今日の朝日社説

教育再生 見切り発車は危ない

(前略)
 柱の一つは、教員免許法の改正だ。いまの教員免許に有効期限はないが、これを10年間とし、講習を修了すれば更新する。中央教育審議会はそんな制度を答申したが、教育再生会議は不適格教員を排除するような厳しい更新制を求めた。
 私たちも、教える力のない教師には退場してもらいたいと思う。けれど、教師を萎縮させ、教職をめざす学生を減らしかねない制度は行き過ぎだ。厳格化にはそうした副作用が心配される。
http://www.asahi.com/paper/editorial20070126.html#syasetu1

「不適格教員を排除する」と「教える力のない教師には退場してもらう」というのは同じことではないのだろうか。何に賛成して何を心配しているのかがさっぱりわからん。ところで教育再生会議というのはゆとり世代にムカついているオヤジ世代のガス抜きだと思っていたのだけど、首相は本気なのかなあ。

参考 教育再生会議第一次報告

(3)不適格教員は教壇に立たせない。教員養成・採用・研修・評価・分限の一体的改革

【実効ある教員評価、指導力不足認定や分限の厳格化】
子供は教員を選ぶことができません。教員の人間性、専門性や指導力、学級経営の方法が子供の人格形成や学力に大きな影響を与えます。日々、直接に子供と接する教員は、保護者や住民の信頼を損なうことのないよう、一般の職員等以上に厳しく自らの身を律することは当然です。教員の質の向上のため、教員の養成、採用、研修、評価、分限などあらゆる手立てを講じることが必要です。

  • 教育委員会は、指導力不足教員の認定をはじめ、教員の評価を校長や教育委員会が行う際に、保護者、学校評議員、児童・生徒等からの意見も反映させる。その際、意見を聞く項目や、意見を反映させる際の重み付けを適切に判断し、評価する。
  • 教育委員会は、指導力不足教員の認定基準を明確化し、各教員の日頃の勤務状況を蓄積し、教員の適性を十分見極め、指導力不足教員の認定をきちんと行う。プライバシーに配慮した形で、指導力不足教員の人数、改善への取組、及び成果についても分かりやすい形で公表する。
  • 新卒の教員についても、1年間の条件附採用期間終了時に、教員としての資質や適格性を厳格に判断する仕組みを導入する。
  • 教員研修の内容について、教育委員会は、全員一律の画一的な研修ではなく、課題を抱えている教員に対する重点的な研修、各人の得意分野を伸ばす研修など、メリハリのある教員研修を実施する。
  • 教員の資質向上の観点から、いわば「他流試合」的に、他県等への人事交流を促進する。

(4)真に意味のある教員免許更新制の導入

(平成19年通常国会教育職員免許法改正案を提出)
 教員は、教員養成課程で身に付けた能力・技術を日々磨き続け、専門性を深化させていくことが必要です。しかし、教育現場は多忙を極め、また、自らの能力・技術を把握する明確な指標もなく、有効な自己研鑽の機会が提供されていないことも事実です。
 教員が、時代の変化や要請に合わせた教育を行える能力や資質を確保するため、教員免許更新制を導入することが必要です。ただし、10年ごとに30時間の講習受講のみで更新するのではなく、厳格な修了認定とともに、分限制度の活用により、不適格教員に厳しく対応することを求めます。

  • 国は、教育職員免許法等を改正して、教員免許更新制を導入し、教員の更なる資質向上を図る。その際、講習受講のみで更新するのではなく、メリハリのある講習とし、教員の実績や外部評価も勘案しつつ、講習の修了認定を厳格に行う仕組みとする。
  • 指導力不足と認定されている教員については、更新講習ではなく、指導力を上げるための研修を優先的に行い、改善が図られない教員については、分限制度を有効に活用し、教員免許状を取り上げるなど、不適格教員に免許を持たせない仕組みとする。