ。