ランズバーガー「パーソンズの組織理論」

Henry A. Landsberger, 1961, “Parsons’ Theory of Organizations,” in: Max Black (ed.), The Social Theories of Talcott Parsons: A Critical Examination, Prentice-Hall, pp. 214-249

イントロ

パーソンズにとって組織理論が持つ意味

  • パーソンズの組織定義は、社会哲学の「自由と秩序のディレンマ」問題を捉えたものだよ。
  • (1)公式組織は人間・部署・職業集団といった下位単位を持ちつつ、それ自身が教育システムや経済などのシステムの下位単位だよ。下位単位は上位単位にどうやってどの程度統合されているのかが問題だけど、パーソンズの一般理論はこの問題がどの水準でも生じることを明らかにしているから偉いよ。
  • (2)下位単位の目的が、上位単位の目的にどうやってどの程度統合されているかも問題だよ。
  • (3)組織は、環境からの支援を失わずに、かつ環境に対する同一性(内部での関係パターン)を維持するかという問題を解決するしくみを持っているよ。
  • 組織研究の蓄積で、パーソンズの一般理論をテストしてやるといいよ(でもパーソンズは自分ではあんまりしてないよ)。

組織理論にとってパーソンズの仕事が持つ意味

  • 新興の研究領域ではパーソンズ理論の人気が高いけど、組織研究では部分的・選択的な借用ばかりなので、俺が体系的にやるよ。

社会的システムとしての組織

システム問題とパターン変数

4つの問題(AGIL)と、5組のパターン変数があるよ。

組織と集合体指向

  • パターン変数とシステム問題を使ったパーソンズの組織定義はこじつけのように見える部分もあるけど、実はすごいアイデアが隠れているんだ!これは自己指向/集合体指向のパターン変数の使い方を見ればわかるよ。

このように、個人が心の底から集合体指向であるなどということはありそうにないことだ、ということを強調しつつ、他方で前述のとおり、経営者と被用者の間の利益の一致を主張するという、この矛盾した態度には、一つの可能なモデルの記述とその各部分の定義から、もしこれこれのシステムが安定的であるとしたらどういう条件や関係が必要かという条件命題へ、さらには現実に存在している現象や関係についての命題へ、いつの間にか移行してしまうという、パーソンズの一般的な傾向が表れている。パーソンズがいまどの水準で話をしているのかについて、読者の側で明確に意識しておくなら、パーソンズの議論はより有益で受け入れられやすいものになるだろう。パーソンズの議論は、ひとつの社会的システムが存続するためには、程度の別はあれこれこれの条件が必要だという、上の三つの水準でいうと真ん中の範疇に収まるものがほとんどである。(pp. 225-226

組織の構造と四つのシステム問題

AGILの話。略。